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ある程度稼ぐと「物欲がなくなる」は本当か?

LIMO / 2020年6月15日 19時45分

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ある程度稼ぐと「物欲がなくなる」は本当か?

お金に困っている人ほど浪費癖があるものです。その一方である程度お金を稼ぐと、「徐々に物欲がなくなる」という話があります。

筆者はビジネス柄、お金をたくさん稼ぐ方と付き合いがあるのですが、彼/彼女らは積極的に資産運用、自己投資、事業投資にお金は使うものの、総じて「消費のための物欲」はないように思えます。筆者自身、決して富豪などではないものの、自身でビジネスをすることで、所得がサラリーマン時代の10倍以上になりました。その結果、自分自身が物欲はほとんど消えてしまい、驚いた経験があります。

なぜお金が増えるほど物欲がなくなってしまうのでしょうか。その真相を解説します。

物欲の多くは「承認欲求」が生み出している

「マズローの欲求段階説」という有名な話があります。人間は下位の欲求を満たすたびに階段を登るように上位の欲求へと進むという話です。

ほとんどの日本人は食べるものに困っておらず、雨風をしのぐ家を持っています。また、会社や仲間がおり、「毎日が生きるか死ぬか?」という生活をしている人はあまりいません。そのため、多くの日本人が行き着く先は「承認欲求」です。周囲を見ればみんな同じ文化、同じ言語、同じ環境で育った人ばかり。こうした環境下では「横並びから脱して、自分は特別でありたい」という気持ちが芽生えるのです。

その結果、周囲から抜きん出た存在になりたくて競争的になります。日本人は大人しく見えて、その実、意外にも競争的な国民性だと感じます。SNSをみれば承認欲求を満たすために、ブランドバッグや高級タワマンで充実した時間を過ごすサマを見せびらかしたい人は山のように出てきます。また、学歴マウント、勤務先マウント、収入額マウントなど絶えず他者を意識してしまうのは、承認欲求を満たすためなのです。

物欲が強い人は、自分が使うために「必要だから物を買う」というより、「人によく見られたいから買う」という行動を取りがちです。他者を強く意識し、認めてもらいたい欲求を叶えるための物欲はバカにならない出費です。

合理的な人は無用な買い物をしない

一方、収入が増えたことで、無用な買い物はしなくなる人がいます。なぜなのでしょうか。

行き着いた答えは、収入を増やす過程で、ある程度の承認欲求が満たされるためではないでしょうか。収入が増えるということは、ビジネスで成果が出たということです。ビジネスで成果を出す体験を経て「自分はできる」という自己肯定感を高めることにつながります。

また、ビジネスで商品・サービスを提供してお客さまから喜んでもらうことができれば、背伸びをして自分をよく見せなくても、他者承認を得られて心が満足します。それ故に他人に見せるための不要な買い物がなくなるのです。

また、ビジネスを育てる過程で「ムダなものは排除する」という断捨離の思考が養われることも、理由の一つにありそうです。収入を増やすためには、合理的なビジネス的思考が問われます。ムダを排除し、収益を高めるための施策を打ち出す必要があるのです。収益をいくら高めても、それ以上にムダを生み出しては意味がありません。

そのため、ムダを捨て、本質的なものだけを求めていく過程で「不要なものを買う物欲」も消えるのではないでしょうか。

いつでも手に入るものは欲しくなくなる

もしかしたらこれが一番の理由かもしれません。それは「いつでも手に入るものはほしいと思わない」ということです。

人間は「限定品」に弱いものです。期間限定、数量限定と言われれば、それまで買うかどうかの選択肢に入ることがなかったものも「今しか手に入らない」と物欲が湧いてしまうもの。テレビショッピングなどを見れば分かる通り、「注文殺到中、あと◯◯個で終売!残り◯分!」など限定性をアピールすることでたくさん売れるのです。しかし、個数制限、期間限定でなく、いつでも買える状態であればそれほど売れないことは明白です。

「いつかは憧れのあの商品がほしい!」と思い焦がれると、欲しい気持ちはドンドン高まっていきます。「ほしいけど、簡単には手に入らない」 、それによって欲しい気持ちが強くなっていくのです。

しかし、ある程度所得を得ると、そもそも物欲が減る上に「買おうと思えばいつでも買える」ものばかりになってしまいます。そうなると、「必要になった時に買えばいい」と考えるのです。筆者は昔、意味もなくショッピングをするのが大好きでした。用事もないのにお店にいってはウィンドウショッピングをしているうちに衝動買い、ネットで使う予定もない調理家電を買ってホコリをかぶった結果、ネットオークションで販売することになった経験は何度もあります。が、今はもう「必要な時に必要なもの」だけしか買うことはなくなりました。

高額所得者の家へ行くと、驚くほどものがなく小綺麗にしていることに驚かされます。それは物欲がなくなって、必要不可欠のモノ以外を断捨離した結果なのかもしれません。

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