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職場のセクハラ・パワハラが止まらない… 女性たちの不満、失望、対抗策

LIMO / 2020年10月22日 21時0分

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職場のセクハラ・パワハラが止まらない… 女性たちの不満、失望、対抗策

最近は社内で起きているセクハラやパワハラに企業が目を光らせるようになりました。勤務先でハラスメントに関する研修が行われている、実際に研修を受けたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

しかし、緊急事態宣言下で推奨されていた在宅勤務から再びオフィス出勤へと戻る流れがある中で、以前と変わらずハラスメント行為に悩まされるケースもあるようです。そこで今回は、セクハラやパワハラに対して働く女性が感じている不満と自衛策について聞いてみました。

「コレってセクハラになっちゃうの?」には女性同士の協力で対抗

「ハラスメントに対してこんなに世の中の関心が高まっているにもかかわらず、うちの会社の40代、50代は全くどこ吹く風」と怒るのは、情報サービス会社で働く20代のAさんです。

「『コレってセクハラとか言われちゃうのかな?』とか『Aちゃんにとってコレはセクハラになっちゃうの?』みたいな一言を入れたらセーフだと思っている謎の風潮がある。それで肩を揉んできたり、『結婚しないの?』『カレシとうまくいってるの?』と話しかけてくる」と嘆きます。

たしかに「コレってセクハラになっちゃうのかな?」と聞かれても、目上の人に「はい、セクハラだと思います」とは言いにくいもの。そこでAさんは、同じようにセクハラに怒りを覚えている同僚女性とタッグを組んで対応したのだそう。

「本人が答えにくいことは周囲から言うことにした。『コレってセクハラ?』と私が聞かれたら、すかさず同僚女性が『周囲から見たらセクハラだと思われるんで気を付けてくださいね』と制する。逆に彼女が何か言われたり、触られたりしているときには、私が『セクハラ部長って言われますよ』と言ったり…」とAさん。

「あるいは、途中で『Xさん、お電話です』と同僚女性を問答無用で引き離す。実際は私の携帯から部署直通の番号にかけているだけだけど。男性は電話を取らないから、彼女か私しか電話を取らないことを逆手にとって、セクハラ対策に使っている」と話してくれました。

Aさんの部署では、どんなに若くても男性は電話を取らないという文化もあるのだとか。「いろいろと古い体質で人事の動きも鈍い」というAさん。こんな対策をしなくていい環境になるといいのですが、「そんな日はまだ遠そう。あと10年くらいかかるんじゃないかな」と苦笑いで話していました。

付きまとわれて人事に報告するも動いてもらえず

中堅電機部品メーカーで働いていた20代のBさんは、「職場内の男性に半ばストーカーのような付きまといを受けていて、精神的に疲弊し、仕事にも影響してきて迷惑していたから証拠を集めて人事に連絡した」のだそう。

しかし、結果的に人事部は明確な対応をしてくれず、Bさんは退職することに。「あんなハラスメント行為に屈して新卒で入った会社を辞めなければならなかったことが悔しいし、会社が守ってくれなかったことも腹立たしい」と話します。

Bさんが働き始めて数年経った頃、中途入社の社員として設計部門に2つ年上の男性が配属されました。人が少ない部署で営業と営業事務の掛け持ちのような形で仕事をしていたBさんは、自分の担当案件について設計部門に相談したり、他の営業が取ってきた案件についても設計部門との折衝をしていました。

そんな中で、仕事に関係ないメッセージが社内のチャットツールで送られてくるようになったと言います。「最初は日常会話的なやりとりだったからあまり気にしていなかった。でも、次第にエスカレートしてきて、チャットが1日に50件ほど届く日も。返信しないと『忙しいのかな?』『無視する気?』『でも同じ社内だから逃げられないですねw』みたいなことが送られてきて鳥肌が立った」と振り返るBさん。

「仕事終わりのタイミングを待ち伏せされたり、食事に誘われたり、手を握られたりしてもう我慢の限界だと思い、人事に連絡。信用してもらえなかったからチャットの画面を見せて、実際に人事も『ちょっと彼の行為は行き過ぎかもね』と認めたのに何もしてもらえず…。告発するのは勇気がいるものなのに、それを握りつぶされて絶望した」と話してくれました。

Bさんのように、人事に訴えても動いてもらえないという悩みを抱える人も意外といるようです。人事が頼りなければ、次のCさんのような対策を取ることも大事かもしれません。

人事が動かないならと、外部機関に相談したら…

「職場のパワハラ、セクハラにうんざりして人事に連絡したけれど動いてもらえず。外部機関に相談したら、とたんに人事もスピーディーに対応してくれたけれど、人事に対する不信感は拭いきれない」と話すのはソフトウェア会社の営業をしている30代、Cさんです。

「うちはパワハラが当たり前のような環境で、怒鳴り声が聞こえてくるのは日常茶飯事。『お前、ぶっ殺されたいのか!』とか『頭おかしいんじゃないのか!?』など、とても聞いていられないような罵詈雑言がフロアに響き渡っている。新人は次々と辞めてしまうし、中途採用でよく仕事がデキる人しか残らない」のだそう。

「でも、そういうデキる人も数年経ったら見切りをつけて辞めていってしまって、会社が変わるきっかけもない。人材会社で働く友人に『ダメな会社ほど優秀な社員が黙って辞めていく』と言われたことがあるけど、それってウチのことじゃん…と思って落胆した」と話します。

「ちょっとしたミスに対して『お前が結婚できない理由がわかる』とか『バカ大学出身で頭が使えないんだから、体を使え』 など、とても令和の時代と思えないような言葉も。人事にどんなに掛け合っても、まともに対応してもらえないどころかちょっとめんどくさいヤツ認定されている気がした。人事に『そんなに取り合ってくれないなら、外部機関に相談します』と伝えて、ほとんど形骸化していた外部の相談窓口に電話した」とCさん。

”ウチの会社にも、ただポスターが貼ってあるだけの外部相談窓口がある”という人もいるのではないでしょうか。Cさんはそういう外部相談窓口に「頼りになるかは賭けだったけれど、勇気を出して相談してみた」と言います。

すると効果はてきめん。人事からすぐにヒアリングが入り、対応方針について説明されたと言います。「外部の相談窓口がどんなふうに人事に伝えたのかはわからないけれど、とにかく人事が急にスピーディーに動いたのには思わず笑ってしまった」と話します。

「ハラスメントの訴えを知った外部の監査役からも厳しく言われたらしく、それからはハラスメント研修が行われたり、社長が朝礼でハラスメントについて話すようになったり、ハラスメント行為が確認された部署の役員が役員会議でつるし上げられたりするようになったらしく、会社の雰囲気が少しずつ変わってきた」とCさん。このまま変わり続けて、会社の体質が時代に追いつくことを願わずにいられません。

おわりに

ハラスメント行為に対して自分がどう動くかというのは非常に重要な問題。上記のように、社内の信頼している人と一緒に対策をしたり、人事もしくは外部機関に相談するのも有効です。ただし、告発することで余計に環境が悪化するケースもなくはないので、自分の身を守ることを最優先に考えて動いてくださいね。

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