実家の断捨離はいいことだらけ!? 「負の遺産」を減らし「使えるモノ」を生かす
LIMO / 2020年7月3日 10時0分
実家の断捨離はいいことだらけ!? 「負の遺産」を減らし「使えるモノ」を生かす
「実家の断捨離」というと、壮大な片づけを想像してしまいがちですが、不要なものがないかを親に尋ねるだけでも断捨離の一助となるケースもあります。
今回は、筆者が実際に実家の断捨離をした経験で感じたこと、そしてまだ使えるもののリユースや処分方法もお伝えします。実家のゴミに困っているというだけでなく、実家との関係があまり良くなくて悩んでいるという方にも参考になれば嬉しく思います。
遺品整理の相場
遺品整理を業者に依頼した場合、3LDK~4DKの一般的な一軒家では約15万円~70万円。マンションでは、1LDKで約7万円、2LDKで約12万円もかかると言われています。
金額に幅があるのは、ゴミの量やゴミの種類によって処分費用が変わってくるためです。
また、一戸建てのほうが割安なのは、マンションのように部屋がある階と1階を上り下りする必要がなく負担が小さいこと、荷物を一時的に置ける庭があり作業がしやすいことが理由のようです。
住まいが人里離れた場所にある場合やゴミ屋敷のような場合には、さらに料金が高くなります。
親の残すゴミは負の財産
故人には申し訳ない話ですが、上記のように遺品の整理や処分には多かれ少なかれ費用がかかります。生前の写真や思い出の品など遺族が保存しておきたい品もある一方、断捨離や終活をしないでおくと亡くなった後に処分が必要なものがたくさん残ってしまいます。
さらに賃貸物件の場合には、家賃や契約の観点から遺品の処分を急がなければいけないケースもあり、そのために処分費用が高くなってしまうこともあります。つまり、不要なものは結局ゴミという負の遺産になるわけです。
実家の断捨離を親が元気なうちにやっておくということは、保存の必要があるかないかをあわてずに見極めるだけでなく、究極、親が亡くなったときにかかる料金を節約することにもつながるでしょう。
実家を断捨離してよかったと思えたこと
実家を断捨離すると、下記のようなメリットがあります。
亡くなったときに処分が必要となる負の財産を減らし、使えるモノを生かすことができる
物が減ることでタンスや押入れの風通しがよくなり、湿気によるカビ発生の防止につながる
家の傷みのチェックやメンテナンスができる
時間をかけて処分することができるため、ゴミを分別して指定されたゴミの日に処分したり、休みを利用して処分場に持ち込んだりすることができる
遺品整理には場合によって高額な費用がかかるため、使えるものは遺族が活用するという手もありますが、「亡くなった人の物を使うのは抵抗がある」という人も少なくないようです。
一方、親が生存中に断捨離をすると、使えるモノを生かすことができます。後半では具体的な「モノの生かし方」について見ていきます。
「いま使えるものがないか」再確認する
親御さんのなかには、いろいろなものをタンスや押入れに仕舞ったままというケースもあるでしょう。一度、全部取り出してみて、「いま使えるものがないか」再確認することで、親御さんに「必要なもの」と「不要な物」を認識してもらいやすくなります。
物が減ると風通しがよくなる
物が多いと、どうしても湿気がこもってカビが発生しやすくなり、家を傷めてしまいます。断捨離をして物が減れば、そうしたことの防止につながります。捨てられない物が多い場合でも、「すのこ板」などを敷いてから収納し直すことで、風通しが改善される場合もあります。
家の傷みに気づきやすくなる
物を移動させたり退けたりすることで、壁の亀裂や雨漏りなどにも気づける可能性が高くなります。小さな傷みのうちに発見し、修復しておくことで、家屋の長持ちにつながるでしょう。
実家との関係があまりよくない人へ
実家の断捨離は、親との関係を修復するよいチャンスでもあります。実家のタンスや押入れには、不要な物だけでなく、子供の頃の写真や制作物が置いてあることも少なくありません。
思い出の品を手に取りながら会話したり、たまには愚痴を言い合ったりすることが、親子間の距離を縮めることもあるようです。まずは、家に遊びに行ってもよいかどうかを打診し、断捨離につなげていくのも一つの手です。
まだ使えるものをお裾分けしてもらう
断捨離で「いま使えるものがないか」再確認していると、物持ちがいい親御さんから「いまは使わない」と返答されるような物もあるでしょう。そういう物を大切にする人は、大切に使ってくれる人が現れれば譲りたいと考えることも少なくないようです。
そんな場合は、自分たちの家で使えないかどうか考えてみましょう。特に下記で紹介するような消耗品は、そのままの形で使用しなくても、いろいろな使い道があって節約にもなります。
■食器類
気に入った食器であればそのまま使うというのがベストですが、趣味が合わないのであれば食器以外の別の使い方しても良いでしょう。
・フラワーベースに
深さや高さのあるガラス製のグラス、麦茶ポットやピッチャーなどはフタを外して花を生ければ見た目がオシャレなフラワーベース(花瓶)に。ピッチャーなどで上部がくびれているような場合には、根が長く、花や葉の部分が大きいものを生けると「根を見せる」いまどきの演出が可能です。
・小物入れに
小鉢などはカギやネックレスなどのアクセサリー類を入れたり、アメやガムなどを少量だけ置いておいたりするような小物入れに使えます。フタ付き場合には、ボタンやデコパーツの材料などを分けて入れておくのにもおすすめです。
■タオル類
お中元やお歳暮、お祝いのお返しなどのバスタオルや毛布、景品でもらった企業名入りのフェイスタオルや布巾類がタンスや押入れを占領しているという場合も多いのではないでしょうか? 傷めば嫌でも新しいものを買わなければいけないタオルや毛布などは、買い替えるまでのひとときだけでもあると重宝します。
・タオルケットに
大判のバスタオルは、夏に子供や自分のお昼寝用、もしくは就寝用タオルケットとして活用することもできますし、突然の大雨や川遊びなどに備えて車に乗せておいてもいいでしょう。
・お出かけ時の予備用に
タオルを1枚車に乗せておけば、突然のケガや子供の粗相などでタオルが必要なときにも便利と言えますし、足湯や水際での遊びにも即対応できるでしょう。
不要なものはお金に換える
実家でも、自分自身や自分の家族も使わない不要なものは、リサイクルショップ、メルカリ、ヤフーオークション、不用品回収業者などを活用してお金に換えましょう。ただ、あまり強引に処分させようとするとケンカになることもあるので、まずは下記のように提案してみてはどうでしょうか。
「こういう大型家具は、体力のあるうちに処分しないと引き取り代金とかが必要になるから、捨てることを考えてみて」
「これ、いま売ると数百円ぐらいになるんじゃない? いろいろ売って、のんびり温泉旅行にでも行かない?」
おわりに
断捨離というと、かなり大がかりで、物をたくさん捨てるイメージを持ってしまう人も多いと思います。けれども、断捨離を提唱する、やましたひでこさんは、「断捨離とは、不要な物を減らし、生活に調和をもたらそうとする思想のこと」だとおっしゃっています。
すぐには物を捨てることにつながらなくても、不要な物を捨てるようアプローチをかけていくことは、断捨離をするうえで大切なことだと言えるのではないでしょうか?
【参考資料】みらいプロセス「一軒家の遺品整理の料金はいくら?費用相場&安くする4つの方法(https://ihinseiri-process.com/ikkenya-ihinseiri-ryokin/)」
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