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隣の芝生は青くない⁈「年収1000万円で貯金ゼロ」高所得貧乏世帯の実態

LIMO / 2020年7月17日 19時45分

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隣の芝生は青くない⁈「年収1000万円で貯金ゼロ」高所得貧乏世帯の実態

ママ友も付き合いが長くなると、互いの家庭事情が分かることもあります。旦那さんの仕事が分かって「ああ、A子ちゃんのお父さんは給料が高くて有名なA社に勤めていて、もしかして年収1,000万円くらいあるのかな?」と羨望と嫉妬の眼差しで見てしまうことはありませんか?

しかし、年収が1,000万円だからといって、必ずしも貯金も多いとは限らないようです。

年収1,000~1,200万円の50代、14.3%が貯金ナシ⁉

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和元年調査結果(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/)」には年令・年収別の金融資産保有額のデータがあります。

40歳代の金融資産非保有の世帯
1,000~1,200万円未満:2.8%
1,200万円以上:5.3%

50歳代の金融資産非保有の世帯
1,000~1,200万円未満:14.3%
1,200万円以上:5.1%

年収1,000~1,200万円の50代の金融資産非保有世帯(預貯金・生命保険・有価証券がない)の割合が「14.3%」…目を疑う驚きの数字です。では、金融資産100万円未満の場合はどうなのでしょうか?

40歳代の金融資産100万円未満の世帯
1,000~1,200万円未満:8.3%
1,200万円以上:0.0%

50歳代の金融資産100万円未満の世帯
1,000~1,200万円未満:1.8%
1,200万円以上:3.4%

年収1,000~1,200万円の40代の8.3%が、金融資産100万円未満なのです。では、その金融資産とはいったい何を指すのでしょうか?

金融資産の範囲は?

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] (2019年)(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/pdf/yoronf19.pdf)」によると、金融資産は下記のように定義されています。

「定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または将来に備えて蓄えている部分とする。」

預貯金だけでなく、生命保険、有価証券(債権・株式・投資信託)なども含まれます。また、「土地・住宅・貴金属等の実物資産、現金、預貯金で日常的な出し入れ・引き落としに備えている部分」は除かれています。

貯金ができない1,000万円プレーヤーがいる訳

車はベンツ、子供の習いごとはバレエに塾にスイミングに…と、傍から見ると人も羨むような生活をしている家庭でも、貯蓄ができないほど家計は火の車という世帯もあるようです。「高収入なのに何で貯金ができないんだろう?」実は、こんな事情があるようです。

ベンチャー企業の社長を旦那にもつB子さんの場合

B子さんは、中学校1年生と小学校5年生の女の子を持つ43歳の専業主婦です。旦那はベンチャー企業の社長で1,000万円を超える収入があります。子供たちに中学受験をさせるため進学塾に小学校4年生から通い始め、3年間で合計約300万円の塾代が掛かりました。私立の中高一貫校に無事合格したので、年間約100万円の学費も掛かります。

実は、B子さんの旦那のクライアントは経営者ばかりです。彼らと話をしていると、どうしても「子供の学校は…」という話が出てきます。B子さんの旦那は「うちの子も…」と思い、中学受験を推し進めました。B子さんの住む地域は比較的中学受験する家庭が多いこともあり、旦那さんの提案を受け入れました。しかし、塾代と中学の学費の出費で家計は火の車で、貯蓄にお金が回りません。

下の子も同じように受験させる予定ですので、塾代と入学したらその後の学費の負担が発生します。B子さんの旦那は「俺が稼ぐから大丈夫」と諭しますが、B子さんは心配でなりません。B子さんは、額面は高いけどその割に手取りが少ないと感じています。それもそのはず、国税庁「所得税の税率(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm?fbclid=IwAR1fGL1pce8Mt3OwulC9BoQO4P9NsoMoCgaL05TTqTfPsGIN4AE43rxBYrA)」によると、課税される所得金額が900万円を超え1,800万円以下の場合、その税率はなんと33%にもなるのです。

都心のタワマンに暮らすC子さんの場合

C子さんは中学校2年生と1年生の2人の男の子を持つ専業主婦です。外資系不動産業に勤める旦那さんはいわゆる1,000万円プレーヤーで、都心のタワーマンションに暮らしています。しかし、旦那は課金ゲーム三昧で、その請求が月に18万円になったことがありました。

家計管理はC子さんがしているので、旦那がどれくらいカードを使って支払いしているかは一目瞭然です。C子さんもブランドのバッグや財布などキレイな状態のものを持っていないと我慢できないタイプです。このような状態なので、家計は火の車ですが「来月またお給料が入ればなんとかなる」と夫婦ともあまり危機感がありません。国の制度である児童手当も「所得制限限度額以上」なので、月5,000円になってしまいます。

内閣府「児童手当Q&A(https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/ippan.html)」によると、所得制限限度額以下の児童手当は中学生一律10,000円の給付がありますが、手当を受け取る人の所得が所得制限限度額以上だと5,000円になります。C子さんのご家庭の場合、専業主婦のC子さんと2人のお子さんがいるので(=扶養親族等の数が3人)所得制限限度額は736万円(収入額だと960万円)で、それを上回ります。C子さん曰く、その児童手当すらも貯めていないそうです。

収支を洗い出し身の丈に合った家計運営を

「また来月、同じ金額の給料が入ってくる」このアフターコロナのご時世、残念ながら今までと同じ収入がずっと続く保証はありません。昨日の常識が今日の非常識になりかねない、世知辛い時代です。

ずっと続けてきた習慣を変えることは本当に難しいことで、特に子供の教育費に関しては世間の目も気になり「減らしたくない」と思うのが親心でしょう。

今までの生活を変えず貯金ができないまま老後を迎えるか、支出を見直して金融資産を増やしていくか、その判断をするのは自分次第です。


【参考】
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和元年調査結果(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/)」
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] (2019年)(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/pdf/yoronf19.pdf)
国税庁「所得税の税率(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm?fbclid=IwAR1fGL1pce8Mt3OwulC9BoQO4P9NsoMoCgaL05TTqTfPsGIN4AE43rxBYrA)」
内閣府「児童手当Q&A(https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/ippan.html)」

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