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増えるシニアワーク、気をつけたい「探し方」と「在職老齢年金制度」

LIMO / 2020年9月12日 17時45分

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増えるシニアワーク、気をつけたい「探し方」と「在職老齢年金制度」

年金受給開始年齢の段階的な引き上げに伴い、シニア層を対象とする雇用措置を設ける企業が増えています。

定年後の勤務先や働き方はどのように考えればいいのでしょうか。年金受給年齢に達した場合、給与(収入)額によってもらえる年金額が変動することも理解しておかなければなりません。

ここでは、シニアワークを探せる媒体や在職老齢年金制度についてご説明します。

企業のシニア活用は確実に浸透!

年金受給開始年齢の引き上げに伴い、企業には、雇用する高齢者(65歳未満)への雇用措置が義務付けられています。措置の内容は「定年制の廃止」「定年年齢の引上げ」「継続雇用制度の導入」のいずれかとなっています。(※1(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/dl/tp0903-gaiyou.pdf))

厚生労働省の調べ(※2)(https://www.mhlw.go.jp/content/11703000/000569181.pdf)によると、65歳までの高齢者雇用措置のある企業の割合は、大企業で99.9%(1万6,803社)中小企業で99.8%(14万4,314社)でした。

66歳以上が働ける企業が増えている!

さらに、66歳以上が働ける制度を持つ企業も増えています。66歳以上が働ける制度を設ける企業は全体で30.8%(前年比3.2ポイント増)、70歳以上が働ける制度を持つ企業は28.9%(前年比3.1ポイント増)でした。

定年後のシニアワークの探し方

定年後も働きたい場合は、まず自分の体調や今後のライフスタイルを考慮した働き方を考える必要があります。その上で、「同じ会社で働く」か「他の会社で働く」かの選択を考えてみると良いでしょう。

定年後も同じ会社で働きたい場合

高年齢者の雇用確保のために作られた制度の中に、「継続雇用制度」という制度があります。(※3(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page09.html#:~:text=%E3%80%8C%E7%B6%99%E7%B6%9A%E9%9B%87%E7%94%A8%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF,%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82))同じ会社で働き続けたいる場合は、「勤務延長制度」もしくは「再雇用制度」を選択します。

「勤務延長制度」であれば、退職せずにそのまま雇用となり、定年前と同じく正社員としての雇用が継続され、業務内容もそのまま変わらないことが多いようです。ただし、企業がこの制度を導入していることが前提ですから、事前に確認しておきましょう。

「再雇用制度」は、いったん退職し、再び雇用となります。雇用形態や仕事内容も変わることが多く、待遇や給与も下がるのが一般的です。勤務時間も短くなることが多いため、老後はプライベートも楽しみたいという人にとっては魅力でしょう。

勤務先の制度を良く調べ、業務内容や待遇についてどう変わるのかをしっかり確かめることが大切です。

新しい職場を探したい場合

定年後は年齢がネックとなり、特別な技術や経験が重視される職種でない限り、正社員雇用は難しいのが一般的なようです。ただ、シニア層活用の動きは強いため、正社員にこだわらなければ再就職は可能です。以下のような媒体や手段で定年後の仕事を探せるでしょう。

信頼性の高いシルバー人材センターに登録する(年会費が必要な場合が多い)

未経験職種にも挑戦できるシニア向け求人情報サイトを活用

これまでの人脈を活かして、知人や友人に紹介してもらう

やってみたかった飲食店や販売店などの自営業に挑戦する

シニアワークは「在職老齢年金制度」も理解しておこう

働き続けるシニアの場合、自身の年齢や収入は受給する年金額にも影響します。収入に応じて老齢厚生年金の支給金額が下がる「在職老齢年金」が適用されるからです。(※支給額が変動するのは老齢厚生年金のみ)

老齢厚生年金に影響するのは、65歳未満で月収入(総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計)が28万円、65歳以上で47万円を超える場合です。基準額を超える場合は、年金額の一部または全額が支給停止となります。

これらの基準額以下であれば、厚生年金も全額支給されますので働き方を考える一つの判断材料にするといいかもしれません。詳しい計算方法は、日本年金機構の「在職中の年金」(※4) (https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/zaishoku/index.html)をご参照ください。

なお、年金改革法(2020年5月29日成立、6月5日公布)により、2022年4月からは65歳未満の基準額も47万円に変更されます。65歳未満の方の働ける範囲はさらに広がるでしょう。(※5(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html))

まとめ

人生100年時代と言われる一方で、公的年金に対する人々の不安は増しています。定年後も働き続けたい場合は、「在職老齢年金制度」も加味しながら理解して理想の働き方を決めていきたいですね。

少子化の影響が著しい日本では、定年を迎えた人材も貴重な労働力。自分のためにも、社会のためにもなる充実した働き方をできるだけ長く続けていけるといいですね。

参考

(※1)「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律」の概要 厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/dl/tp0903-gaiyou.pdf)
(※2)令和元年「高年齢者の雇用状況」集計結果 厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11703000/000569181.pdf)
(※3)「厚生労働省サイト~高年齢者の雇用~」厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page09.html#:~:text=%E3%80%8C%E7%B6%99%E7%B6%9A%E9%9B%87%E7%94%A8%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF,%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82)
(※4)「在職中の年金」厚生労働省(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/zaishoku/index.html)
(※5)「厚生労働省サイト~年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました~」厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html)

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