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「携帯料金値下げ」歓迎しつつも「NHK受信料見直し」を求める声…コロナ禍の経済的負担の行く末

LIMO / 2020年10月24日 18時45分

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「携帯料金値下げ」歓迎しつつも「NHK受信料見直し」を求める声…コロナ禍の経済的負担の行く末

今や、必需品といっても過言ではない携帯電話。しかし月々の支払いは結構厳しいです。

2020年10月8日、武田総務大臣と消費者の代表数名は携帯電話料金やサービスに関する意見交換会を行ったということです。

日本の携帯電話の料金プランは高いだけではなく、とにかくその料金プランが分かりにくいといわれています。今回の意見交換会でも、プランの不透明さに加え、スマートフォン(スマホ)のアプリの課金システムも複雑で「家計を管理しずらい」という声が上がったということです(※1)(https://www.soumu.go.jp/menu_sosiki/singi/daijin_user_iken/index.html)。

菅首相は今度こそ消費者の携帯電話料金の負担を軽くできるのでしょうか? また、消費者の声は? 今回は気になる携帯電話料金について考えてみます。

無制限通話・メールとフリーWi-Fiで節約できるアメリカ

筆者の住むアメリカではMVNOといわれる、SIMカードを利用した格安プランを提供する会社が増え、大手キャリアでさえ無制限プランの値下げなど価格競争が激しくなっています。また年契約なし(月契約)など柔軟性も求められているようです。

5、6年前くらいからこのような傾向が目立つようになりました。そもそも、通話が1分増えたりメッセージが1通増えたところで、会社側の変動費用は大きく変わらないでしょう。無制限プランの料金値下げで、消費者に分かりやすさとお得感を提供したほうが、結局は利得が高いのかもしれません。

例えば、「250分通話定額」と「無制限通話/メール定額」が2ドルくらいしか違わなければ、多くの人は無制限を選ぶのではないでしょうか。個人にとってはたったの2ドルの違いでも、会社にとっては2ドル高い方を選ぶ人が増えれば大きな違いとなります。

またスマホの普及により、携帯電話が通話やメッセージの為の利用だけではなくなってきました。インターネットに接続したアプリ利用がより頻繁となり、データ通信の需要が高くなったことから、データ通信量や速さ、質がより重要視されるようになりました。また様々な独自性のあるサービスをつけることで、価格差を生み出すようにもなったのです。もはや、通話やテキストはおまけ的な存在になりつつあります。

ただ、アメリカのほとんどの公共の場所ではフリーWi-Fiにアクセスできます。筆者のように自宅や図書館、カフェなど行動範囲のほとんどの場所でフリーWi-Fi接続できる場合は、データ通信は緊急用として最小限のプランにすることでだいぶ節約できます。

日本の大手キャリアでも、通話のみ無制限定額制を導入し始めたようですが、日本はまだ公共の場所でフリーWi-Fiに接続できるところが少なかったり、セキュリティーの面で不安を感じる人が多いようです。公衆フリーWi-Fiのセキュリティーを強化した上で増やしていくことで、消費者は携帯のデータ通信料を節約できるのかもしれません。

楽天の参入で価格競争ははじまるのか?

日本の携帯料金が高い理由の1つとしてNTTドコモ、ソフトバンク、KDDI(au)の3社の寡占状態が指摘されています。少しづつアメリカのようなSIMカードを提供するMVNOも現れていますが、高齢者など通話が中心の人にとってはMVNOは案外「音声通話が高くつく」という声もあるようで(※1)(http://www.soumu.go.jp/menu_sosiki/singi/daijin_user_iken/index.html)、本格的な価格競争に影響を与えるほどではないようです。

2020年春からは楽天が正式に携帯キャリアとしてのサービスを開始しました。自社回線エリア内でのデータ通信利用は無制限とし、5Gも利用可能。通話もショートメッセージも楽天専用のアプリを通せば無制限で、料金は月額2,980円(税別)というプランを出し話題となりました(※2)(https://network.mobile.rakuten.co.jp/guide/migration/?l-id=mvno_fee_pc_guide_migration#migration-freecall)。

こうした楽天の「分かりやすく手頃な料金設定」は今後、市場の価格競争の火種になるのでしょうか。三井住友DSアセットマネジメントのマーケットレポート(※3)(https://digitalpr.jp/r/42016)では、料金値下げには政府介入だけではなく、「楽天の参入も携帯料金引き下げに影響しそう」だと指摘しています。

しかし、今まで大手3社を長年利用してきたロイヤルカスタマーにとっては、MVNOや楽天の質はどうなのか?という疑問や、乗り換え手続きの煩わしさを訴える人も少なくないようです。

「NHK受信料の見直し」を求める声

実は、この「携帯電話料金値下げ」の話題から、ネット上では「携帯料金よりもNHKの受信料をなんとかしてほしい!」という展開になっています。

電波利用として考えれば、確かに、携帯電話では電波を利用しているけれども、NHKを見ない人にとっては受信料強制徴収は不公平だという言い分も分からないでもないです。

しかも、電波利用料については携帯電話会社よりもNHKをはじめ各テレビ局の負担額はかなり少ないのです。例えば、NTTドコモは2019年度は184億円、NHKは25億円でした(※4)(https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/fees/account/change/r01_futangaku/index.htm)。NHKの受信料については、2020年10月から値下げしていますが、月額数百円ほど(※5)(https://pid.nhk.or.jp/jushinryo/ryougaku_about202010.html)。また「持続化給付金」受給事業者を対象に受信料免除などの対策もされていますが、これほど電波使用料が違うのですから、もっと値下げ出来るのではないか、と考えてしまいます。

携帯電話料金にしろ、NHK受信料にしろ、コロナ不況の中、国民の経済的な負担が少しでも軽くなるよう新しい政権に期待したいものです。

参考

(※1)「武田総務大臣と携帯電話利用者との意見交換会」(https://www.soumu.go.jp/menu_sosiki/singi/daijin_user_iken/index.html)総務省
(※2)「楽天モバイルの料金プランを徹底比較」(https://network.mobile.rakuten.co.jp/guide/migration/?l-id=mvno_fee_pc_guide_migration#migration-freecall)楽天モバイル
(※3)「菅内閣誕生で『携帯料金』はどうなる?」(https://digitalpr.jp/r/42016)三井住友DSアセットマネジメント㈱
(※4)「令和元年度 主な無線局免許人の電波利用料負担額」(https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/fees/account/change/r01_futangaku/index.htm)総務省
(※5)「2020年10月から値下げしました」(https://pid.nhk.or.jp/jushinryo/ryougaku_about202010.html)NHK

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