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“逆パワハラ”を回避!管理職が知っておきたい「部下の褒め方・怒り方」

LIMO / 2020年6月21日 12時0分

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“逆パワハラ”を回避!管理職が知っておきたい「部下の褒め方・怒り方」

「逆パワハラ」ってご存じですか?

上司である立場や権力を利用し、部下にいじめや人権侵害などを行い精神的な苦痛を与えるのが「パワハラ(パワーハラスメント)」。これに対し、部下が上司に嫌がらせをしたり困らせたりするのが「逆パワハラ」です。今回は、みんなの職場でのハラスメントの現状をながめながら、逆パワハラが起こる背景や、管理職と部下の理想的な関係などについて考えていきます。

みんなの職場のハラスメント事情

まず、日本労働組合総連合会(略称:連合)が、2019年5月に全国の20 歳~59歳の有職者1000名を対象に行った、「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019(https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20190528.pdf)」の調査結果をみてみましょう。

職場でハラスメントを受けたことがある人の割合

受けたことがある…37.5%(375名)

受けたことはない…63.5%(635名)

行為者ごとのハラスメントの集計

(「受けたことがある」と回答した人。複数回答)

(/mwimgs/1/c/-/img_1c5bc876424c5c22e8d1c2919f3fb09c146897.jpg)

拡大する(/mwimgs/1/c/-/img_1c5bc876424c5c22e8d1c2919f3fb09c146897.jpg)

日本労働組合総連合会の資料をもとに編集部作成

「セクシュアル・ハラスメント」「その他ハラスメント」以外が、いわゆる「パワハラ」に該当する行為となりますが、割合としては少ないものの、たしかに、部下からのパワハラは存在するようです。

管理職が恐れる「逆パワハラ」の実態

「部長の発言、パワハラですよね?」

では、具体的に、どのようなことが起きているのかみていきましょう。

上司からの注意や助言に向かって「今の発言、パワハラですよね!」「そういうことをされるのなら、人事部へ報告します」といったような脅しともとれる発言をする。

部署の同僚なども引き入れて、上司に対して集団で無視したり職務命令へのボイコットを煽ったりする

特に前者のようなケースの場合、「パワハラ認定」されることを恐れ、堂々と言い返すべきところを、黙ってしまう管理職も。そして、部下たちの逆パワハラがさらに増長するという悪循環につながる可能性があります。これは上司から部下へのパワハラ同様、好ましくない状態だといえるでしょう。

「会社の業績にも影響」逆パワハラの悪循環

ここで、逆パワハラが企業全体に及ぼす影響を考えてみます。まず、上司・部下間の自然なコミュニケーションが減っていくでしょう。いわゆる「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」が行き届かない状態の職場では、作業ミスや不手際が起きやすくなりますね。

社内は本来の業務に加えてミスの対応で手一杯になり、上司は部下の管理まで手が回らなくなっていきます。作業効率や職場の士気は低下し、それが業績不振につながる恐れも。

身につけたい「怒りのコントロール法」

あなたが上司だったとします。部下から意見があり、それがあなたの考えと異なっていた場合どうするでしょうか?

ここはぜひ、相手の主張を一旦受けとめてみましょう。「なるほど、確かに君の発想は一理ある。もう少し詳しく話を聞かせてくれないか?」と興味を示すのです。その意見が結果的に採用されなかったとしても、上司と部下の意見交換が活発になり、お互いの考えの違いを受け入れやすい雰囲気が作れるようになるかもしれません。

とはいえ、多忙な管理職が部下の意見すべてに耳を傾けていたら身が持たない可能性も。そんな場合におすすめしたいのが「アンガーマネジメント」。怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。

「怒らないこと」が目的ではなく、「怒る必要のあることは上手に怒る」「怒る必要のないことは怒らなくて済むようになる」ことが目標。近年は社員研修の一つとして導入する企業が増加中です(※)。

上司と部下では社内での立場が違いますので、同じ問題にも異なる見解を示すことがあって当然。それを前提として接していければ、部下の意見に対して感情的に反応をしてしまうことも抑えることができるのではないでしょうか。

(※)参考:「アンガーマネジメントとは(https://www.angermanagement.co.jp/about)」一般社団法人日本アンガーマネジメント協会ホームページ

部下を叱るときの心得

上司にとって大切なのは、「褒める」と「叱る」のタイミングです。褒める場合は、「部下の努力でよい結果が出たタイミング」がベスト。また、以前よりも成長したと感じたときは、特にひと声かけてあげるとよいでしょう。「本人比」でどれだけ成長したかどうか、を評価することで、部下のモチベーションを上げていくことができそうです。

叱るタイミングの見極めも重要です。たび重なるミスや、取引先に損害を与えた場合など、厳重注意が必要となる場面も出てきます。しかしその際、大勢の同僚の面前で叱責したり、「だからお前はダメなんだ!」などと人格を否定するような発言はNGです。部下が萎縮するような叱り方は、それこそパワハラとして訴えられるかもしれません。

そうならないためにも、部下を叱る前に「これは大切なことだから言っておくけれど」や「君に期待しているからこそ伝えるよ」といった気持ちを伝えるようにしましょう。この一言があるかどうかで、叱られる側の気持ちは大きく変わります。

まとめ

管理職には部下を監督し、育てる責任があります。しかし、業務上必要な命令や注意を「パワハラだ」と部下から言われてしまうと、その先の指導が難しくなってしまうわけですよね。そんな事態を避けるためにも、部下との人間関係は、日頃から良好に保っておけるとよいですね。

厚生労働省が運営するサイト「明るい職場応援団(https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/manager/conversation-technique/)」では、アサーティブ(必要なときには罪悪感なくNOを言えるコミュニケーション術)の考え方に基づき、部下からのハラスメント認定を避けるヒントが掲載されています。上司・部下のへだてなく、お互いを尊重し合い、対等に意見交換ができる関係を目指したいものですね。

【参考】
「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019(https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20190528.pdf)」日本労働組合総連合会
「アンガーマネジメントとは(https://www.angermanagement.co.jp/about)」一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
「『ハラスメントって言われた!管理職の方向け。言い方ひとつで変わる会話術』(https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/manager/conversation-technique/)明るい職場応援団」厚生労働省

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