収入減で習い事を続けさせられない!? 子どもの教育費にもコロナ禍の影響
LIMO / 2020年8月26日 10時45分
収入減で習い事を続けさせられない!? 子どもの教育費にもコロナ禍の影響
8月17日に内閣府が発表した今年4月〜6月のGDP(国内総生産)速報値は、年率換算でマイナス27.8%とリーマンショック後に記録した数値を大きく上回る落ち込みとなりました。
こうしたコロナ禍による経済状況の悪化が家計を直撃すると、子どもの塾や習い事といった教育費の捻出にも苦労する事態になります。親の職種によっては短期間で収入が激減し、習い事の断捨離をする必要に迫られることもあるでしょう。
コロナ禍の影響は子どもの習い事にも
コロナ禍による経済状況の急激な悪化では、旅行・外出自粛のあおりで特に観光業や飲食業が痛手を受けています。しかも、感染の収束が見えない中では、「そのうち元に戻る」「時間が解決してくれる」と楽観視もできません。
こうした中、「子どものために」と無理に習い事を継続して、厳しい家計状況に追い込まれるのは避けたいものです。収入が減る可能性が今後見込まれるのなら「今が見直しする時期」と捉え、冷静に習い事の断捨離をしていかなければなりません。
大半の習い事は、退会の意志は引き落としの関係で1カ月以上前に伝える必要があります。当月末に「今月でやめたい」と言っても間に合わず、あと1カ月通うことにもなります。契約書等を良く見直し、退会を決心したら費用の無駄が出ないタイミングで伝えることが必要です。
塾などの教育費は学年が上がると高くなる
塾や英会話など教育系の習い事は、学年が上がると月謝も高くなります。幼児期や小学校低学年では比較的手ごろな値段でも、高学年以上になると気がつけば家計を圧迫するまでになっていることもあります。
語学系は特に、お金を出している親としても「もう少し上達するまで」と結果が出るまで待ってしまうこともあるでしょう。しかし、もしネット環境が整っているなら、オンライン英会話やアプリを使った方が出費を抑えることもできます。
また、塾の場合は子どもの成績や進路に直結しているため、家計を理由にやめさせることを悩む親もいます。ただ、子どもの今の年齢の月謝だけでなく、上の学年で設定されている金額を確認してみることも重要です。教科やテキストも増えていき「6年生になるとこんなに高くなる」「中学生は今の2倍以上かかる」といったこともあります。
家で自学自習できるように促すことも視野に入れつつ、先行きの収入が不安なら、通塾からオンラインや通信教材など出費を抑えられるものに変えていくのは現実的な手段でしょう。
今までの不況とは違い職種によって影響が異なる
世帯収入に余裕があれば子どもの教育にお金をかけることもできますが、今回のように未知のウイルスにより瞬く間に経済活動が混乱し景気が悪化していくとそうはいかない場合も出てきます。
こうした状況下でも業績を伸ばす企業や比較的安定している会社はあるものの、この状況が長期化すればじわりと不景気の波がどの業種にも襲いかかってくるでしょう。それにしても、現時点で親が就いている職業によって家計がどちらに転ぶか分かってしまうのは前代未聞のことではないでしょうか。
実際、筆者の身内Aさんは飲食店でパートリーダーを勤めていますが、緊急事態宣言を受けての休業や時短営業などにより収入が激減したと嘆いていました。
いまだに客足は鈍く、この先どうなるのか不安だと呟いていましたが、彼女にとって唯一の救いは私立大学に通っていた子どもが卒業した直後で学費の心配がないことだと話をしていたのが印象的でした。
一方、生活用品の製造工場にパート勤務している同じく身内のBさんには真逆のことが起きたのです。Bさんは、定時帰宅できるアットホームな職場環境を気に入り長年勤めていました。
しかしコロナ禍で一気に製品が底をつき、工場は24時間体制でフル稼動。残業を頼まれるなど猛烈に忙しくなったとぼやいていました。そんなBさんにはお子さんが2人いますが、世帯収入の激減はなく習い事の断捨離は考えていないそうです。
習い事の断捨離を迫られたら子どもと話し合いをする必要も
子どもも学校生活で手洗いうがいの励行やマスク着用を義務付けられ、自分たちを取り巻く環境が急激に変化したことを知っています。経済活動の落ち込み、特に飲食業・観光業へのダメージはニュースなどでも報じられており、子どもでも「お給料が減っている人がいる」ということを理解できるでしょう。
習い事の断捨離をする必要に迫られたら、子どもにも率直に伝えて話し合いをしていくことが大切です。前代未聞のコロナ禍の中、「収入が減る」ということを恥じず、親子で難局を乗り越えられるよう知恵を絞っていきましょう。
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