「住民税非課税世帯」って年収いくら?

LIMO / 2020年10月4日 17時45分

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「住民税非課税世帯」って年収いくら?

保育料無料(幼児教育・保育の無償化)や大学無償化(高等教育の修学支援新制度)などで、優遇を受けられる「住民税非課税世帯」。低所得世帯ということは知っていても、年収にするといくらなのか、他に条件はあるのかなど、きちんとは知らない人が多いのではないでしょうか。

そこで、日本の制度を知る上で欠かせない「住民税非課税世帯」にスポットを当てて解説します。

住民税非課税世帯って?

読んで字のごとく、住民税が課税されない世帯のことです。世帯とは、生計を一にする家族のことを指し、全員が住民税非課税である場合に「住民税非課税世帯」となります。

住民税とは地方税の一つで、前年中の所得に対して課税される「所得割」と、個人に均等に課税される「均等割」があります。所得割は一律10%、均等割は道府県民税1,500円と市町村民税3,500円を合わせて5,000円となっています。

この住民税には非課税となる条件があります。つまり「所得が低い人は住民税を納めなくてもよい」の所得の条件です。「所得割」「均等割」それぞれに非課税となる条件があるのですが、住民税非課税世帯の場合、両方が非課税である必要があります。

「均等割」は地方自治体によって条件が異なるので、お住まいの自治体の条件を確認してみてください。多くの場合「均等割」の条件に「所得割」の条件が含まれるので、「均等割」で非課税になっていれば住民税非課税世帯の条件を満たすことになります。

以下は東京23区の「均等割」が非課税となる条件です。3つのうちいずれかに該当すれば非課税となります。

(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が125万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4,000円未満)の方
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方
<同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合>
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+21万円以下
<同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合>
35万円以下

東京23区の例では、前年の合計所得金額が35万円以下であれば、扶養家族の有無にかかわらず非課税となるのですが、「そもそも合計所得金額ってなに?」「年収にするといくらなの?」と思った人のために、年収の目安を次にご紹介します。

年収にするといくら?

まずは、合計所得金額について簡単に説明しておきます。収入から必要経費を引いたものが所得です。給与の場合は必要経費にあたる給与所得控除を引いたものが給与所得です。所得には給与所得以外にも不動産所得、事業所得、利子所得、雑所得などいろいろありますが、これらを合計したものが合計所得金額になります。

ここでは、わかりやすく収入が給与のみ、公的年金のみの場合の年収の目安を表にしてみました。
公的年金の場合、年金収入から公的年金等控除額を引いたものが所得となり、65歳未満と65歳以上で控除額が異なります(表参照)。

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(筆者作成)

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拡大する(/mwimgs/d/1/-/img_d1f256440fa179d3e5b58d8d92f1b594132385.jpg)

(筆者作成)

どんな優遇がある?

さて、住民税非課税世帯がどんな世帯なのかがわかったら、次にどんな優遇制度があるのか見ていきましょう。

保育料無料(幼児教育・保育の無償化)

3歳から5歳児の幼稚園、保育所、認定こども園などの利用料が無料となる制度において、住民税非課税世帯は、0歳から2歳児についても無料となります。

大学無償化(高等教育の修学支援新制度)

大学などの授業料および入学金が免除または減額されます。さらに学生生活を送るための生活費として、日本学生支援機構(JASSO)から給付型奨学金を受け取ることができます。

国民健康保険料の減免

国民健康保険料には所得に応じて負担する所得割額と、加入者全員が負担する均等割額があります。この均等割額が所得と世帯人数に応じて7割・5割・2割に軽減されます。

高額療養費の自己負担額の軽減

医療費の自己負担額が高額になったときに、自己負担限度額を超えた金額が払い戻される制度です。この自己負担限度額が低く設定されるため、医療費の負担が少なくなります。

その他にも予防接種やがん検診が無料となったり、入院したときの食事代が軽減されるなど、自治体によって、さまざまな優遇措置が設けられています。

まとめ

このように、住民税非課税世帯はさまざまな優遇を受けられることで、中には低所得であることがメリットであるような勘違いをされる人もいるかもしれません。

日本の社会保障制度では、母子家庭や高齢単身者、障害者、失業者など、働きたいのに働けない人、働いても収入が十分でない人のためのセーフティーネットが機能しています。このセーフティーネットが捕らえる範囲としてあるのが住民税非課税世帯であり、優遇というよりは「支援」といった方がいいでしょう。

住民税非課税世帯に当てはまっているならば、こうした支援があることを知って、大いに活用してほしいと思います。

参考

「個人住民税(税金の種類)」(https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ju.html)東京都主税局
「個人市・府民税が課税されない方」(https://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000384084.html#TOPPAGE)大阪市
「幼児教育・保育の無償化について知る」(https://www.youhomushouka.go.jp/about/)内閣府
「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」(https://www.mext.go.jp/kyufu/index.htm)文部科学省

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