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夫が脱サラ・独立宣言したら、「ウチの年金どうなるの?」

LIMO / 2020年6月19日 0時5分

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夫が脱サラ・独立宣言したら、「ウチの年金どうなるの?」

新型コロナ感染症(COVID-19)がもたらした混乱は多くの企業の経営状況に影響を与えています。なかにはリストラの実施や、廃業や倒産を余儀なくされる企業も増加しています。そんな昨今、独立開業支援の株式会社アントレ(https://entrenet.jp/?vos=nent0wspoptsem22298&argument=PHGb9r5Z&dmai=google_lis_1&gclid=CjwKCAjw26H3BRB2EiwAy32zhc0U92zRqW2QH6JC33LPsZuHuqa29dMgC1_jBUn3bfmZC_O5HiRwjBoCfbIQAvD_BwE&gclsrc=aw.ds)が2020年6月8日に発表した「コロナ影響下における働き方の意識変化(※1)(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000059360.html)」の調査結果によると、約4割の回答者が副業・複業・独立に関心を持ち、さらにそのうちの約4割は年内に動き出すことを検討中とのこと。働く人たちに意識変化が芽生えている一方、「夫が脱サラしたら、将来受け取れる年金はどうなるの?」などと不安に感じている主婦のみなさんも多いのではないでしょうか。今回は「脱サラ後、年金はどうなるのか?」というお話をしたいと思います。

(※1)調査対象:全国の20代以上の働く男女574名

公的年金のしくみは2階建て

会社員(/公務員)をやめると厚生年金の加入対象から外れ、国民年金への加入義務が発生します。毎月支払う年金保険料は減る可能性がありますが、その場合、将来もらえる年金も減ってしまいます。年金額がどの程度変化するかを理解するために、まずは年金制度の「2階建て構造」の概要をおさらいしておきましょう。

1階部分は「国民年金」

国籍を問わず、日本に住む20歳以上の人全員に加入が義務づけられています。

2階部分は「厚生年金」

会社員や公務員などが加入します。(2015年、公務員などを対象としていた共済年金は厚生年金に統一されました(※2)。つまり、厚生年金の被保険者は、国民年金と厚生年金の両方に加入することになります。

(※2)「平成27年(2015年)10月から共済年金は厚生年金に統一されます(http://www.monkakyosai.or.jp/kouhou/pdf/hiyoushanenkin_ichigenka.pdf)」国家公務員共済組合連合会

年金はどのくらい支給されているの?

つぎに、実際に支給されている年金の金額について押さえておきましょう。

厚生労働省の資料(※3)によると、2018年度末時点の平均年金月額は厚生年金保険(第1号)で14万6000円、国民年金で5万6000円でした。単純に計算すると、夫が会社員で妻が専業主婦の世帯では1カ月あたり20万2000円、夫婦とも国民年金だという場合では11万2000円をもらうことになります。

(※3)「平成30年(2018年)度 厚生年金保険・国民年金事業年報(8ページ目)(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/dl/gaiyou_h30.pdf)」厚生労働省

支払う保険料はいくら?

厚生年金の保険料は、従業員と雇用している企業とで半分ずつ負担する仕組みです。2017年9月以降の保険料率は18.3%に固定されたため、従業員の負担分はその半分の9.15%となります。月の給与が25万円だった場合の保険料は、1カ月あたり約2万3000円になる計算です(※4,5)。

(※4)「保険料額表(平成29年(2017年)9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/20170822.html)」日本年金機構
(※5)「厚生年金保険料の計算方法について(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20121026.html)」日本年金機構

一方、国民年金の保険料は物価や賃金の伸びにあわせて調整されます。2020年度の保険料は、1万6540円です。(※6)

(※6)「国民年金保険料の額は、どのようにして決まるのか?(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150331-02.html)」日本年金機構

専業主婦の夫が独立する場合…

厚生年金被保険者の夫に扶養されている妻は、国民年金の第3号被保険者に該当します。国民年金保険料の支払いは免除され、65歳になると1カ月あたり約6万5000円が受け取れます(満額支給の場合)(※7)。

(※7)「令和2年(2020年)4月分からの年金額等について(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/20200401.html)」日本年金機構

一方、会社員だった夫が独立すると、専業主婦の妻は国民年金の第1号被保険者となります。1カ月あたり1万6540円×2人=3万3080円の保険料を負担していく必要があります。夫が会社員だった期間の厚生年金分は国民年金に加算されますが、定年まで会社員を続けていた場合に比べると年金額は目減りします。

また、夫に”万が一のこと”があった場合に支給される遺族年金の扱いも、厚生年金と国民年金とでは異なります。国民年金で遺族年金が支給されるのは、基本的に「18歳未満」など、一定の条件を満たす子どもがいる場合のみです。(※8、9)

(※8)「遺族基礎年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-04.html)」日本年金機構
(※9)「遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150424.html)」日本年金機構

年金の不足分、どうやって補う?

