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「若手ほど高い”キャリアアップへの意欲”」~教育訓練給付金の活用で自分に武器を~

LIMO / 2020年7月26日 11時55分

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「若手ほど高い”キャリアアップへの意欲”」~教育訓練給付金の活用で自分に武器を~

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は、労働・雇用環境に大きな影響を及ぼしています。働く人々の側の意識には、どのような変化が生じているのでしょうか。

今回は、2つのアンケート調査の結果を通じて、若い世代の仕事やキャリアアップに対する意識変化をみていきましょう。社会人の学びを支援する、国の「教育訓練給付制度」についても触れていきます。

コロナ禍でみえた「若手のスキルアップ意識」の高さ

まず、公益財団法人日本生産性本部が実施した「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査(https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/5f4748ac202c5f1d5086b0a8c85dec2b.pdf)」(調査:2020年5月、対象:1100名)の調査結果から、COVID-19の流行と、働く人々の自己啓発の意識の変化についてみていきます。

「コロナを機に自己啓発を始めた人」

「年代別・コロナウイルス流行以降の自己啓発の開始有無」
( )内は、「始めた」「始めたいと思っている」と回答した人の割合の合計
全体(38.9%)

始めた…8.8%

始めたいと思っている…30.1%

20代(54.2%)

始めた…18.8%

始めたいと思っている…35.4%

30代(46.5%)

始めた…9.4%

始めたいと思っている…37.1%

40代(42.2%)

始めた…7.3%

始めたいと思っている…34.9%

50代(31.2%)

始めた…6.1%

始めたいと思っている…25.1 %

60代(20.4%)

始めた…4.1%

始めたいと思っている…16.3%

70代(24.6%)

始めた…5.7%

始めたいと思っている…18.9%

「始めた」「始めたいと思っている」と回答した人の割合は、若い年代ほど多くなっていまね。特に20代に限ると、自己啓発を「始めた」人は18.8%、「始めたいと思っている」人は35.4%、合計54.2%。自己啓発に積極的な若者たちの姿勢がうかがえる結果となりました。

何のために自己啓発を始めたの?

また、自己啓発を始めた(/始めたい)目的として、以下のようなものが挙げられました。

将来の仕事やキャリアアップに備えて・・・46.3%

現在の仕事に必要な知識・能力を身に付けるため・・・43.0%

資格取得のため・・・30.8%

「キャリアや転職に対する意識」コロナでどう変わった?

次に、エンワールド・ジャパン株式会社が実施した「新型コロナ禍におけるキャリア・転職意識調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000004838.html)」の結果をみていきましょう。(調査:2020年5月、有効回答数:4,636名)

「COVID-19の流行拡大を受けて今後のキャリアや転職についての意識は変化したか?」の質問に対し「大きく変化した」という回答が30%、「少し変化した」が44%という結果でした。74%が意識の変化を認識しています。この74%を対象に、さらに具体的な質問が続いています。

キャリアや転職についての意識の変化

「意識はどのように変化しましたか」

リモートワークが中心となる新しい働き方を希望・・・51%

個人の能力・スキルアップへの意欲向上・・・46%

会社に依存した働き方への不安・・・40%

「具体的に取り組み始めたことはありますか」

今後のキャリア(転職・キャリアアップ・副業など)を検討するための情報収集・・・58%

スキルアップのための勉強・・・48%

スキルアップのための勉強、みんなは何してる?

