「節約の敵」は心理トリックにあり!?~買い物で後悔する3つのパターン~

LIMO / 2020年8月2日 12時30分

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「節約の敵」は心理トリックにあり!?~買い物で後悔する3つのパターン~

日々の食費や雑費をみて、「またこんなに使ってしまった…」と後悔する方も多いのではないでしょうか。そして、後悔するたびに「次はもっと節約しよう!」と考えているはずです。

ところで、みなさんは節約をするために、どんなことを意識していますか?いざ節約しようと思っていても、実際にどう節約すれば良いのか悩みますよね。

今回は、そんなみなさんのために、スーパーや洋服店など、あらゆる買い物のシーンで起こる「安くないのに買って後悔するパターン」を心理学的な観点から3つ紹介していきます。

「何を買うか」の判断材料は「他商品との比較」にあった

人は、なぜ安くない商品を買ってしまうのでしょう。毎月の家計簿の中で、どのぐらい無駄な出費があるのかを確認しているにも関わらず、なぜ減らないのでしょうか。

そこで、シーナ・アイエンガー著『選択の科学(https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163733500)』でも書かれている、「人は買い物のときに、何かと比較して決断する」という研究が参考となります。

例えば、新車の軽自動車が150万円で売られていたとします。

みなさんは、この軽自動車を安く感じますか?恐らく多くの人はこの軽自動車が安いのか高いのかを判断するため、今までの経験から軽自動車の価格相場を思い浮かべていると思います。また、実際に自動車の販売店にいるのであれば、他の車とも比較しているのではないでしょうか。

このようにして、人は何かを買うときに「他のものと比較する」という行動をすることが『選択の科学』でも明らかになっています。

つまり、人間の心理学的な習性を利用すれば、高い値段の商品を先に見せることで、その商品より安いものは、すべてお得に見えてしまうトリックがあるのです。

そこで以下では心理学から、高い商品を「安い」と勘違いしてしまうきっかけに繋がる『コントラスト効果』について解説していきます。

「高いものを先に見れば、他のものを安く感じる?」コントラスト効果とは

例えば洋服を買いに行ったとき、まず店員から5万円のジャケットを案内されたとします。その後に1万円のジャケットを提案されると、思わず「安い」と感じませんか?そしてお得だと感じた1万円のジャケットを購入する人も少なくないでしょう。

しかし、ここで重要なのはそのジャケットが安いか高いかだけではなく、ずっと着続けられるデザインや素材なのか、といった複合的なポイントを加味したうえで、値段について判断すべきだということ。

ところが値段が大きく異なる商品を見せられると、価格差に目が行きやすく、本来重要視すべきポイントが疎かになってしまう恐れがあるのです。

このように、異なる特性の物を対比させることで、その物の印象が大きく変化することを『コントラスト効果(対比効果)』と呼びます。

値段の差がある2つの商品を見せて、その値段差を目立たせることで、価格以外の重要な要素を考えにくくする心理トリックを利用しているともいえるでしょう。

毎月の家計簿を思いかえし、余計な買い物をしていた場合、このトリックが関係していなかったかチェックしてみましょう。コントラスト効果の影響を受けていたかも…?という人は要注意です。

コントラスト効果への身構えができることで、「必要なものを適切な値段で」買う意識が身につくといえるでしょう。

次ではもっと分かりやすく、日常にあふれるコントラスト効果について解説していきます。日頃のお買い物を思い出しながら、確認してみましょう。

つい買ってしまう…対比効果を利用した心理トリック3選

ここでは、コントラスト効果を利用したテクニックにより「安いのに買って後悔する」3つのシーンを紹介します。日常的につい陥りやすいシーンばかりなので、自分は当てはまっていないか、ぜひチェックしてみてくださいね。

① 家電の購入

冷蔵庫やテレビなど値段の高い家電を買った際に、店員からウォーターサーバーのような他の家電購入をすすめられた経験はありませんか?なかには「本体代無料」というような誘い文句も見かけますが、本体代金がお得なだけで、他の付属品はコストがかかるケースも。

節約の観点でいえば他の家電までは不要です。しかし、値段の大きな家電を買った後には気が大きくなり、お財布の紐が緩くなる傾向にあるのです。こちらも値段の異なる物を利用したコントラスト効果が関係していると考えられるでしょう。

② スーパーでの買い物

スーパーマーケットでは、よくプライベートブランドの商品を販売しているところがあります。プライベートブランドの商品の近くには、他メーカーの商品が置いてあり、その値段の差が目立つものを多く配置している傾向がみられるでしょう。こうしてお得感を演出しているプライベートブランドの商品を、好んで選ぶ人も多くいるはずです。

だからといってプライベートブランドの商品を買ってはいけないということではありません。安くないのに買って後悔しないためには、そもそも性能が低いというリスクや、プライベートブランドよりも低価格の商品を並べて販売していないというリスクなども考えるべきだと言えるでしょう。

このように、日頃のお買い物では無意識に性能が低いのに、高い値段で商品を購入している恐れがあるので、他のスーパーでも同じような商品の値段や性能をよく見ておく必要があるということです。

③ 賃貸契約

賃貸契約において、物件の紹介で「最初2件ほど高い物件を見せておいて、3件目あたりに最初の2件より安い物件を提示する」ことがよくあります。コントラスト効果を利用した王道の営業テクニックとして有名ですよね。

人は選択肢が複雑になると選べなくなることが心理学で判明しているのです。

そこで、判断材料が多くなってしまいがちな賃貸契約では、脳が疲労した後に「価格差」を見せることで、対比効果により低価格の物件を買いやすいと考えられています。

もちろん、安い物件を借りてはいけないということではありません。価格に対して質が低く、コストパフォーマンスが低い物件を手にしてしまうことを回避するために、他の物件も見て「より安い価格で、質の高い物件はないのか」をポイントに探しておく必要があるということです。

まとめ

今回は、日常的な買い物のシーンを例に、私たちが陥りがちなコントラスト効果のワナについてのお話でした。無駄な出費や、質の低い商品を買って後悔するパターンなど、思い当たるふしがある方も多いのではないかと思います。

特性の違いを利用したコントラスト効果を意識することが、必要な商品を適切な値段で買う判断力に繋がります。ぜひ今日から実践してみてください!

【参考】
『選択の科学(https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163733500)』シーナ・アイエンガー著・櫻井祐子訳 2010年 文藝春秋
「コントラスト効果(https://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%E5%8A%B9%E6%9E%9C-788864)」『法則の辞典』朝倉書店・コトバンク

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