勤務先を退職し、フリーランス・個人事業主として独立する場合、将来の年金受給額では老後の生活が厳しいだろうと予想する人は多いでしょう。国民年金の不足分を補うためには、ご自身で対策を行うことが必要となります。そこで、「国民年金基金」「iDeCo」「つみたてNISA」という3つの制度の概要をご紹介していきます。

国民年金基金

国民年金の「2階部分」にあたる制度です。1991年に国が整備したもので、少額の掛け金で将来もらえる年金額を増やせます。掛金は全額、所得税・住民税の控除対象となり、節税対策になる点も魅力です。

つみたてNISA

NISA(少額投資非課税制度)の制度の一つ。非課税枠(上限年間40万円)までの運用益(分配金や売却益)が、最長20年間非課税になる制度です。iDeCoとは異なり、運用商品は投資信託のみで、「元本確保型商品」はありません。ただ、いずれの投資信託も、金融庁の条件を満たす「長期・積立・分散」に適した商品となっているので、投資初心者でもトライしやすいのではないかと思います。

iDeCo(イデコ)

正式名称は「個人型確定拠出年金」です。掛け金を積み立て自分で運用していくもので、個人で用意する年金と考えるとわかりやすいでしょう。運用商品は大きく分けると「元本確保型(定期預金・保険)商品」と「投資信託」です。加入は任意で、下記のような税制優遇措置が受けられます。

毎月の掛金が全額所得控除となる

運用益が非課税となる

年金受け取り時、「公的年金控除(年金として受け取る場合)」または「退職所得控除(一時金として受け取る場合)」が受けられる

iDeCoの税制優遇はつみたてNISAよりも手厚いのですが、原則60歳にならないとお金が引き出せません。逆に、老後資金を確実に準備していきたいのであれば、簡単に中途解約ができるしくみより強制力があるといえるでしょう

つみたてNISAや iDeCoは、時間をかけて資産を積み立てていく”中長期の投資”にあたります。投資信託を積み立てで購入するメリットは「相場が安いときには多く、相場が高い時には少なく」買う点。長期的にみると平均購入単価が平準化される効果が期待できます。口座を開設する場合は、手数料が安く、ご自身にとって使いやすい金融機関を選びましょう。

まとめにかえて

「老後にもらえるお金が国民年金のみ」となる場合には、国民年金基金への加入やiDeCo、つみたてNISA活用なども検討しながら、積極的にマネープランを立てることをおすすめします。スタートは早いほどベター。積み立てる期間が長ければ長いほど、毎月の家計への負担感は軽くなります。今、脱サラ・独立などを視野に入れている人は、長期的な資産形成も考慮しながら動いていかれると安心できるかもしれませんね。

(※1)「コロナ影響下における働き方の意識変化(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000059360.html)」株式会社アントレ
(※2)「平成27年10月から共済年金は厚生年金に統一されます(http://www.monkakyosai.or.jp/kouhou/pdf/hiyoushanenkin_ichigenka.pdf)」国家公務員共済組合連合会
(※3)「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業年報(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/dl/gaiyou_h30.pdf)」厚生労働省
(※4)「保険料額表(平成29年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/20170822.html)」日本年金機構
(※5)「厚生年金保険料の計算方法について(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20121026.html)」日本年金機構
(※6)「国民年金保険料の額は、どのようにして決まるのか?(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150331-02.html)」日本年金機構
(※7)「令和2年4月分からの年金額等について(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/20200401.html)」日本年金機構
(※8)「遺族基礎年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-04.html)」 日本年金機構
(※9)「遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150424.html) 」日本年金機構
「国民年金基金制度とは(https://www.npfa.or.jp/system/about.html)」国民年金基金連合会
「つみたてNISAとは(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html)」金融庁
「iDeCoってなに?(https://www.ideco-koushiki.jp/guide/)」iDeCo公式サイト

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