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65歳以降も働く?辞める?「リタイアするための条件」

LIMO / 2020年10月31日 17時45分

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65歳以降も働く?辞める?「リタイアするための条件」

老若男女を問わず、リタイア(=仕事を辞めて悠々自適な生活)に興味のある人は多いと思います。筆者の周りでも、早期退職を目指して頑張っている人が増えてきた印象です。

リタイアといえば、ひと昔前は定年退職のことを指していたと思います。しかしながら、独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査によると、65~69歳の就業率は男性で57.2%、女性で36.6%と、定年後も働く人の割合が増えています(※1)(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2019/index.html)。65~69歳で働いている人の就業理由は、経済的な問題がダントツの1位です。男性は71.4%、女性は67.6%が「経済的な理由」です(※2)(https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/199.html)。

しかしながら、これだけ多くの人が明日のお金を心配しているわけではないと思います。リタイアするための条件が分からず、なんとなく不安だから働いている人もいるのでは、と考えます。

この記事では、リタイアするための条件とその理由、そして私たちが今できる対策について解説します。

リタイアするための条件とは?

リタイアするための条件とは「働かずにもらえるお金>生活費」です。いわゆる不労所得が生活費を上回った状況ですね。

例えば、生活費が年間で300万円の人であれば、下記の状況になったら安心してリタイアできると思います。

不動産からの家賃収入が年間300万円以上

株の配当金が年間300万円以上

年金と金融資産からの収入が年間300万円以上

なぜ定年を迎えてもリタイアできないの?

65歳以降の方がリタイアできていない理由としては、働かずにもらえるお金が年金だけであり、それが生活費を下回っているからだと考えられます。実際、2019年に話題になった「老後2,000万円問題」のレポートでは、夫婦2人の生活費が26万3,718円、年金を含めた収入が20万9,198円であり、毎月5万4,520円赤字になると記載されています(※3)(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html)。

昔であれば、年金の受給額が生活費を上回っていたので、安心してリタイアすることができました。しかし、現在では年金だけでは赤字になり、現役期に貯めたお金が減り続ける一方なので、不安が払拭されず仕事を辞めにくいのだと思われます。

リタイアに必須の「4%ルール」とは?

「4%ルール」とは、米トリニティ大学が1926〜1995年に渡って、退職者の保有する金融資産の推移を調査したデータから生まれました(※4)(https://www.researchgate.net/profile/Carl_Hubbard/publication/265279441_Retirement_Savings_Choosing_a_Withdrawal_Rate_That_Is_Sustainable/links/5493660c0cf22d7925da3016/Retirement-Savings-Choosing-a-Withdrawal-Rate-That-Is-Sustainable.pdf)。研究が明らかにした内容は、保有資産を運用しながら取り崩した時、毎年何パーセントまで取り崩しても元本は減らないのかというものでした。

同研究によると、保有資産を株と債券の50%ずつに分配して運用した時、毎年4%ずつ切り崩したとしても、30年後も資産が減っていない確率が95%でした。

つまり、仮に2,000万円の資産を保有していたとして、それを株と債券に1,000万円ずつ投資した時、毎年80万円(2,000万円の4%)を切り崩したとしても、30年後に95%の確率で元本の2,000万円以上を保有しているということです。

リタイアにはいくら必要なの?

将来は分からないため、正確な金額というものはわかりません。ただ、歴史は繰り返すと言われているので、過去を知ることで大まかな目安を知ることはできると思います。

仮に4%ルールが今後も成立したとすると、リタイアに必要な資金は年間の生活費の25倍となります。生活費が年間300万円の人であれば、7,500万円がリタイアの目安となります。

そして、65歳以降にリタイアすると考えた時は、(現状と同じと仮定するのであれば)年金と生活費の差額分だけを金融資産からの収入でカバーできればリタイアできます。年金と生活費の差額は月5万4,520円なので、リタイアできる金融資産の目安は1,635万円です。

リタイアに大切なことは「生活費を下げること」「運用すること」

自分の生活費がリタイアに大きな影響を及ぼすことをご理解いただけたと思います。生活費が月10万円下がれば、リタイアに必要な金融資産は3,000万円も減ります。筆者は早期リタイアを目指しており、不要な生活費をカットし続けています。

その結果、2人暮らしで、食費、日用品、光熱費、携帯代と固定インターネット代の合計で月6万円以内に収まっています。ちなみに我慢はまったくしておらず、生活の満足度も一切下がっていません。リタイアも遠い未来ではないと個人的には思っています。

また、生活費を下げることの他に、運用のスキルも必須です。運用せずにただ取り崩すと、資産は減っていく一方です。現在では「資産寿命」という言葉も生まれ、お金にすら寿命ができています。

自分の寿命の前に資産寿命が尽きると、その後の人生は辛いものになると思います。運用することで資産寿命を延命して、不安のない楽しい人生を送りたいですね。

参考

(※1)「データブック国際労働比較2019」(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2019/index.html)JILPT
(※2)「60代の雇用・生活調査」(https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/199.html)JILPT
(※3)金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理(別紙1)」(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html)
(※4)Philip L Cooley , Carl M Hubbard , Daniel Walz “Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable”(https://www.researchgate.net/profile/Carl_Hubbard/publication/265279441_Retirement_Savings_Choosing_a_Withdrawal_Rate_That_Is_Sustainable/links/5493660c0cf22d7925da3016/Retirement-Savings-Choosing-a-Withdrawal-Rate-That-Is-Sustainable.pdf)

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