親と同居しないシングルマザーは約7割。なぜ実家に頼らないの?
LIMO / 2020年11月4日 21時0分
親と同居しないシングルマザーは約7割。なぜ実家に頼らないの?
「出戻り」という言葉があるように、昔から離婚後は実家に戻るイメージがあります。しかし、誰もが実家に頼れるわけではありません。両親と折り合いが悪かったり、行き来はするものの苦手意識を抱えていたり、病気がちや高齢だったり…。既に亡くしているという人もいるでしょう。
小さな子どもを抱えて離婚を考えるときには、「実家に頼れないかも」と思い悩む人もいます。実際には、意外にも実家に戻らないシングルマザーは約7割でした。
昭和のガンコおやじと距離を取ることに
離婚後、実家に戻らない選択をした筆者。周囲のシンママ(シングルマザー)にも、実家に戻らない選択をした人、一度は戻ったもののその後自分でアパートを借りた人がいます。
友人のAさんは、離婚前の別居で実家に戻りました。当時を振り返って「お金もなかったし、離婚の話し合いに揉めて疲れ切っていたので、実家に帰らせてもらって助かりました。いつでも相談できたし、母は何かと気にかけてくれ、家の中に人がいるだけでその頃はとても心強く思いました」と語ります。
そんなAさんも、離婚して1年後は実家を出ます。「父親がいわゆる昭和のガンコおやじ。何でも自分の言うことを押し通し、急に怒り出すので、私自身子どもの頃から苦手でした。段々と私の子どもたちにも同じようにするので、子どもたちも苦手意識を持つようになって」。
昔と今は違うと説明しても、怒って話し合いにならないAさんの父。「子どもたちの反応はもちろん、私にも自分の意見を押し付ける父に、これでは自立できないなと。母親ひとりしかいないのに、子どもたちに親との関係で悩んでいるところも見せたくありませんでした。今は子どもたちとアパートに住み、月1回程度会っています」。
周囲に話を聞くと、実家の両親と折り合わず、実家を出るシングルマザーは少なくありません。時代の流れも変わり、親世代には理解しがたいこともあるのでしょう。「孫疲れ」という言葉もあるように、両親にとっても時々会うくらいがちょうどいいのかもしれません。
田舎暮らしに老後の不安を感じて
思いきって地方から首都圏に出てきたのがシングルマザーのTさん。「地元に戻るべきか悩みました。地元は過疎地域で医療体制も不十分。子どもの望む進学先に出してやれる可能性は低く、選択肢がかなり狭まります。
加えて不安になったのが、自分の老後。老後は2000万円必要といわれていますが、田舎だと車がかかせないんです。ガソリン代や保険料だけでなく、車検、修理代、車の買い替え…と大金がかかり、車を保有し続ける自信がありませんでした。子どもが小さい時期さえ乗り切れば、都市部で暮らした方がいいだろうと引っ越しを決めました」。
誰にも頼らない生活は大変でしたが、「会社の先輩が勧めてくれたベビーシッターを利用しています。都市部はシングルマザーでなくても、実家に頼れない人が少なくないんですよね」。頼れるサービスを総動員し、ママ友の力も借り、子どもが小学校にあがると生活が落ち着いてきたと言います。
筆者も同じような不安を抱え、地元に戻りませんでした。その代わりに決めたのが「住む地域に溶け込むこと」。地域の集まりや習い事に顔を出し、役員も経験。少しずつ知り合いを増やしていくことで、「遠くの親戚より近くの他人」の良さを感じています。
実家に戻らないシングルマザーは7割
厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、親と同居するシングルマザーは27.7%(平成23年は28.5%)。約7割の母子家庭は、親と同居せずに暮らしています。一方で、親と同居する父子家庭は44.2%(平成23年度は50.3%)。実際は父子家庭の方が親との同居が多いのです。
シングルマザーの場合、もともと主に母親が子育てをしていたため、子育てと仕事や家事などの両立に慣れていることが考えられるでしょう。また、現在は一時保育やファミリーサポートセンター、ベビーシッターなど頼れるサービスも増えてきているという利点もあります。
頼れるサービス・ヒト・相談先を探して
実家に頼らない子育てをするとき、「頼れるサービス・ヒト・相談先」を決めることで筆者は安心できました。子育ては家にこもってしまうと行き詰りやすいので、できるだけ広く、多くのものに頼ると決めたのです。
頼れるサービスは「保育園、一時保育、病児保育、病後児保育、ベビーシッター、ファミリーサポートセンター」など。自治体が独自に行っているサービスもあります。いざというときのために、土日や夜でも預けることができる一時保育やベビーシッター探しをすることでさらに安心。まずは登録するだけでも「困ったときにはこのサービスがある」と心強いものです。
頼れるヒトはママ友を作ったり、近所のおじいちゃんおばあちゃんと仲良くなったりと、少しずつ築いていきます。園の役員、PTA、育成会役員、地域の集まりや公民館の習い事などで知り合いを増やすことも可能です。
こうして、「育児相談は園の先生や保健師」「健康相談はこの小児科、耳鼻科、眼科、歯科、整形外科、内科」「世間話はこのママ友や隣のおばあちゃん」など、相談相手や話し相手も少しずつできるようになりました。
特に小児科や内科では不安ごとを丁寧に説明し、「この先生なら頼れる」と思える病院へ通っています。悩みがあればすぐに相談し、具体的な解決策へと動くことができるのです。
離婚を経験した女性は、我慢が続いたからこそ子どもの選択肢を増やしてあげたり、自分らしい人生について考えることが多いでしょう。現実には親と同居しない選択している女性も多いので、不安になるより前に、まずは自分の人生設計や頼れるサービスを探してみてください。
【参考資料】「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188147.html)」(厚生労働省)
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