「大企業勤務・共働き」は本当に貯めているのか?

LIMO / 2020年11月20日 0時5分

写真

「大企業勤務・共働き」は本当に貯めているのか?

誰もが気になる貯蓄額。「大企業にお勤め」「夫婦で稼いでいる」、といったご家庭には、貯蓄がしやすそうなイメージを持たれるかたもいらっしゃるかもしれませんね。実際のところ、どうなのでしょうか。今回は、勤務先の企業規模や夫婦の働き方と、「貯蓄額」の関係についてみていきます。

2015年の総務省の国勢調査では、日本の全世帯のうち共働き世帯は64.4%と示されています。世帯主が大企業に勤めている家庭でも、妻が働いているケースは珍しくありません。総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)‐2019年(令和元年)平均結果‐(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)」からも、その状況が見受けられます。

表では、世帯主が勤務する企業規模別に、世帯全体の年間収入・貯蓄額・負債額・純貯蓄額をまとめています。

《企業規模別比較》

(/mwimgs/8/7/-/img_8703d6570532f8098611259afe7ef3a760662.jpg)

拡大する(/mwimgs/8/7/-/img_8703d6570532f8098611259afe7ef3a760662.jpg)

企業規模別の収入・貯蓄・負債(総務省統計局の資料をもとに編集部作成)

企業規模「300~499人」までは、企業規模が大きくなるにつれて、年間収入と妻の有業率とが高まっています。また、1000人以上の大企業においても、妻の有業率は54.6%という数字に。その一方、最も低いのは企業規模「10~29人」の49.7%でした。世帯主が大企業勤務であっても、過半数以上の世帯が共働きであるのが現状のようです。

なぜ「共働きなのに貯蓄が増えない」?

先ほどのデータの中でもう1つ注目すべきポイントは、「純貯蓄額」です。企業規模別にみて最も純貯蓄額が低いのは、企業規模「30~99人」の183万円でした。この層は妻の有業率がほかの層と比べて低いため、その影響を受けている可能性もあります。

しかし、次いで純貯蓄額が低いのは、企業規模「300~499人」の248万円でした。この層は、妻の有業率が最も高い層でもあります。配偶者の収入を含めた年間収入は744万円と、ほかの層と大きな差がないにもかかわらず、純貯蓄額だけが目立つ結果となりました。

これらの点を踏まえると、「共働きなのに貯蓄が増えない」という悩みを抱えている家庭の多さがうかがえます。次では、このような状況に陥っている場合に必要となる、家計の見直しについて触れていきます。

夫婦で見直す「家計の仕組み」

共働き世帯のなかには、それぞれが自身の収入を管理しているケースも少なくないでしょう。この場合、お互いの金銭的な状況が掴みにくくなってしまいます。その結果、「無駄遣いにブレーキをかけられない」「パートナーが貯蓄していると思い込んでいた」といった問題に発展する可能性も。お金の状況をうまく共有しながら、家計の仕組みを見直してみましょう。

目標額を設定するために

家計の見直しを行うときに、ぜひおすすめするのが「貯蓄目標額」の設定です。計画的に貯蓄に取り組めるよう、目標となる金額を設定しましょう。とはいえ、「どのくらいに設定すればいいのか分からない」という方もいるはず。そこで、全世帯(二人以上の世帯)平均の貯蓄残高の推移を見てみましょう。

2019年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は1,755万円で、前年比3万円(0.2%)の増加となっています。ここから勤労者世帯だけに絞ると、平均値は1,376万円で、前年比56万円(4.2%)の増加となりました。

また、二人以上の世帯について貯蓄保有世帯の中央値は1,033万円、勤労者世帯のうち貯蓄保有世帯の中央値は801万円という結果に。

なお、中央値はデータを順に並べた時に中央にくる数値です。

こうみると、勤労者世帯に限った数値の方がやや低いものの、「貯めている人はしっかりと貯めている」という現状がうかがえます。忙しくて金銭管理に手が回っていない場合こそ、夫婦で目標額を共有して貯蓄に対する意識を高めておきましょう。

さいごに

最近では、勤務先の企業規模にかかわらず、多くの世帯が共働きで収入を得ています。その一方で、収入はあるのに貯蓄額に反映していない家庭も少なくありません。これでは、せっかくの共働きという強みを十分に活かし切れていない状態です。

そんな状況を抜け出すためには、夫婦の協力がたいせつです。収入を増やすことだけでなく、お金を貯める仕組みにも目を向けてみましょう。お互いの状況を共有するだけでも、改善点の発見や節約意識の向上に繋がりますよ。

参考
「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果- (二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2019_yoyaku.pdf)」総務省
「平成27年国勢調査 結婚、共働きの状況は?(http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/pdf/life12.pdf)」総務省統計局
 

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【ご参考】年間収入とは

総務省統計局の「家計調査」における「年間収入」とは、世帯全体の過去1年間の収入(税込み収入)です。以下1~6の収入の合計金額となっています。
1. 勤め先収入(定期収入、賞与等)
2. 営業年間利益(原材料費、人件費、営業上の諸経費等を除く。)
3. 内職年間収入(材料費等を除く。)
4. 公的年金・恩給、農林漁業収入(農機具等の材料費、営業上の諸経費等を除く。)
5. その他の年間収入(預貯金利子、仕送り金、家賃収入等)
6. 現物消費の見積り額

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング