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「国立」「公立」「私立」「短期」大学の子供の学費、どれくらい違うのか

LIMO / 2020年8月20日 18時45分

「国立」「公立」「私立」「短期」大学の子供の学費、どれくらい違うのか

「国立」「公立」「私立」「短期」大学の子供の学費、どれくらい違うのか

2019年10月の「幼児教育・保育の無償化」、2020年4月からの高等学校修学支援金の制度改正による私立高校授業料の実質無料化など、ここ数年で、高等学校以下の教育費の負担が大きく軽減されるようになりました。まだまだお子さんが小さいご家庭や、これから妊娠、出産を考えているご夫婦にとっては、教育費の負担が少しでも減るのは、非常に喜ばしいことです。

しかしその一方で、高等学校を卒業した後にかかる学費は、年々増加の傾向に。進学先によって、どのぐらいの違いがあるのか、見てみましょう。

大学に進学する場合

文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」(https://www.mext.go.jp/content/20191225-mxt_sigakujo-000003337_5.pdf)および「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」(https://www.mext.go.jp/content/20191225-mxt_sigakujo-000003337_1.pdf)(2018年)によると、学校にかかる費用は、以下のようになっています。

国立大学

1) 医歯系学部以外の場合(4年間在籍)

242万5,200円

※「入学金」(初年度のみ納入:28万2,000円)と「授業料」(年額53万5,800円×4年分)

2) 医歯系学部の場合(6年間在籍)

349万6,800円

※「入学金」(初年度のみ納入:28万2,000円)と「授業料」(年額53万5,800円×6年分)

公立大学

1) 医歯系学部以外の場合(4年間在籍)

254万7,327円

※「入学金」(初年度のみ納入:39万2,321円)と「授業料」(年額53万8,734円×4年分)
※金額は地域外からの入学者の平均。

2) 医歯系学部の場合(6年間在籍)

362万4,795円

※「入学金」(初年度のみ納入:39万2,321円)と「授業料」(年額53万8,734円×6年分)
※金額は地域外からの入学者の平均。

私立大学文科系学部(文・人文学系、経済・経営・商学系、教育系、法・政治学系ほか)

397万7,697円

※「入学金」(初年度のみ納入:22万9,997円)と「授業料」(年額78万5,581円×4年分)と施設設備費(年額15万1,344円×4年分)

私立大学理科系学部(理・工学系、農・獣医・畜産学系ほか)

528万2,149円

※「入学金」(初年度のみ納入:25万4,309円)と「授業料」(年額110万5,616円×4年分)と施設設備費(年額15万1,344円×4年分)

私立大学医歯系学部(医学、薬学、歯学など)

2,356万8,949円

※「入学金」(初年度のみ納入:107万3,083円)と「授業料」(年額286万7,802円×6年分)と施設設備費(年額88万1,509円×6年分)

私立大学その他学部(家政、芸術、体育、保健など)

503万1,103円

※「入学金」(初年度のみ納入:25万8,747円)と「授業料」(年額95万8,445円×4年分)と施設設備費(年額23万4,644円×4年分)

短期大学に進学する場合

4年制大学ではなく、短期大学に進学するという人もいるでしょう。前述の文部科学省の「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」を見ると、私立短期大学にかかる費用は以下のようになっています。

199万5,960円

※「入学金」(初年度のみ納入:24万1,836円)と「授業料」(年額70万3,287円×2年分)と施設設備費(年額17万3,775円×2年分)

短期大学に進学する人の中には、4年制大学を希望していたものの、希望がかなわず、「いったん短期大学に進学し、必要な単位を取得したうえで、4年制大学に2年次編入や3年次編入をする」といった、大学編入を視野に入れているという人もいらっしゃるでしょう。その場合は、前述の「大学に進学する場合」で述べた「入学料」在籍する年数分の「授業料」「施設設備費」、また「受験料」が上乗せされることになります。

