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定年60代、みんなの貯蓄額はどのくらい?老後破産しない資金計画のポイント

LIMO / 2020年11月2日 19時15分

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定年60代、みんなの貯蓄額はどのくらい?老後破産しない資金計画のポイント

もうすぐ定年……切っても切り離せないのが、お金の不安です。年金受給開始が75歳まで拡大されたり、雇用が不安定だったり、生きていくのもやっとな今の時代。老後の心配までしていられないという人も少なくないでしょう。

しかし、いざ収入が年金だけになり、生活に困窮するのは避けたいものです。定年を迎える60代、まわりの世帯はどのくらい貯蓄があるのでしょうか。そして、老後破産という最悪の事態を避けるために、今から準備できることはどんなことなのでしょうか。

さまざまなデータから老後生活について考えてみましょう。

60代の平均貯蓄額はいくら?

定年間際となる60代、そしてそこに至るまで、まわりはどのような貯蓄額の変遷をたどっているのでしょうか。厚生労働省が発表した令和元年(2019年)「国民生活基礎調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf)」(各種世帯の所得等の状況)から、1世帯あたりの平均貯蓄額および平均借入金額を年代別にみてみましょう。

【40~49歳】貯蓄額650万9千円(借入金額1002万7千円)
【50~59歳】貯蓄額1075万4千円(借入金額546万8千円)
【60~69歳】貯蓄額1461万7千円(借入金額213万6千円)

平均数値をみると、60代の貯蓄額は全年齢中最も高い1461万7千円であることがわかります。借入金額も年齢とともに減り、収入を貯蓄に回す余裕も出てくる頃なのではないでしょうか。

しかし一方で、同調査では前年と比べて「貯蓄が減った」世帯は38.2%存在し、60代以上では4割が該当するというデータも出ています。働き方や年金関係も時代とともに変化し、老後2000万円問題のようにさまざまな不安を抱えやすい定年前。老後破産という最悪の事態を避けるためには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。

支出と収入を明確化させてみよう

老後破産とは、定年を迎えて年金生活に入ったのち、生活に困窮して破産状態に陥ってしまうことをいいます。どれだけ貯蓄をしていようとも、収入に見合った生活レベルに落とせなかったり住宅ローンなどが残っていたりすると、あっという間に老後の資金繰りがうまくいかなくなることも。高齢者の貧困が社会問題の1つとなっている今、決して他人事といえないことです。

年金を主な収入源とするのであれば、貯蓄と年金とで寿命までの老後生活を過ごすことになります。一例ですが、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/r1hosho/2019honshi_all.pdf)」調べによると、老後の最低日常生活費は約22万円、旅行やレジャーを楽しむゆとりある老後を過ごすためには月に約36万円必要だといわれています。老後破産を避けるためには収支のバランスを整えることが最も大切。いざ老後を迎えて貯蓄が底をついてしまわないよう、まず2つの具体的な数値を確認してみましょう。

【1】 退職後の資金はいくらあるのか(貯蓄・退職金・年金など)
【2】 老後生活に月いくらかかるのか

現在の支出を把握していないなら、家計簿をつけるなどして月にいくらかかるのかを確認してみましょう。日本年金機構によると、令和元年度の厚生年金標準額(夫婦2人分・老齢年金を含む)は約22万円です。例えば、さきほどの「ゆとりある老後=月36万円」だと月14万円の赤字となり、1年で168万円、老後30年と考えるとトータル5040万円を貯蓄から捻出しなければなりません。年齢によってはそこまで支出しないかもしれませんが、想像以上にお金がかかることが分かりますよね。

このように1と2のバランスが大きく崩れるようであれば、早めの対策が必要になります。貯蓄型保険やつみたてNISA、iDeCoなどの制度を利用して貯蓄を増やしたり、早めから家計を縮小して節約に努めたり、老後生活を意識して準備をはじめるといいでしょう。

老後に働くという選択肢

貯蓄が少なく、退職金も期待できない……そのような世帯も少なくありません。その場合、老後も「働く」という選択肢も加えてみてはいかがでしょうか。

雇用に関する分野は時代とともに大きく変わり、定年後も働く人は少なくありません。総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の要約(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index1.pdf)」によると、65歳以上の就業者数は2019年時点で892万人に達し、この10年で右肩上がりに増えています。

令和3年4月には「高年齢者雇用安定法の改正(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000626606.pdf)」が施行され、70歳までの就業確保が支援されます。再雇用制度や勤務延長制度のほか、これまでのノウハウを生かして新しい仕事を作り出すのもいいでしょう。たとえ月10万円の収入であっても、61~70歳まで続ければ1200万円になります。決して少ない額とはいえないでしょう。

数値をはっきりさせることで不安解消に

漠然と老後に対する不安を抱えたままでは、気持ちにゆとりのある生活は送れないのではないでしょうか。しっかりと数値化して確認することで、どのような対策をとるべきなのかが分かりやすくなります。なにから手を付けたらいいか分からない、という人は、まず家計を把握して月の出費を確認しましょう。不安解消の一歩は実態を知ることから。老後を迎えてから焦らないよう、今からしっかり準備をはじめましょう。

【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参照】
厚生労働省「国民生活基礎調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf)」(各種世帯の所得等の状況)
生命保険文化センター「生活保障に関する調査(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/r1hosho/2019honshi_all.pdf)」
日本年金機構「令和2年4月分からの年金額等について(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/20200401.html)」
総務省統計局「労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の要約(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index1.pdf)」
厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000626606.pdf)」

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