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還暦にむけて意識したい「おひとり様の老後にかかるお金」

LIMO / 2020年9月6日 11時45分

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還暦にむけて意識したい「おひとり様の老後にかかるお金」

老後の生活って、イメージできていますか?また、どのくらいお金が必要なのか把握できているでしょうか。

パートナーや子どもがいない「おひとりさま」の場合は、「おひとりさま」ならではの不安があるかと思います。安心したシニアライフを送るために、還暦前から「老後資金」の準備を始めていきましょう。

おひとりさまでも1600万円以上必要?老後の生活資金

2019年6月、金融庁『金融審議会 市場ワーキング・グループ』が発表した「老後2000万円問題」が話題となりました。「夫婦で定年後に30年間(95歳まで)生きると仮定した際に2000万円必要になる」ということです。しかもこれは年金以外に必要な金額。

もちろん、日頃の生活スタイルやもらえる年金額などで個人差はありますが、老後に不安を感じた人も多かったでしょう。気の遠くなるような金額ですからね。

では、「おひとりさま」の場合はどうなのでしょうか。

総務庁の家計調査によると(※)「おひとりさま」世帯の平均的な月の年金額は10万6,411円、そして実支出は15万2029円。年金だけでは、毎月約4万5000円足りないことになります。ここから試算すると、定年後の30年間に必要な金額は約1620万円という結果に。

(※)家計調査/家計収支編 単身世帯「1世帯当たり1か月間の収入と支出」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=8&year=20191&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330022&tclass3=000000330023&result_back=1)総務省統計局

1人だから単純に半額になる、というわけではありません。住居費や光熱費など、世帯の人数に関係なく必要となる支出があるからです。よって、おひとりさまの方が、老後の生活が厳しくなる可能性が高いともいえます。

衣食住も見直して!今から始める老後の備え

おひとりさまで、安心した老後を過ごすには、どんな準備が必要なのでしょうか。おひとりさまを覚悟している人も、そうでない人も、ぜひチェックしてみてください。

貯蓄を始める

まず基本となるのは「貯蓄」でしょう。公的年金以外に1600万円も必要、となると、すぐに準備できる金額ではありませんよね。金融機関への貯金、勤務先の「財形貯蓄制度」や給与天引きを利用した貯金など、方法はさまざま。自分に合ったやり方で貯蓄を増やしていきましょう。

また、投資に抵抗がなければ、余剰資金の範囲内でNISAやiDeCoなどを利用した運用を検討してみてもよいかもしれませんね。

住まいを確保する

貯蓄の次に大切なのは住居です。現在の住まいに、老後も安心して生活し続けられるでしょうか?

若い人と高齢者とでは、住まいに求める条件は変わってきます。「日頃の買い物や通院がしやすい」「交通の便がよい」「室内に段差が少ない」など、数十年後でも暮らせる環境であるかがカギになりそうですよね。

「今の住まいでは不安・・・」と感じたら、費用面などを考慮しながら、早いうちに引っ越しなどを検討してみるのもいいかもしれません。

「一生おひとりさま」と決めた人の中には、マンションを購入する人もいます。ワンルームマンションであれば、月々の支払額がアパートの家賃と同程度の物件に住むことも可能です。ローン返済や固定資産税が負担となりますが、それ以上の安心感につながることが期待できます。

生活水準を見直す

一般的に老後の生活費は「今の生活費×0.7(もしくは0.8)」で計算します。しかしこれは、支出が落ちることを想定しているから。贅沢をしたり老後に遊びまわったりしていては、今まで以上の支出になる可能性もあります。

老後の生活を謳歌するという発想も確かに必要ですが、支出を抑えるためにも、普段の生活水準は落としておくほうが安心につながります。

「コンビニに立ち寄る回数を減らす」「自炊をする」「服やコスメは必要なものだけを持つ」など、日頃のちょっとした心がけでできることを、コツコツ続けていくことが大切です。「年金生活がスタートしてから始めればいい」という発想はちょっと危険です。若いうちから、着実に節約のクセをつけていくことをおすすめします。

ずっと続けられる仕事を見つける

すでに定年間近だが、老後資金をじゅうぶんに貯蓄できていない、という人もいるでしょう。そんな場合は、定年後でもできる仕事を見つけ、先々の収入源を確保しておく、という考え方も有効です。

「現役時代の経験や技術を生かした仕事を、フリーランスやパートタイムなどで続けていく」「趣味のスキルをさらに磨いて、アマチュア向けの教室を開く」といった、これまでの自分のキャリアと接点がある仕事は、お金の面だけではなく、心も豊かにしてくれるのではないでしょうか。老後の生活に、張り合いがでるかもしれませんね。

さいごに

「老後2000万円」というのは、あくまでもその公表時点(2019年)での試算です。今後はさらに厳しい数字となることもあり得ます。リタイヤ後のおひとりさま生活を充実したものにするために、先手先手で備えていくことをおすすめします。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参考】
「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)」2019年6月3日 金融庁
(※)家計調査/家計収支編 単身世帯「1世帯当たり1か月間の収入と支出」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=8&year=20191&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330022&tclass3=000000330023&result_back=1)総務省統計局

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