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働くみんなの介護事情、どう変化している?

LIMO / 2020年6月12日 19時15分

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働くみんなの介護事情、どう変化している?

介護サービスや雇用保険の介護休業給付金、介護休暇など、高齢者のケアに関する公的な制度は、ひと世代前と比較すると格段に整備されています。とはいえ、高齢化や核家族化が進む今、すべての家庭の困り事が解消されているわけではありません。

2020年4月、公的介護保険制度がスタートして20年たちました。今回は、介護と仕事にまつわる数字を追っていきます。

介護が必要な人はどのくらい増えているの?

まず、内閣府と厚生労働省の資料をもとに、要介護(要支援)認定を受けた人の数の推移をみてみます。

2000年4月末・・・約218万人

2005年4月末・・・約411万人

2010年4月末・・・約487万人

2015年4月末・・・約608万人

2020年3月末・・・約668万6000人(うち男性211万人、女性457万7000人)

この20年間で約3倍となっていることがわかります。
(参考)
2000~2015年:「要介護度別認定者数の推移(https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/301030/shiryou3-2-2.pdf)」内閣府
2020年:「介護保険事業状況報告の概要 (令和2年3月暫定版)(https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m20/dl/2003a.pdf)」厚生労働省

次では、厚生労働省の「就業構造基本調査」をもとに、介護と仕事についてのデータをみていきます。

働くみんなの介護事情

では、総務省統計局の「就業構造基本調査」から、15歳以上で介護をしている人の有業率についてみてみましょう。

仕事をしている割合(有業率)

2012年

介護をしている人・・・約557万4000人(15歳以上人口の約5%)

うち有業者…約291万人(男女別有業率:男性65.3%、女性44.9%)

 
また、調査結果については以下のように言及されています。

介護をしている者のうち,約5割が60歳以上

介護をしている者の有業率は,男女共に介護をしていない者に比べ低い

2017年

介護をしている人…約627 万6000人 (15歳以上人口の約5.7%)

うち有業者…約 346万3000人(男女別有業率:男性 65.3%,女性 49.3%)

こちらの調査結果については以下のように言及されています。

2012年と比べると,2017年は介護をしている女性の有業率が「70 歳以上」を除く全ての年齢層で上がっており、特に「40 歳未満」及び「40~49 歳」で、その伸びが大きくなっている。

(参考)
「平成24年(2012年)就業構造基本調査(https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/pdf/kgaiyou.pdf)」「平成29年(2017年)就業構造基本調査(https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/pdf/kgaiyou.pdf)」厚生労働省

介護離職の数

次は、同調査より、介護・看護のために過去1年間に前職を離職した人の数の推移をみていきます。

2007年・・・約14万4800人 (男:約2万5600人、女:約11万9000人)

2012年・・・約10万1100人 (男:約1万9900人、女:約8万1200人)

2017年・・・約9万9100人   (男:約2万4000人、女:約7万5100人)

総数はやや減少傾向にあり、2012年から2017年にかけてはほぼ横ばいです。また、女性が占める割合は減少傾向にはありますが、8割前後で推移しています。

介護休暇の取得状況(男女別割合)

最後に「平成 29 年(2017年)度雇用均等基本調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-29r/07.pdf)」から、介護休業者の男女別割合の変化をみてみます。

2015年度・・・女性74.0%、男性26.0%

2019年度・・・女性57.1%、男性42.9%

仕事を持ちながら介護をしている女性の割合は上昇している一方で、介護離職の割合は女性の方が高い傾向があります。一方、介護休暇の取得状況の割合は、2015年から2019年の間で男女差がだいぶ縮まっている点に注目したいところです。

高齢者の中には、親族以外が自宅で家事などを行うことを好まない人もおり、家族の中 でも妻や実子(特に娘)が親の介護の主な担い手となっている、というケースも多くみられます。2017年の内閣府の調査(※)によると、「自分が介護される側になったら」男性の56.9%(女性のは19.3%)が「配偶者に介護してもらいたい」と回答しています。

(※)「平成29年(2017年) 高齢者の健康に関する調査(https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h29/zentai/pdf/sec_2_2.pdf)」(全国の 55 歳以上の男女3,000 人が対象)内閣府

まとめにかえて

今や、特定の家族だけが介護を背負う時代は過ぎました。介護休業制度や介護サービスなど、公的な支援を組み合わせて、いかにそれらをうまく活用していけるか。ここに介護する側・される側双方が、心身ともに健康で過ごせるカギがあるのかもしれません。

【参考】
「要介護度別認定者数の推移(https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/301030/shiryou3-2-2.pdf)」内閣府
「介護保険事業状況報告の概要 (令和2年3月暫定版)(https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m20/dl/2003a.pdf)」厚生労働省
「平成24年就業構造基本調査(https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/pdf/kgaiyou.pdf)」厚生労働省
「平成29年就業構造基本調査(https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/pdf/kgaiyou.pdf)」厚生労働省
「平成29年雇用動向調査結果(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/18-2/dl/kekka_gaiyo-05.pdf)」厚生労働省
「平成30年雇用動向調査結果(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/19-2/index.html)」厚生労働省
「平成29年 高齢者の健康に関する調査(https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h29/zentai/pdf/sec_2_2.pdf)」厚生労働省

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