「会社員の退職金」学歴・勤続年数でどうちがう?
LIMO / 2020年11月5日 0時20分
「会社員の退職金」学歴・勤続年数でどうちがう?
2019年に話題となった「老後2,000万円問題」。まだ記憶に新しいという方も多いのではないでしょうか。
「2,000万円」という金額を目にして、ご自身の貯金額や退職金で間に合うだろうか?と気になっている方もいるでしょう。
退職金について、実際にはどのくらい支給されるものなのか、また、勤続年数や学歴によってどのくらい差があるのか、ちょっと気になりますね。今回は、民間の会社員の退職金のリアルについて、厚生労働省の資料をもとにひもといていきます。
会社員の退職金、勤続年数でどれくらい違う?
厚生労働省の「平成30年(2018年)就労条件総合調査 結果の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/index.html)」から、勤続年数と学歴による支給額を見ていきます。
まず学歴によって大きな差があることが読み取れます。そして勤続年数については、「20~24年」と「35年以上」を比較すると、どの学歴でも1,000万円ほど差がありますね。
「老後資金2,000万円」これを退職金だけでまかなえるのは、民間の会社員は大学卒だと勤続年数35年以上の勤続、ということになります。転職の経験がある人や、現在転職を検討中、という人は、長いスパンで「収支」を考えながら、リタイヤ後に向けた資産形成のプランニングを行っていく必要がありそうです。
退職金制度の「いま」
そもそも退職金制度の導入は任意であり、企業の義務ではありません。導入企業の割合は徐々に低下しており、2018年で約8割(80.5%)となっています。給付額については平均で1,700万円~2,000万円程度。これは、バブル期のピーク時と比べると約3割~4割程度の減少となっています。こうした背景から、転職を経験した人の退職金は厳しいものとなることも予想されます。
さらにいうと、転職が一般的となった現在、新卒で入った会社に定年まで勤めあげる、というケースは減りつつあります。即戦力の確保のため、経験者採用に注力する企業も増えています。長期勤続者にメリットがある退職金制度自体の位置付けを見直す企業が増えているという背景があるのかもしれません。
さいごに
退職金の受け取りに関するアンケート調査によると、約半数の人が退職金の給付内容を直前まで把握していなかったことが判明しています。
勤務先の退職金制度に関しては、早めに社内規定などを確認することが大切です。また、受け取れる金額を早めに把握することは、より確実な老後資金計画への第一歩となるでしょう。
また、コロナ禍にみられるように、私たちの働く環境は激変しています。退職金、さらには公的年金だけを頼りにしていた場合、リスク伴う可能性も。安心したリタイヤ生活に向けたマネープランを、できるだけ早いうちから意識していかれることをオススメします。
【参考】
「平成30年(2018年)就労条件総合調査 結果の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/index.html)」厚生労働省
「高齢社会における資産形成・管理(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)」金融審議会市場ワーキング・グループ報告書
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
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