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正社員と非正社員の平均給料は、どれくらい違う?

LIMO / 2020年6月19日 18時45分

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正社員と非正社員の平均給料は、どれくらい違う?

~企業規模・業種・雇用形態別の給与~

夫婦でついつい、お互いの収入を指摘してしまうことはありませんか。収入の低さを言葉にしたり、専業主婦であることを指摘したり。夫は妻の収入面に不満があるかもしれませんが、共働きの家庭であっても、一般的に家事・育児は妻が担うことが多いのではないでしょうか。

子どもが病気になった時、園や学校行事の時、学校が一斉休校になった時、家計のやりくりなど…。妻の負担が大きいと、夫の収入への不満も出やすくなるのではないでしょうか。

人材サービスを手がける㈱ビースタイルが行なった『家計の消費を握る、働くママの「ゆとり」と「負担」』(https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/news-19166/)の調査によると、家計のゆとりがないと答える女性は75%にも上ることが分かりました。生活を左右する給与。その給与の大きな格差についてご紹介したいと思います。

こんなに違う給与格差

まず、企業の規模や業種による給与差について、国税庁の調査結果(※1)(https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/minkan/index.htm)から見ていきましょう。

(ここでいう「給与」とは、「2018年における1年間の支給総額(給料・手当及び賞与の合計額をいい、給与所得控除前の収入金額である。)で、通勤手当等の非課税分は含まない。なお、役員の賞与には、企業会計上の役員賞与のほか、税法上役員の賞与と認められるものも含まれている。)」としています。また「平均給与」とは、「給与支給総額を給与所得者数で除したものである。」としています)

(1) 企業規模による違い

資本金の規模(企業規模)による給与の比較です。1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与と、給与の分布は以下のようになっています。

資本金 2,000万円未満の株式会社

平均給与・・・382万円(男性461万円、女性251万円)
給与の分布は
・300~400万円以下が20.0%と最多
・次いで200~300万円以下が18.9%

資本金10億円以上の株式会社

平均給与・・・616万円(男性737万円、女性348万円)
給与の分布は
・500~600万円以下が12.3%と最多
・400~500万円以下が12.1%と並んでいる

(2) 業種による違い

次に業種による給与の比較です。

「電気・ガス・熱供給・水道業」
平均給与・・・759万円
最多は800万円超(40.6%)

「金融業,保険業」
平均給与・・・631万円
最多は800万円超(25.0%)

「宿泊業,飲食サービス業」
平均給与・・・251万円
最多は100万円以下(27.0%)

このように、企業の規模や業種により給与には大きな違いがあります。一般的に男性の方が給与が上であり、年齢とともに上昇していきます。勤続年数が反映されるため、出産育児によりキャリアが中断しがちな女性と比較すると、男性の方が有利だといえるでしょう。次の項目では男女による給与の違いについて見てみましょう。

男女差、雇用形態による違いはどれくらい?

性別により、給与にはどのくらいの差があるのでしょうか。先ほどと同様に国税庁の「平成30年分民間給与実態統計調査」(https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/minkan/index.htm)を参照します。

1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与については

・男性:545万円
・女性:293万円
・平均:441万円

男女でかなりの差があることが分かります。また、賞与については

・男性の平均:90万円
・女性の平均:41万円
・平均給与441万円の平均賞与:70万円

女性の平均賞与は男性の半分にも満たないことが分かります。

では次に、雇用形態による違いを見てみましょう。

正規雇用の平均給与

男性:560万円
女性:386万円
平均:504万円

非正規雇用の平均給与

男性:236万円
女性:154万円
平均:179万円

雇用形態の違いに加えて、さらに平均給与にも男女により大きな差があることが分かります。

日本における男女の格差

男女の違いによる格差については、なかなか解消されない問題です。1985年に制定された「男女雇用機会均等法」により、募集・採用や配置・昇進などの不利益な取扱いの禁止が定められましたが、社会的な改善はまだまだだといえるでしょう。

しかし、このような性別の違いによる差は世界的にも問題視されています。2019年12月に発表された「世界経済フォーラム(WEF)」による「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数 2020」(http://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2020.pdf)の中で、日本は男女格差の大きい国であり、G7(主要7か国)の中でも最低ランクと評価されています。153か国の中で121位であり、前年の110位からさらにランクを落としています。世界的に見ても並外れて男女格差が大きい国だということになります。

女性が継続して働いたとしたら…得られる収入はどのくらい?

もし女性が順調に働き続けることができたならば、生涯でどのくらいの収入を得ることができるのでしょうか。労働政策研究・研修機構が公表している「ユースフル労働統計2019 ―労働統計加工指標集―」(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2019/index.html)(2017年データ)によると、大学・大学院卒業後から60歳まで就労した場合、

大学・大学院卒の女性の生涯年収(2017年)

フルタイムの正社員(転職あり):2億1,670万円
フルタイムの正社員(転職なし):2億4,660万円
フルタイムの非正社員:1億2,330万円

仮に非正社員であっても、働き続けることで大きな収入を得られることが分かります。ただし実際には再就職も容易ではありません。一度専業主婦を選択すると、仕事のブランクに加えて、子どもの預け先の問題もあります。年齢によっては保育園や学童保育に入る活動が必要となり、最初のステップが非常に困難なのです。年齢的に正社員を断念せざるを得ないケースもあるでしょう。

上述のような雇用形態による給与差も依然として存在します。女性が同年齢の男性と同じくらいの収入を得ることは非常に難しいことであり、働く環境そのものに壁があるのです。

そして一方で、夫の収入に期待したくても、企業の規模や業種により頭打ちの部分もあります。平均的な会社員が高給取りの人と同じように収入を得ることも容易ではありません。つまり、お互いに「夫の年収がもう少し…」「妻も同じくらい稼いでみれば」と指摘するのは、現実を知らない言い方だといえるでしょう。稼ぐことは本当に難しい。その現実を、お互いに思いやることが大切なのではないでしょうか。

参考

『家計の消費を握る、働くママの「ゆとり」と「負担」』(https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/news-19166/)しゅふJOB総合研究所調べ
(※1)「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」(https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/minkan/index.htm)国税庁
「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数 2020(Global Gender Gap Report 2020)」(http://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2020.pdf)World Economic Forum
「ユースフル労働統計2019 ―労働統計加工指標集―」(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2019/index.html)労働政策研究・研修機構
「会社員の「生涯年収」、みんなはどれくらい?」(https://limo.media/articles/-/17238)LIMO

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