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5世帯に1世帯は貯金なし…定年前50代は老後破産予備軍がたくさん?

LIMO / 2020年11月1日 20時15分

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5世帯に1世帯は貯金なし…定年前50代は老後破産予備軍がたくさん?

高度成長期に子ども時代を過ごし、バブル崩壊やリーマンショックなどの経済危機に瀕するなど、激動の時代を歩んできた50代。これまでの常識がどんどん覆され、時代のあおりをまさに身をもって体感することが多かった世代といえるでしょう。

定年を目前に控える50代ですが、貯蓄がない世帯も決して少なくありません。そんな老後破産予備軍ともいえる世帯は、今からどのようなことに取り組むべきなのでしょうか。さまざまなデータを参照しながら、50代の老後と現在について考えてみました。

50代は貯蓄を貯めにくい世帯?

まず、厚生労働省「国民生活基礎調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf)」(各種世帯の所得等の状況)から、50~59歳の平均所得・平均貯蓄額を確認してみましょう。

・平均所得金額:756万円
・平均貯蓄額:1,054万4千円

平均所得金額は50~59歳が全世代中最も高く、平均貯蓄額は60代・70代に次いで3位という結果です。また平均借入金額は546万8千円と、こちらも30代・40代に次いで3番目に多い額でした。

平均貯蓄額が1,000万円を超えていて驚いた人もいるかもしれません。しかし、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/19bunruif001.html)」によると、金融資産を持たない世帯も21.8%存在します。なんと5世帯に1世帯は貯蓄がない世帯なのです。

現代の50代は、年功序列や終身雇用の変化で雇用が不安定になっていたり、晩婚化によって子どもの教育費・住宅ローンの負担が残っていたりすることで、バブル崩壊前と比べると経済的に余裕のない状態であるといえます。手取りも減少傾向にあるものの、年齢とともに支出は増えるため、厳しい家計運営となっている世帯も少なくないようです。

50代の資産形成で押さえておきたいポイント

定年を目前に控え、貯蓄もままならない50代。また、既婚者の場合は世帯全体で考えなければいけません。いざ老後を迎えて家計が回らなくなった場合、老後破産に至るおそれもあります。まだ遠い印象のある老後ですが、今からでも資産形成に着手し、老後生活をイメージしておくことが大切です。

【家計を把握して資産寿命を延ばす】
収入を日々やりくりするだけではなく、これからは資産寿命を延ばしていくことも考慮すべきです。収入と支出のバランスを確認し、家族で貯蓄計画について意識を共有するところから始めましょう。可能であれば支出は収入の8割にとどめ、残りは貯蓄にまわすのが理想的。貯蓄が期待できない場合は副業で収入を増やしたり、長く働けるよう再雇用制度について確認したりするなど、お金を増やす手立てを考えましょう。

【固定費の見直し】
長年同じ固定費を払っているのなら、見直すことで大きな節約効果が得られる可能性があります。比較的廉価なネット型自動車保険への切り替えや電力会社の見直しなど、できることは意外とたくさんあるものです。また、電力消費の多い家電を買い替えるなど、日常生活の質を落とさずに節約できる部分があります。初期費用をかけても数年で元が取れることもあるため、一度確認してみましょう。

【積み立て貯蓄などで毎月確実に貯蓄する】
資産寿命を延ばすなら、「個人型確定拠出年金(iDeCo)」、「つみたてNISA」などで資産形成をするのもおすすめです。節税効果もあり、節約しながら老後資金を準備することができます。勤めている会社に「企業型確定拠出年金」制度があれば、そちらを利用するのもいいでしょう。

【教育費・住宅ローン対策をする】
教育費の高騰に比べ、親世代である50代の収入はそれほど上がっていないのが現状です。できれば、子どもが高校生になった段階で進路や学費について家族で話し合い、収入や貯蓄に見合うかどうかを確認しておきたいところ。また、定年後に住宅ローンが残らないよう、収入があるうちに返済が終わるような計画を立て直せるといいでしょう。

定年後の収入はどのようにして得る?

平均寿命が延び、昔に比べて老後の時間がぐっと長くなった今。定年後の主な資金源は年金・退職金・貯蓄になりますが、それ以外にも収入があればより安心です。その確実な方法のひとつとして、就労があげられます。現在の勤務先で再雇用制度を利用したり、シニア世代に特化した転職サイトで仕事を見つけたりするほか、得意分野を生かして独立をするという人も。

【高齢者雇用安定法の改正(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000626606.pdf)】
少子化が進む今、高齢者の雇用促進の一環として環境整備を目的とした法律。令和3年4月から、個々の労働者のニーズや多様性を踏まえて70歳までの就業機会確保が企業の努力義務となります。定年が70歳に引き上げられるわけではないですが、70歳まで働き続けることが可能になるため、それに合わせて年金受給を遅らせることで年金額をアップさせることも期待できます。

小さな積み重ねが大切。今から対策を始めよう

長く続く老後生活を、不安なまま迎えるのは避けたいものですよね。お金については「よく分からないから」で済まさず、きちんと調べて行動することが大切。小さな節約や貯蓄計画を今から始めて、いざ定年を迎えてから後悔しないようにしたいものです。気づいたときから対策を始めれば、それだけでも結果は変わってくるはずですよ。

【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参照】
厚生労働省「国民生活基礎調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf)」(各種世帯の所得等の状況)
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/19bunruif001.html)」4金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
厚生労働省「高齢者雇用安定法の改正(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000626606.pdf)」

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