上述の「スキルアップのための勉強」として、これらが上位に挙げられています。

英語…63%

プログラミング…22%

語学(英語・中国語以外)…9%

デザイン、コーディング、CSS…8%

MBA(経営学修士)、経営学…8%

心理学、コーチング…7%

中国語…6%

資格習得やスキルアップの方法は色々あります。テレビ・ラジオ講座やウェブサイトなどを活用する場合などは、比較的費用を抑えられるかもしれませんね。語学などをこのように勉強している人は多いと思います。

eラーニングなどの通信講座や、通学講座を利用したい、という場合には費用がかかりますが、国が提供する教育訓練給付金制度を活用することで経済的負担を抑えられます。

次では、働きながら学ぶ社会人を費用の面から支援する、国の「教育訓練給付制度」ついて、お話していきます。

国のキャリアアップ支援「教育訓練給付制度」

この制度は、雇用保険から「教育訓練給付金」が給付されるものです。雇用保険の加入年数など一定の要件を満たしている場合に、教育訓練のための受講費用(入学金および受講料)の一部を支援してもらえます。

2020年5月現在、教育訓練給付金の種類は3つあります。

    一般教育訓練

    特定一般教育訓練(2019年10月新設)

    専門実践教育訓練

対象講座

給付の対象となるのは、厚生労働大臣が指定する講座を受講した場合です。「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座(https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/SCM/SCM101Scr02X/SCM101Scr02XInit.form#)」で指定講座の検索ができます。

概要

申し込み先は居住地管轄のハローワークです。給付金の種類により支給条件、対象資格、給付金額などが異なります。雇用保険の加入期間が、「初回利用は1年以上(専門実践教育訓練給付金のみ2年以上))、「2回目以降は3年」必要となります。また、2回目からは初回利用後さらに3年以上の保険加入期間を経ていることが必要となります。

「非正規社員」「離職後」でも要件を満たせば対象に

正社員でなくても雇用保険に加入し要件を満たせば利用できます。離職後も1年以内に受講を開始すれば利用可能です。離職理由が出産・育児・病気などの場合は延長(最大20年以内)もできます。

3つの制度を整理

一般教育訓練給付金

制度の目的・・・雇用の安定と再就職の促進

支給条件となる雇用保険の加入年数・・・初回利用:1年以上/2回目以降:3年以上

支給額・・・受講費用の20%(上限10万円、4000円以下の場合は不支給)

 特定一般教育訓練給付金

制度の目的・・・速やかな再就職と早期のキャリア形成

支給条件となる雇用保険の加入年数・・・初回利用:1年以上/2回目以降:3年以上

支給額・・・受講費用の40%(上限20万円、4000円以下の場合は不支給)

専門実践教育訓練給付金

制度の目的・・・「中長期的なキャリア形成・雇用の安定と再就職の促進」(3種類の給付金のなかで最も専門性が高い)

対象となる講座・資格の例

業務独占資格・名称独占資格の取得を訓練目標とする講座(税理士・看護師など)
専門学校の職業実践専門課程
一定レベル以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とする講座

支給条件となる雇用保険の加入年数・・・初回利用:2年以上/2回目以降:3年以上

支給額・・・受講費用の50%(1年で上限40万円、最大3年で120万円)

教育訓練終了後の追加支給
資格を取得し訓練修了翌日から1年以内に一般被保険者として雇用された場合は受講費用の20%が追加支給されます。支給総額は最大70%(年間上限56万円、最大3年で168万円)です。

おわりに

コロナ禍をきっかけに、転職活動を始めた人、逆に今の職場にとどまることを決めた人、などさまざまでしょう。いずれの場合も、スキルアップに取り組むことは有効といえるでしょう。いったん身につけた資格・技術は、この先あなたが仕事をしていく上での大きな武器になります。ご自身のキャリアニーズに合わせて「教育訓練給付金」の制度の活用を検討してみてもよいですね。

景気・雇用環境の先行きが不透明な今、自分自身でキャリアプランを描いていく姿勢が、私たち労働者に求められているのかもしれません。

【参考】
「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査(https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/5f4748ac202c5f1d5086b0a8c85dec2b.pdf)」公益財団法人日本生産性本部
「新型コロナ禍におけるキャリア・転職意識調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000004838.html)」エンワールド・ジャパン株式会社
「教育訓練給付制度(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html)」厚生労働省
「厚生労働大臣指定教育訓練講座(https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/SCM/SCM101Scr02X/SCM101Scr02XInit.form#)」厚生労働省

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