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「背伸び消費」が原因で離婚⁉年収1000万円でも「貧乏に陥る」落とし穴。

LIMO / 2020年11月17日 18時45分

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「背伸び消費」が原因で離婚⁉年収1000万円でも「貧乏に陥る」落とし穴。

年収1,000万円は、一種のステータスと考える人も少なくありません。国税庁発表の「平成30年分 民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/pdf/000.pdf)」によれば、年収1,000万円に達しているのは全体のわずか5%であるそうです。

1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与が441万円であることから見ても、その倍以上となる年収1,000万円がどれほど高給であるかが分かりますよね。

しかし、高給なイメージであるからゆえの落とし穴もあるようです。年収が1,000万円を越えていながら、ある理由で離婚を選択するに至った方に話を伺いました。

年収1,000万円だとどのような生活ができる?

まず、あなたがイメージする年収1000万円のライフスタイルはどのようなものでしょうか。都内の高級タワーマンションに住み、日々外食したり高価なお酒を飲んでいたりする生活を思い描く人もいるかもしれませんね。しかし年収1000万円といっても、そこまで贅沢な生活をするのは難しいというのが現実のようです。

その理由として、まずは税金や社会保障の負担が挙げられます。所得税は累進課税であるため、1人で1000万円の給与を得ていればそれだけ税金も高くなります。勤務体制や家族構成にもよりますが、所得税や住民税、保険料などを差し引いた手取りは約700万円です。また、子ども手当や高等学校等就学支援金制度といった制度など、年収が高いと対象外となってしまう制度も多々あります。

「家も建て売りですし、決して贅沢はできません。カツカツではないけれど、ギリギリかな」(50代女性)
「子どもが3人いるので食費や教育費もそれなりにかかるのに、児童手当は対象外、特例給付もなくなるらしいじゃないですか。年に1回旅行に行くくらいで、暮らしはごくごく普通ですよ」(40代女性)

住環境や家族構成もありますが、それほど贅沢をしているという声は聞かれません。いわゆる「贅沢な暮らし」を日々続ければあっという間に破綻してしまうであろうことは、たとえ年収1,000万円でも変わらないようですね。

「高給取り」なイメージから陥る「背伸び消費」

しかし、実際どのくらいの生活水準なのでしょう。総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 二人以上の世帯(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20190&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&result_back=1)」から1ヵ月あたりのエンゲル係数(消費支出のうち食料が占める割合)を比べてみると、平均年収に近い400~450万円世帯は27.1%、1,000~1,250万円世帯は22.1%です。一般的に、エンゲル係数が高いほど生活水準が低いとされるため、やはり年収が高いほど余裕のある様子がみてとれますね。

また、教養娯楽面でも差がある様子がうかがえます。宿泊料やパック旅行費を含む「教養娯楽サービス」では、年収400~450万円世帯が月平均14,839万円であるのに対し、1,000~1,250万円世帯は31,547万円と、毎月倍以上お金をかける余裕があるようです。

しかし、余裕があるからといって陥りやすいのが「背伸び消費」。高所得であるという意識から自然とよりよいものに手を伸ばしたり、プチ贅沢を積み重ねてしまったりするケースも少なくないようです。場合によっては、それで貯蓄がままならなくなることも……。

背伸び消費が原因で離婚したケースも

30代のAさん(女性)は20代の頃から会社を経営し、収入も1,000万円以上。20代で同い年の男性と結婚しました。Aさんは都内の花火が見えるタワーマンションに住み、独身時代は余裕のある生活を送っていたようです。

「とはいっても、こだわったのは自宅の場所くらい。服や持ち物にお金をかけたいタイプではないので、浪費はしていませんでした。若かったので、貯蓄はそこまでなかったですが」

しかし、それを変えることになったのが夫。低年収だった夫は結婚を機に会社をやめ、フリーのコンサルタントを名乗るように。夫の仕事には口を出さないAさんでしたが、夫は「人脈を広げるために交流会に行く」「よりよいスーツを」「話題のあの店に行っておかないと」などと、どんどんお金を使うようになっていったそう。ちょっとした日用品も高価なものを選ぶようになった夫は、気づけば1年で300万円以上を浪費。Aさんの貯金を切り崩し、さらに夫自身にはほぼ収入がない状態だったといいます。

「私も結婚に浮かれていた部分があったけれど、彼は仕事といってほとんど遊んでいただけ。私よりはるかに高いスーツを着て『君は年収1,000万円あるんだから、このくらいで怒らないで』といわれたとき、すっかり熱が冷めました……」

Aさんは夫と貯蓄や今後のことについて話し合ったものの、結局認識の溝は埋まらず、結婚して1年あまりで離婚となったそうです。

「子どものことも考えていたけれど、彼は貯蓄を切り崩すことにも抵抗がなく、この人と一緒では破産する将来しか見えませんでした。彼は離婚後にすぐ別の女性経営者と再婚したので、お金がないと生きていけない人だったんだと思います。早めに決断してよかったですよ」

年収ではなく支出とのバランスが重要

もちろん年収が高ければ、よいものを購入できたり、よい家に住んだりすることができるでしょう。しかし、大切なのは支出とのバランスです。たとえ配偶者が高給取りでも、調子に乗りすぎてしまうのは考えもの。世帯年収が上がってもその基本を忘れずにいなければ、あっという間に貯蓄はなくなり「高収入貧乏世帯」に陥ってしまいます。年収に関わらず、しっかり自分たちの収支バランスを認識し、計画的に日々を過ごしていきたいものですね。


【参照】
国税庁「平成30年分 民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/pdf/000.pdf)」
総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 二人以上の世帯(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20190&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&result_back=1)」7-1貯蓄・純貯蓄・負債現在高階級,年間収入階級別

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