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コロナ不況から資産を守る~長期運用で知っておきたいルールとは~

LIMO / 2020年8月8日 11時55分

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コロナ不況から資産を守る~長期運用で知っておきたいルールとは~

日本初の感染者が確認されてから半年が経過しましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染は依然として収束のめどがたっていません。

経済状況の激変にともない、私たちの働きかたや暮らしかたも大きく変わりました。このような状況で自分の金融資産を守るためにはどうすればいいのか。やってはいけないこと、気を付けていきたい点についてみていきます。

年齢とともに増える、有価証券の保有金額

まずは総務省統計局が行った2019年の「家計調査(貯蓄・負債編)(https://www.stat.go.jp/data/sav/1.html)」の結果から、二人以上世帯の年代別有価証券保有状況をみてみましょう。世帯が保有する有価証券の平均は234万円。そのうち約4分の3が株式・投資信託です。
年代が上がるにつれて保有金額も増えますが、大きく増えるのは60歳以降。これは、退職金を運用している人が多いことが大きな理由の一つであると考えられます。

では60代以上の金融資産やこれから10年・20年かけて老後資産を投資で形成しようとしている人が、ウィズコロナの時代に気を付けるべきことは何でしょうか?

(/mwimgs/2/a/-/img_2a1a3c7da7143f43ce36b9c92b64507447600.jpg)

拡大する(/mwimgs/2/a/-/img_2a1a3c7da7143f43ce36b9c92b64507447600.jpg)

(※総務省統計局の資料より編集部作成)

「長期運用」が絶対ではない理由

近年、投資信託の手数料が下がり、税制で優遇されているNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)の登場により、少額から積み立てられる長期運用型の投資に注目が集まっています。コロナ渦になってからも、「長期保有するからこそ利益が出る、あわてて売るべきではない」といった記事を目にしませんか?しかし、これは無責任な意見であるという考え方もあります。

20年かけて積み立てた先に天災や戦争などの理由で相場が暴落したら、その積み立ては金額的にも時間的にも無駄になるでしょう。例えば、日経平均の年初終値は23,204円でしたが3月19日には約30%安い16,552円になります。30%と言ってしまうと簡単ですが、コツコツと長期運用で30%を目指すと以下のような運用になります(※1)。

毎月33,000円を25年、年間2.5%のリターンで運用。

最終積立金額は元本990万円、運用収益約365万円、税金74万円(毎年20.315%)。

税引き後は約1,281万円。最終的な利率は約29%。

悪くない条件かもしれませんね。しかし、売るタイミングによっては25年間の努力が水の泡となる可能性があります。このように、長期運用は出口の部分で相場が大きく崩れると、これまで積み立てていたお金全体が影響を受けるリスクがあるわけです。

幸い今年の場合、日経平均は8月5日時点で22,514円まで回復し、年初と比べると約3%の下げまできています(※2)。しかし、COVID-19感染拡大の収束のめどは全く立っていません。そもそも、私たちの生活がわずか3%しか変化していないと考える人は少ないでしょう。

資産を守る「出口戦略」

では大きな相場の変動があったときはどう対処すればいいのでしょうか。これは出口戦略を作り、感情に流されずそれを守ることにつきます。

長期運用であっても、「元本に対して〇%の利益が取れなくなったら売る」「過去3カ月の高値から〇%下げたら売る」などのルールを作り、ルールが発動したら迷わずに手じまいする、という方法がありますね。アラートが近づいてきたら売る準備をしておき、ルールに触れたらできるだけ早く売るようにします。自分の作ったルールで自分の資産計画を守りましょう。

また、長期運用に限らず、出口戦略は持っておくべきものです。できれば商品を仕込む前から決めておくといいでしょう。

ある株が「2年で少しずつ10%上昇する」と予想した場合を考えてみます。予想が間違えていたと判断できるとき、「5%損失が出た」「1年で1%上がっていない」「想定外のニュースが出た」などのタイミングが売り時です。

損切りには心理的なハードルを感じるケースが多いですし、損が出ていない状態で売ることも難しいことです。しかし、予想に反し、利益が出ない(出にくい)ということ分かった場合、損切りすることで、別の投資で利益を上げたり、損失を取り戻す機会を作ることができます。

退職金を守る

定年退職を迎えたばかりの人は、銀行や証券会社のセールスマンから「退職金を増やしませんか」と営業を受けることがあるかと思います。

高い分配金がウリの金融商品などは、確かに魅力的に見えるかもしれません。とはいえ、手数料体系やリスクなどの情報を理解していないまま、老後の資金を任せるのは禁物です。

「話がうますぎる」と感じたら、なにかリスクがあるのでは、と警戒したほうがよいでしょう。

まとめ

長期積み立て運用は、投資資金を無理なく増やす意味では有効な手段であると考えられています。しかし、相場が急変した際には大きな金額がリスクにさらされる点も理解しておきましょう。このリスクを避けるためには今回のトピックである出口戦略を守ることや、分散投資をすることが挙げられます。

実際に買うかどうかは別としても、はじめから分散投資をうたっている投資信託がこの半年どのような値動きをしたかを確かめてみるのもよいかもしれません。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参考】
「家計調査(貯蓄・負債編) 2019年平均結果(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/1.html)」総務省統計局
(※1)「日経平均プロフィル(https://indexes.nikkei.co.jp/nkave)」日本経済新聞社
「積立計算(複利毎課税)(https://keisan.casio.jp/exec/system/1254841870)」カシオ計算機株式会社

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