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転職のベストタイミングはいつ?~年代別平均給与・勤続年数から考える~

LIMO / 2020年8月7日 11時55分

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転職のベストタイミングはいつ?~年代別平均給与・勤続年数から考える~

「年収アップ」を目標にして転職活動をする人は多いでしょう。国税庁は年間の給与を給与階級別・性別・年齢階層別・勤続年数別、および企業規模別に調査し、毎年9月に「民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/pdf/000.pdf)」で発表しています。それによると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は441万円。

性別・年齢階層別・勤続年数別の数字を見ると平均給与を超えるタイミングや最も給与が高い時期が分かります。今回はそんな給与に関するデータとともに、転職する年齢などについて考察していきましょう。

男性が「平均545万円」に達するのは40代以降

表1:年齢階層別の平均給与

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(国税庁の資料をもとに編集部作成)

表2:勤続年数別の平均給与

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(国税庁の資料をもとに編集部作成)

まずは男性の給与をみていきましょう。上の表1と表2を参照してください。男性の平均給与は545万円ですが、この金額を超えてくるのは40代に入ってからです。

勤続年数でみると545万に達するには10年以上かかります。女性の平均給与は293万円。この金額を超えてくるのは男性よりも早く、20代後半です。勤続年数で見ると男性と同じく10年以上必要です。

また、男性は50代後半まで給与が増え続けるのに比べ、女性の給与は20代後半がピーク。その後は横ばいです。しかし、勤続年数別で最も給与が高い時期は男性が30~34年、女性は25~29年となっており、大きくは変わりません。

女性の平均収入が著しく低いのは・・・

男女間でみると女性の平均給与は男性の半分強。かなり低いことが分かります。一般の企業で働いている人は、これほど男女間に給料の差があるようには感じないのではないでしょうか。女性のほうが早く仕事を辞め、勤続年数が短いという意見もあります。

しかし民間給与実態統計調査では、働く人の平均年齢は男性が45.3歳、女性が46.5歳でほぼ同じです。平均勤続年数は男性が13.7年、女性が10.1年と男性が少し長いですが、半分というほどではありません。

女性の平均年収が低い理由の一つとして考えられるのは、多くの短時間労働者が「配偶者控除」「配偶者特別控除」を受けられるよう調整しながら働いていることです。

平成30年の給与所得者数が5,911万人で、このうち女性の給与所得者数は2,081万人でした。配偶者控除または扶養控除の適用を受けた人は全体で1,344万人なので、この層が女性の平均給与の数字にかなり影響していると推測できます。

転職先は「年功序列」か「成果主義」か?

では、転職するタイミングなどについて、再び民間給与実態統計調査の数字をまじえて考えてみましょう。民間給与実態統計調査では男性の給与が最も高くなるのは55~59歳でした。

また、最も給与が高くなるタイミングは、勤続年数30~34年です。これは入社時期が22歳前後と考えるとつじつまが合います。新卒で入社して30年後にピークを迎える年功序列モデルです。

日本にはまだまだ年功序列・終身雇用を守っている会社がたくさんありそうですね。このような企業は平均勤続年数・平均給与ともに高いため、一般的には優良企業と考えられています。

しかし、転職先としてはどうでしょうか。平均給与が高いのは中高年の給与を下げないからで、意外と若手の給与は抑えられていることが多いものです。

転職で収入アップを目指すなら、年功序列ではなく成果主義制度を採用する企業を狙うのもいいでしょう。外資系やベンチャー企業のほか、大手ではユニクロやソフトバンク、日立製作所、ソニーなどが成果主義を導入しています。

年収アップの可能性は60歳まで!?

転職するタイミングはひとそれぞれです。若いほうがポテンシャルを見込まれて採用されやすいのも事実ですし、年齢とともにスキルアップしてから良い条件を求めて転職するケースもあるでしょう。次のグラフをごらんください。

表3:年齢階層別、転職入職者の賃金変動状況別割合

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(厚生労働省の資料をもとに編集部作成)

厚生労働省の「平成30年雇用動向調査結果の概要(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/19-2/dl/kekka_gaiyo-04.pdf)」によると、転職して収入が増加する割合が、収入が減少あるいは変わらない割合よりも高いのは45~49歳まで。このことから、50歳までは年収アップが見込める求人が一定数あると考えられます。

ただし、その後も60歳までは4分の1の人が収入アップを成功させています。もちろん、収入が減る人のほうが多いのですが、ここはどうやってチャンスをつかむかの問題かもしれませんね。

まとめ

日本はまだまだ年功序列の会社が多く、男性が平均給与を稼げるようになるのは新卒から20年後の40代になってから。年収アップを目指すなら、先述のような成果主義制度を導入している企業を視野に入れる、という選択肢もあるでしょう。また今後は、コロナとの共存について企業がどのように考えているかも、選択基準の一つとなっていくかもしれませんね。

コロナ禍で採用に消極的な姿勢をとる企業が多く、転職市場は冷え込んでいますが、キャリア構築への意識は早めに持っておくことをおすすめします。

【参考】
「平成30年分 民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/pdf/000.pdf)」国税庁
「平成30年雇用動向調査結果の概要(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/19-2/dl/kekka_gaiyo-04.pdf)」厚生労働省
 

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