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「大黒柱がうつ病に・・・」サラリーマン世帯が知っておきたい3つの支援制度。

LIMO / 2020年11月14日 8時0分

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「大黒柱がうつ病に・・・」サラリーマン世帯が知っておきたい3つの支援制度。

仕事のプレッシャーや家庭での責任はもとより、コロナ禍での不安なども相まって、はたらく世代は常にストレス源と戦っています。「コロナ鬱」といった言葉もしばしばメディアで取り上げられていますね。

4人に1人がかかるとも言われるうつ病。回復には、医師の治療を受け、休養をしっかりとることがたいせつ。

そんなときに、
「治療が長引いて仕事を続けられなくなったら」
「休職、退職で収入が激減したら・・・」

といった心配ごとが頭から離れず、心も体も休まらない、という事態は避けたいもの。使える支援制度はしっかり活用しましょう。

今回は、サラリーマンがうつ病などのメンタル疾患にかかった場合の、「お金」の面での支援制度にフォーカスを当ててご紹介していきます。また、これらの制度は、勤務先の人事・労務担当や医療機関から指示や案内が来るとは限りません。

特に「一家の大黒柱が鬱になってしまった」、というような場合は、ぜひご家族が率先して情報集めをされることをおススメします。

①仕事ができず、お給料が出ない!「傷病手当金」

傷病手当金は、「病気やケガで働けない状態」になったとき、健康保険から支給されるお金です。

対象

健康保険(勤務先の健康保険組合、協会けんぽなど)の加入者

公務員などの、共済組合の加入者

もらえる要件は?

・業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること

「医師の意見」などが書かれた申請書の提出が必要

仕事に就くことができないこと

連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと(最初の3日間は「待機期間※」となり、傷病手当金が支給されるのは4日目からです。「待機期間」には土日祝日などの公休日も含まれます)

休業した期間について給与の支払いがないこと(給与の支払いがあっても、その額が傷病手当金より少ない場合には、その差額が支給されます)

支給額は?

1日あたりの支給額は、「日額報酬(*)の3分の2」。個人の報酬額をもとに、以下のように算出されます。

*日額報酬の計算方法
(支給開始日以前の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30日

(注)通勤手当などの報酬を得ているときや、同一疾病で障害厚生年金・障害手当金を受給している場合は、支給額が調整されます。

支給期間は?

支給開始日から最長で1年6カ月間(※途中に出勤日をはさんだ場合も、支給開始日から1年6カ月で支給終了となる)

もし退職したら?

退職日までの健康保険加入期間が1年以上ある、かつ3日間の待機期間の経過後、すでに傷病手当金が支給されているか、支給を受けることができる状態であれば、退職後も継続して支給される(※退職後に公的年金を受給している場合、年金額に応じて傷病手当金受給額が調整されます)

【参考】「病気やケガで会社を休んだとき(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/)」全国健康保険組合(協会けんぽ)

② 継続的な通院が必要になったら「自立支援医療(精神通院医療)」

「うつ病」の治療には、多くの場合、継続して医療機関に通うことが想定されます。毎回の診察料・薬代もかさんできますよね。その負担を軽くする制度が「自立支援医療(精神通院医療)」です。

「自立支援医療(精神通院医療)」

すべての精神疾患を対象に、通院による継続的な治療が必要な人が申請・利用可能

通常「3割負担の医療費が「1割負担」まで軽減される(※ただし指定の医療機関・薬局のみ)

世帯の所得や疾病に応じてひと月あたりの自己負担に上限が設定される(※上限額を超えた部分の負担は不要)

【参考】「自立支援医療(精神通院医療)の概要(https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/seishin.html)」

③現役世代でも受給できる「障害年金」

先述の「傷病手当金」の支給は最長1年6カ月。その後も症状の改善が見られず、勤務先を退職したり、負担の軽い仕事に転職したり、というケースもあるでしょう。元気だった頃のように働くことができず、収入が激減してしまう、という場合は、現役世代で公的年金を頼る選択肢もあります。

それが、仕事や日常生活に大きな制限が必要となった場合に受け取れる「障害年金」です。受給には、年金の納付状況などの条件が設けられています。

障害年金には、「障害基礎年金」「障害厚生年金」の2種類があります。これらのちがいは、初診時に加入していた年金の種類によります。

〈国民年金だった場合〉「障害基礎年金」

障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合

障害基礎年金1級

満額の基礎年金の1.25倍

18歳未満の子どもがいる場合の加算あり

障害基礎年金2級

満額の基礎年金と同額

18歳未満の子どもがいる場合の加算あり

〈厚生年金だった場合〉「障害厚生年金」

障害の原因となった病気やケガで始めて医師の診察を受けたときに、厚生年金に加入していた場合

障害厚生年金1級

障害基礎年金に上乗せして支給される

障害厚生年金2級

障害基礎年金に上乗せして支給される

障害厚生年金3級

障害の状態が2級に該当しない軽い程度の障害のときに支給される

障害手当金(一時金)

障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったとき支給される

【参考】「障害年金(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html)」日本年金機構

さいごに

冒頭でお話ししたように、これらの支援制度を利用するには、基本的に自分側からアクションを起こすことが必要です。在職中の場合は、人事・労務から傷病手当金について連絡を受けるケースもあります。しかし、なかには、勤務先が、傷病手当金の制度のものを知らなかった、というケースもあるようです。

ご自身やご家族が「支援の対象かもしれない?」と思ったときは、ぜひ各サイトで詳細を調べてみましょう。

今回は、うつ病などの精神疾患にかかったときに知っておくと心強い、公的な支援制度をご紹介していきました。

こうした制度の活用とともに、専業主婦(主夫)のパートナーが就労によって収入を得るというような、世帯収入を増やしていく方法を検討していかれると、より心強いのではないかと思います。

さらに、「お金」に関わる支援とは別に、本人自身が安定して就労を続けるためのサポートについても目を向けておくとよいでしょう。

勤務先に籍をおいたまま休職した場合は、「リワーク(復職)」によって、職場復帰に向けて体と心を慣らしていくのもおすすめです。

また、いったん退職したのち、再就職を目指すことになった場合は、「就労支援」の制度を上手に活用していくことなどを視野に入れながら、すこしでもゆったりした気持ちで治療を続け、回復に繋げていかれるとよいでしょう。

【資料】
「病気やケガで会社を休んだとき(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/)」全国健康保険組合(協会けんぽ)
「自立支援医療(精神通院医療)の概要(https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/seishin.html)」厚生労働省
「障害年金(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html)」日本年金機構

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