高等専門学校に進学する場合

中学卒業後に3年制の高等学校ではなく、技術者を目指して5年制の高等専門学校(一般的には「高専」と呼ばれる)に進学するという人もいるでしょう。こちらの学費についても見ておきましょう。

国公立高等専門学校

125万7,600円

※「入学金」(初年度のみ納入:8万4,600円)と「授業料」(年額23万4,600円×5年分)
※1~3年生までは、高等学校と同じく、高等学校等就学支援金を受けることができます。

私立高等専門学校

421万6,510円

※「入学金」(初年度のみ納入:24万1,860円)と「授業料」(年額70万744円×5年分)と施設設備費(年額9万4,186円×5年分)(この他に「実験実習料」が2万93円、「その他」が32万8,186円となっており、5年分加えると、595万7,905円になります)

教育費の準備は計画的に

進学先によって、金額は様々ですが、いずれにしても多額の教育費が必要になることは間違いありません。特に、昨今は晩婚化の影響もあり、35歳を過ぎてからの出産も多くなってきました。お子さんが大学に進学する頃には、親が定年目前ということも十分にありえます。お子さんの教育費で、老後資金が準備できないということにならないためにも、お子さんが小さいうちから、積極的に教育資金を準備していくようにしたいものです。

さて、具体的な教育資金の準備方法ですが、普通に貯金として口座に貯めていくという方法がスタンダードではありますが、気が付けば生活費などで使ってしまっていた…ということも多いものです。必要な時まで手を付けないような強制力があったほうがよいという人には、「学資保険」などを活用するという方法があります。

これはお子さんの高校進学、大学進学に合わせた時期に一時金や満期金が支払われる生命保険の一種です。被保険者(保護者)に万が一のことがあった場合に、その後の支払保険料が免除されるという特長があります。

ただ、昨今は、日本の金利は(米国や欧州も同じですが)、ほぼないに等しい程まで下がり、保険会社各社は学資保険という商品自体に十分なリターンをつけることが難しくなってきています。このため、かわりに「外貨建終身保険」などの金融商品を使い、教育資金を準備する人が増加傾向にあるようです。

「外貨建終身保険」とは、支払保険料を円で払いこみ、保険会社はそれをドルに変えて運用してくれるというものです。支払い期間は保険会社にもよりますが10年で払込完了となるものが多く、残りの期間は運用のみされていくので払い込んだお金は総払込み額より着実に増えていくといったメリットがあります。また、「学資保険」同様、保険ですので、両親どちらかの名義で入っていれば加入者が万が一亡くなってしまったとしても死亡保険金がおりるので安心という側面もあります。

ただ、「外貨建終身保険」には、運用していたドルを円に戻すときの為替リスクが存在します。教育資金として使用する時が近づいてきたら、解約するタイミングを計っておいた方がよいでしょう。

まとめ

「教育にはお金がかかる」ということは理解しているものの、いざ準備となると、生活や、様々な支払いなどに追われて、なかなか貯めることが難しいという人は多いでしょう。2020年4月にスタートした入学金と授業料がセットで減免される「高等教育の修学支援新制度」などに期待をする人もいると思います。

しかしこちらは現状、住民税非課税世帯、およびそれに準ずる世帯の学生に限定されています。奨学金も、結局はお子さん自身が就職後に返済していく、いわば借金です。利用するかどうかについては、お子さんとよく話し合ってから決めたいですね。

参考

「国公私立大学の授業料等の推移」文部科学省(https://www.mext.go.jp/content/20191225-mxt_sigakujo-000003337_5.pdf)
「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」文部科学省(https://www.mext.go.jp/content/20191225-mxt_sigakujo-000003337_1.pdf)
「高専はこんな学校 中学生向けパンフレット」国立高専機構(https://www.kosen-k.go.jp/Portals/0/upload-file%20folder/04_%E5%AD%A6%E5%8B%99/admissions/index/kosen_B.pdf)

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