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東レの有機EL材料事業、22年度までに売上高2倍に

LIMO / 2020年6月12日 0時0分

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東レの有機EL材料事業、22年度までに売上高2倍に

発光材料など製品ポートフォリオの拡充図る

 東レは、有機EL材料事業において2022年度(23年3月期)までに売上高を現状の約2倍となる300億円規模に引き上げたい考え。発光材料市場への参入など製品ポートフォリオの拡充を通じて、これを達成していく。

感光性ポリイミドが主力製品

 ディスプレー材料が含まれる電子情報材料事業の19年度売上規模は677億円。このうちディスプレー材料は約3割を占める。従来は液晶およびプラズマディスプレー向け部材が主軸であったが、現在は有機EL向けにシフトして事業拡大を進めている。

 有機EL材料は現在、画素分離層および平坦化層材料として用いられる感光性ポリイミドが主力製品で、売上高の過半を担う。同材料は業界標準としての地位を確立しており、今後は製品ポートフォリオの拡充によって事業拡大を目指す。

発光材料は出光興産と協業

 今後力を入れていく分野の1つが、発光材料市場だ。同社が手がける感光性ポリイミドの市場規模よりも大きく、技術トレンドも変化していることから、参入タイミングが後発でもシェア拡大の余地は十分にあるとして取り組みを強化している。

 発光材料分野における具体的な取り組みとして、19年11月に出光興産㈱と共同で熱活性化遅延蛍光(TADF)材料と赤色蛍光材料を用いた有機EL素子を開発。実用化領域に近い、かつ世界最高レベルの発光効率46cd/Aを達成したと発表した。赤色発光材料には現在、燐光材料が用いられているが、レアメタル使用によってコスト高になってしまう点や、色純度が低いことが課題となっていた。新たに開発した材料は、これら問題を克服するものとして期待される。

大型テレビ用途に期待

 また、感光性銀ペーストを使ったタッチセンサーパネル用材料も今後の事業拡大を担う製品の1つ。従来のITO電極に比べて低抵抗であるため、メタルメッシュ電極に用いることで、肉眼では電極が見えず、視認性が高い大型ディスプレーを作製できる。また、メタルメッシュ電極形成時に引き回し配線を一括形成することが可能で、プロセスを簡便化できる。

 有機EL材料事業は現状、スマートフォンなどの中小型ディスプレー用途が中心であるものの、材料使用量の多い大型テレビなどの用途が増えることも事業拡大の契機になりそうだ。電子情報材料事業本部長を務める榎本裕取締役も「テレビ1台でモバイル機器100台分の数量(材料使用量)が見込める」として、有機ELテレビ市場の拡大に期待を寄せた。

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