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バッタ大襲来が招く「コロナに続く禍」 食糧をめぐる紛争の前触れか…

LIMO / 2020年7月2日 20時0分

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バッタ大襲来が招く「コロナに続く禍」 食糧をめぐる紛争の前触れか…

新型コロナウイルスの感染拡大が依然として猛威を振るうなか、筆者は1つの問題を懸念している。それは、アフリカや中東、南アジアなどで被害が拡大するバッタの襲来だ。

全世界に広がるバッタ襲来の被害

世界銀行は5月21日、過去70年間で最大規模のバッタの襲来による深刻な被害が発生しているとして、ジブチ、エチオピア、ケニアなど東アフリカ諸国に対して総額1億6000万ドルを支援すると発表した。

既に東アフリカ地域では2300万人が食糧難に直面しているとも言われる。サバクトビバッタは、パキスタンやイラン南部、イエメン、ソマリア、ケニアなどで繁殖し、それらが周辺諸国に襲来する形で被害が拡大している。

現在、インドの首都ニューデリー近郊ではバッタの大群が襲来し、農作物や人々の日常生活に大きな被害を与えている。インド政府は殺虫剤をフルに使うなどしてバッタの駆除を行っているが、なにせ数が数だけに効果は十分に現れていないという。

西部のラジャスタン州では5月初め、このサバクトビバッタの大群およそ数百万匹が7キロにわたる群れで隣国パキスタンから襲来し、農作物を食い荒らすなど、現地の経済に壊滅的な被害を与えた。

ローマに拠点を置く国連食糧農業機関(FAO)によると、今回のバッタの襲来によって農作物の8割が食い荒らされる恐れもあり、大きな食糧問題に発展する恐れがあると警戒している。

一方、6月下旬には南米でも被害が拡大している。アルゼンチン北部ではパラグアイから飛来したバッタ数千万匹の大群が、サトウキビやトウモロコシなど農作物を食い荒らしたという。今後はブラジルやウルグアイを襲来する恐れがあるとされる。

食糧資源を巡る国家間の争いに発展?

現在のところ、こうしたバッタの襲来が収まる気配は見えない。今回のように大量のバッタの襲来は人々の移動、公共交通機関の麻痺など日常生活のリズムを大きく乱すだけでなく、なにより人間の生存に必要な食糧に大きなダメージを与える恐れがあることから、非常に深刻な脅威といえる。

新型コロナウイルスの感染拡大と比べると、バッタの襲来による経済的な影響は限定的なものだ。しかし、バッタの襲来によって十分な感染対策が実施されなくなり、感染拡大に拍車をかけるリスクはある。

また、これは我々人類への警告かもしれない。大量のバッタ発生は地球温暖化による影響とも言われる。地球温暖化による影響は、究極的には資源を巡る紛争や戦争を招くとも言われるが、それは今後さまざまな形で我々の経済活動にも悪影響を与えてくるだろう。

バッタではなくても、他の昆虫類や動物が大量発生し、人類に必要な水や食糧を食い荒らし、食糧資源を巡る国家間の争いが陸や海で激しくなることすら想定される。

FAOは以前、人類は虫を主食にするべきだろうとする報告書を出したことがあったが、フィンランドなどでは昆虫パン、虫の唐揚げなどが当たり前に販売され、栄養素が高いことから好んで食べる市民も増えているという。

バッタの襲来は単なる偶然ではない。それがどう世界経済に影響を与えていくかを真剣に考える必要がある。

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