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これってブラック企業だったんじゃ…?!「やばい企業」の内情と見極め方

LIMO / 2020年11月23日 18時45分

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これってブラック企業だったんじゃ…?!「やばい企業」の内情と見極め方

幼い頃から海外に強い憧れを抱いていた筆者は、某外国語大学への進学を希望していました。しかし、高校の進路希望調査中に家族の大病が発覚し、迷惑をかけたくない一心で就職の道を選びました。

今回は、高校卒業後すぐに就職した某ホテルの「ありえない対応」を振り返りつつ、ブラック企業について考察します。

18歳で就職した地元の有名ホテル。実は…

高校卒業後すぐに就職する道を選んだ筆者を拾ってくれたのは、地元でも1,2を争う格式高いホテルでした。華々しい社会人生活がスタートすると思った矢先、内定した就職先から告げられる数々の指示に不満が募っていきます…。

家族や知人からは「あんな立派なホテルで働くの?」「やったね〜!」などとおだてられていましたが、実際に働き始めてみると苦しいどころの話ではありませんでした。社会経験が全くなかった当時は「こんなもの」と我慢していましたが、いま思い出してみるとかなりのブラック企業だったのです。

勤務がスタートしてすぐ体調に異変が…

当時の筆者は仕事に行くことが辛く苦しく、理不尽な勤務体系や上司に囲まれて息もできないほどでした。その証拠に、就職してからは、食事がほとんど喉を通らず体はむくんでパンパンになり、顔には見るに堪えない吹き出物や湿疹が発症していました。

写真も撮りたくないほど外見がボロボロだったため、ホテルに勤務していた数カ月間の写真は1枚もありません。若干18歳の小娘が…と思われた方もいらっしゃると思いますが、これから就職の道を進む若者のためにも、そのときの筆者の体験をお伝えしたいと思います。

遅番の翌日に早朝勤務?!

筆者が配属されたのは、ホテル事業の中の「食堂課」でした。ホテルといえば、宿泊者のために朝からモーニングサービスを提供しているだけではなく、昼は昼食や喫茶の場所を、夜になると夕食の準備に追われ、夕食の後はバーラウンジでの業務もあります。

シフトの組み方に不信感

筆者が不信を抱いたのは、ホテル側のシフトの組み方です。バーラウンジでの勤務を終えるのが22時を過ぎるというのに、翌日のシフトは5時半出勤の朝食担当なのです。いくら新人だからといっても、遅番の翌日に早朝勤務というのは問題なのではないでしょうか。

1度や2度ならまだしも、中堅の先輩や同僚も同じようなサイクルで勤務しているのですから驚きました(もちろん中堅以上の上司はゆったりとした勤務体制が基本です)。遅番の翌朝に早朝勤務がある日は、帰ってお風呂に入ったり食事をしたりする時間を確保すると、睡眠時間は3〜4時間程度。日に日にストレスが抜けにくくなり、肌荒れや落ち込みやすくなるなど心身ともに支障をきたすようになっていったのはいうまでもありません。

補足:2020年の時点では、「働き方改革関連法」に基づき、「労働時間等設定改善法」が改正されたことにより、勤務終了後一定時間以上の「休息時間」を設ける【勤務間インターバル制度】(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/interval/index.html)が2019年4月に施行されています(※ただし、導入は義務ではなく、「努力義務」の位置づけです。履行しなかったとしても企業に罰則はありません)。

若手社員はほぼ例外なく寮生活!

このような過酷な勤務体制でも問題なく勤務できている若手社員のほとんどは、ホテルに隣接している寮で生活をしているからでした。筆者はそのような勤務体制があることを面接時に知らされておらず、寮生活が必須だとも聞かされていませんでした。

しかし、いざ入社手続きが終わると「寮に入りなさい」「勤務体制を守りなさい」などの要求が多く不満を感じていました。

カビ臭い4畳ほどの部屋

上司に連れられて足を運んだ寮では、4畳ほどの薄暗くてカビ臭い部屋に案内され、「就職して自立する」という夢を見ていた筆者は、その部屋を見た瞬間に現実に引き戻されたような、夢を壊されたような絶望感で動けなくなっていました。

結局、寮の雰囲気がどうしても受け入れられず、ホテルから20分ほど離れた場所で1人暮らしをすることに…。上司からは「寮に入らなかった無法者」として目をつけられ、肩身の狭い思いをしたものです。

「シフトに穴をあけられないプレッシャー」がすごい

また、当時の食堂課にいる人数はギリギリだったのでしょう。「1人で受け持ちの勤務日」が多かったり、自分が抜けると物理的に回らないような人数でシフトを組まれたりするのが日常茶飯事でした。

休むことが許されない雰囲気

新人ながら責任感を持って仕事に向かっていましたが、筆者も人間です。どうしても体調が優れないときもあります。しかし、社員全員が「休むことは許されない」という雰囲気だったため、体調不良をごまかしつつ働き続けること以外の選択肢は見出せませんでした。

その結果、ストレスで心身がボロボロになり、試用期間中の3カ月で退職することに…。退職後しばらくは体調が優れませんでしたが、ゆっくりと休息を取り自然に触れ合うことで徐々に元気が戻り、また新たな道へ進むことができました。

今でこそわかる「ブラック企業」ぶり!

当時は「社会ってこういうところ」と感じていましたが、ある程度の社会経験を積むと、某ホテルがブラック企業だったと感じざるを得ません。特に社会経験が乏しい若者にとって、企業側の詳細を知ることは自分がその企業で働けるかどうかの貴重な判断材料になるでしょう。

「面接時に必要事項を伝えない」「社員に休暇を与えないように圧力をかける」などは許されざる対応だったと感じますが、現在も似たような問題によってストレスを抱え込んでいる人もいると思います。

生きていくためには働かなくてはならない。でも…

その労働は精神や肉体を削ってまで続けていかなければいけないものでしょうか?「仕事が辛い」「人生がどうでもよくなるほど仕事が嫌だ」と感じる場合は、少しだけ冷静になって考えてみる時間を設けましょう。筆者は試用期間中でホテルを迷わず退職しましたが、そのおかげで「海外留学」という新たな夢を見つけ、夢を叶えることに成功しています。

仕事は人生の大部分を占める大切な要素です。できれば我慢してばかりではなく、やる気ややりがいを持って仕事と向き合いたいですよね。

参考

「勤務間インターバル制度」厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/interval/index.html)

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