「俺と同じだけ稼いでから言え」高収入の経済DVに悩む妻の本音
LIMO / 2020年6月11日 20時15分
「俺と同じだけ稼いでから言え」高収入の経済DVに悩む妻の本音
人気のエリアに住み、有名企業にお勤めの夫と恵まれた環境でのびのびと育つ子供たち。そんな生活を送っている主婦は、周囲から憧れの存在に見えるものです。しかし、そんな「誰もが羨む暮らし」を送っていると思われる人でも、実は幸せを感じられずに過ごしている場合もあるといいます。
周囲からは「勝ち組」といわれ
有名企業に勤める夫と20代前半で結婚したEさん。すぐに仕事も辞め、専業主婦になったそうです。その後、憧れのエリアに住み二人のお子さんにも恵まれたことから「完全な勝ち組」と周囲からもてはやされる存在に。
親や友人たちからも「そんな人生が送れて羨ましい」と繰り返しいわれるそうですが、実際のところあまり人に言えない悩みがあるようです。
「夫は仕事ができて稼いでいる自分に価値を見出すタイプ。同期と比べて早く役職に就き、重要なポジションにいることが彼の誇りでした。また、そんな自分の収入で『妻と子供たちを幸せにしてやっている』という思いがとにかく強いんです。口癖は『俺の金で養ってやってる』なので、常に彼に感謝しながら暮らさないといけません。それは肩の凝る作業でしたが、実際夫のおかげで自分の憧れていた生活が送れているのも本当だったので、定期的に感謝の言葉は口にするようにしていました。
高額なものを購入するたび
多少の不満を持ちながらも、住みたい家に住み子供たちを望む環境や学校へ通わせることができている現状に満足しているというKさん。しかし、しばしば夫が口にする「また俺の金で無駄遣いするのか」という言葉に傷ついているそう。
「私にとって、ランチ会や子供の付き合いで行く会合は楽しいものばかりではありません。それなのに夫は『自分が苦労しているのを理解しないで湯水のごとくお金を使う』と思っているようで。何度も、他の人に比べて私は外食費や交際費が多いわけではないと説明しているのですが、夫は『遊んでいる』という言葉が目立つんです。子供の習い事の送迎なども私が一人でやっているのに、そういったものに対して労いもありません」
そして、家の家具や必要品をKさんが選んで購入したいと相談するたびに「人の金だからお前は簡単に欲しがる」などと言われるため、心がズシンと重くなるそうです。
弱音を吐けない家庭
金銭的に困っているわけでもないのに、お金を使うのにいつも気を遣う。この状態は果たして幸せか。Kさんはその疑問を抱えながら生活を送っているといいます。
「特に感じるのは家事や育児に疲れた時です。共働きの友人などは『夫にすべて丸投げした!』なんてたまに息抜きをしているんですよね。でも、私はそれが許されない。以前、子供の学校のことなどでヘトヘトになった話を夫にしたところ『いつでもかわってやるよ。お前が俺と同じだけ稼いでくれるならな』と言われてしまいました。若くして退社し仕事のキャリアもほとんどない私が、夫と同じだけ稼げるわけがない。かぐや姫の無理難題と同じような条件であることを理解しながらそんな言葉しかかけられない夫に、心底ガッカリしました」
周囲から幸せいっぱいで暮らしていると思われているKさん。家にお金があっても自分の自由にならない上、子供たちが欲しいものもいちいち夫の許しを得なければならない。そんな窮屈な生活を送っているにもかかわらず、気心知れた友人らからは「住む世界がもう違う」などと気軽な集まりにも誘われなくなったそうです。
「我慢ができなくなって本当のことを友人に話したこともありましたが『奥様のないものねだり』といって真剣に取り合ってもらえませんでした。『お金はあるけど自由に使えない』というのは、言い方を間違えると嫌味に取られかねません。それだったら『ホントに貧乏!』なんて口々に言える関係の方がよかったのか?なんて考えてしまう時もあります」
まとめ
絵にかいたようにすべてのステイタスをもっているように見える妻でありながら、その内情は息苦しい生活を送っているというKさん。夫の「条件」に惹かれたわけではないと言い切れないこともあり、過去の自分の選択を責めてしまうこともあるそうです。
「私には娘がいます。夫のことは尊敬していますが、娘に同じ道をたどってほしくないのでこの先『お金や条件で男性を選んではいけない』ということを時期が来たら話したいと思っています。まあ、家庭内を見ていればそんなことは言わなくても気づいていると思いますが」
幸せの尺度は人それぞれです。また、結婚生活で何を優先するか。条件ばかりで人を選ぶ前に一度考えてみてもいいかもしれません。
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