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子供1人を大学卒業させる費用はいくら? ますます厳しくなる教育費の実態

LIMO / 2020年11月13日 20時0分

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子供1人を大学卒業させる費用はいくら? ますます厳しくなる教育費の実態

子供が成長するに伴い気になるのが教育費です。受験学年になると塾の費用が高めに設定されることも多く、悩みは尽きません。

今年9月、日本政策金融公庫が64歳以下の男女で高校生以上の子を持つ保護者(全国4700人、各都道府県100人)を対象に行った調査結果から、現在の教育費と家計のやり繰りについて見ていきます。

大学入学〜卒業にかかる費用はどのくらい?

日本政策金融公庫の「令和2年度 教育費負担の実態調査結果」によると、子供1人当たりの大学の入学費は前年調査より約7万円多い89.7万円でした。

大学を国公立と私立に分けて見ると、国公立大学は77.0万円(前年調査より約6万円増)、私立文系は95.1万円(約9万円増)、私立理系は94.2万円(約10万円増)でした。費用の中でも入学しなかった学校への手付金の負担が大きく、国公立大学では14.8万円もの出費です(私立文系9.3万円、私立理系10.5万円)。

一方、子供1人当たりの1年間の在学費用は、大学全体で前年調査より約6万円増の157.3万円でした。入学先別では、国公立大学が115.0万円(8万円増)、私立文系が152.1万円(約5万円減)。私立理系では192.2万円(約8万円増)と200万円近くかかりますが、これは国公立の約1.7倍の金額です。

入学から卒業までの累計は、国公立大学では537万円(約38万円増)、私立文系で703.5万円(約14万円減)、私立理系で863万円(約41万円増)となっています。

仕送り額は減少。親は教育費のために何を節約している?

同調査で自宅外通学者にかかる費用を見ると、1年間の仕送り額は90.3万円と前年の102.3万円から12万円減少しました。特に今年は新型コロナウイルスの影響でアルバイトによる収入が減るケースも多く、保護者の収入も今までと同じとは限りません。実家から離れて1人暮らしをする学生にとっては苦しい状況といえるでしょう。

コロナで景気の先行きが不透明な中、今後は自宅から通学できる大学を選択する受験生や、家計への負担がより少ない進路を選択する家庭が増えるかもしれません。「東京に出てキャンパスライフを楽しみたい」と明るい気持ちで大学を選ぶ時代は過去のものとなるのでしょうか。

では、保護者はどのように教育費を捻出しているのでしょうか。

何らかの対応をしている世帯での教育費の捻出方法では、「教育費以外の支出を削っている(節約)」が29.5%でと最も多く、以下「子供(在学者本人)がアルバイトをしている」の21.5%、「預貯金や保険などを取り崩している」の20.4%、「奨学金を受けている」の18.6%と続きます(3つまでの複数回答)。

また、節約項目として挙げられた上位3つは外食費の62.5%、旅行・レジャーが62.3%、衣類の購入が41.6%(3つまでの複数回答)。子供の教育のために可能な限り無駄遣いをしないよう心がけていることが窺えます。

「国の教育ローン」を利用している理由

しかし、どんなに家計を切り詰めていても、学費を支払うのが困難な場合もあります。日本政策金融公庫の「国の教育ローン」(教育一般貸付)では、学生1人当たり融資限度350万円の貸付を行っています。

「教育費負担の実態調査結果」には、この「国の教育ローン」を利用するに至った事情についての設問もあります(複数回答)。そこで最も多かった回答は、利用者のほぼ半数に当たる49.9%が答えた「貯金や貯蓄ではまかないきれなかった」でした。

次いで「子供が高額(目安:年間120万円以上)の授業料がかかる学校を志望したから」の44.2%、「自宅外通学が必要だった」の26.9%が続きます。

ここからは、貯蓄を切り崩しても厳しく、教育ローンを利用してなんとか子供が学業を全うできるよう苦心している保護者の姿が浮かんできます。奨学金との併用も可能なため、苦学生にとっては救いの神のような存在ですが、社会に出た後にはローンを返済しなければなりません。

「雇用が不安定な非正規ではなく正社員」「可能な限り高収入が望める職種」など、就職活動もローンの返済を見据えて動く必要もあるでしょう。

子供が生まれたら教育費を確保するための計画を

日本政策金融公庫の調査から、大学入学〜卒業までにかかる費用や家計のやりくりを見てきましたが、ここで紹介した入在学費用以外の出費も無視できません。授業で使う専門書には高額なものもありますし、課外活動にお金がかかることもあるでしょう。こうした費用が発生することも念頭において準備する必要があります。

子供に「家計が厳しいから進学を諦めてほしい」という言葉をかけるのは、親として何としても避けたいところです。子供が生まれたら早いうちから教育費の確保を計画し、コツコツと貯めていくことが大切なようです。

【参考資料】「令和2年度 教育費負担の実態調査結果(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r02.pdf)」(日本政策金融公庫)

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