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お金がかかるアラフィフ世代。貯金額と老後の年金受給額はどのくらい?

LIMO / 2020年12月19日 20時0分

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お金がかかるアラフィフ世代。貯金額と老後の年金受給額はどのくらい?

アラフィフといえば、子どもの大学進学の費用や住宅ローンの返済などに追われ、お金がかかる世代。30代の頃よりも収入額は増えてきてはいるものの、出ていくお金が多く、なかなか貯金ができずに焦っている方も多いのではないでしょうか。

総務省が2020年5月に発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年(令和元年)平均結果(2人以上の世帯)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20190&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&result_back=1&tclass4val=0)」では40代、50代それぞれの貯蓄額が発表されています。今回は、これらのデータからアラフィフと呼ばれる世代の貯蓄額、さらには気になる老後の年金受給額について、老後資金が現状で足りるのかどうかについて検証していきたいと思います。

アラフィフ世代の貯金額はどのくらいか?

同調査によると、世帯主が40~49歳の勤労世帯の貯蓄額は「1,057万円」、一方で世帯主が50~59歳の勤労世帯の貯蓄額は「1,728万円」であることが分かっています。お金がかかる世代といっても、皆さんしっかり貯金されているようですが、果たして本当にそうなのでしょうか。貯蓄額を見るうえで忘れてはいけないのは「負債額」です。各世代、どのくらいの負債額があるのでしょうか。

まず、40~49歳の負債額は「1,120万円」、一方50~59歳の負債額は「661万円」です。貯蓄額から負債額を引いた純貯蓄額をみてみると、40代では「-63万円」、50代では「1,067万円」となり、40代では驚きのマイナス額となってしまっています。しかし、50代では一気にプラス1,000万越に到達しており、教育費や住宅ローンなどでの負債がまだまだ残る40代に対し、住宅ローンの目処がついたり子どもが自立したりする50代に入ると、貯蓄をしやすくなってくるのだということが分かります。

アラフィフといっても、貯蓄可能になるタイミングは一律ではありません。子どもの自立のタイミング、住宅ローンの早期返済のタイミングなど、大きなお金がかからなくなったときにしっかりと貯蓄を始めることが大切だということですね。

年金の仕組みをおさらいしよう 

さて、アラフィフ世代となると老後まで残り15年ほど。退職後にもらえる年金のことが少し気になり始めている世代ではないでしょうか。

まず、日本における年金の仕組みについておさらいしましょう。日本の公的年金は2段構造の仕組みをとっています。1段目はまず国民全員が加入している「国民年金」、そして2段目は会社員や公務員など職業に応じて上乗せされる「厚生年金」です。

この2つが公的年金と呼ばれるものですが、さらに年金が上乗せされる3段目の「企業年金」を取り入れているところもあります。企業年金とは私的年金の1つであり、一部企業で導入されている制度です。企業年金は確定給付企業年金・企業型確定拠出年金・厚生年金基金の3種類の年金制度に分かれ、会社がどの年金制度を導入しているかによって変わってきます。

年金受給額はいくら? 

さて先述した年金制度の中で、自身が受給できる年金制度はどこにあたり、大体いくらくらい受給できるのでしょうか。

年金加入者は被保険者と呼ばれ、現在保険料を納めている人は「第1号」「第2号」「第3号」のいずれかに分類されています。まず「第1号被保険者」に分類されている人は、主に学生・無職・自営業者などの人であり国民年金のみ加入しています。保険料は決められた一定額を毎月支払うこととなっており、20歳から60歳までの40年間全ての保険料を納付していると、65歳から毎月満額の65,141円(令和二年度の場合:日本年金機構「令和2年4月分からの年金額等について(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/20200401.html)」)を受給することができます。しかし、大学生などで納付猶予制度を利用しそのまま支払っていなかったなど支払わない時期がある場合、満額を貰うことはできません。

厚生労働省の行った調査「厚生年金保険・国民年金事業統計 平成30年度(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450463&tstat=000001064713&cycle=8&tclass1=000001138828&tclass2val=0) 」によると、国民年金の平均受給月額は、約5万6,000円となっています。

同じくこの国民年金を受給することができるのが「第3号被保険者」です。これに分類されているのは、第2号被保険者に扶養されている配偶者にあたります。国民年金には加入していることになりますが、保険料の支払い義務はありません。

最後に「第2号披保険者」ですが、これは会社員・公務員など国民年金+厚生年金に加入している人のことをいいます。第2号被保険者の年金受給額は、保険料の納付月数と収入によって変わってきますが、先述した厚生労働省の調査によると、平成30年度末の厚生年金(国民年金分含む)の平均受給月額は、約14万4,000円であることが分かっています。

貯蓄額と年金で老後は安泰?

その世帯が共働きか否か、会社勤めか否かで大きく変わってくる年金事情。例えば夫が自営業、妻が専業主婦の家庭の場合であれば、年金受給額は満額で月額約13万円だということがわかります。月額13万円で暮らしていくとなるとなかなか難しいですよね。そうなると、貯蓄を切り崩しながら生活費に充てるほかありません。

会社員であれば、厚生年金や場合によっては企業年金などを貰うことができるので、安泰かと思われるかもしれません。しかし、公益財団法人生命保険文化センター実施「令和元年度 生活保障に関する調査(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/r1hosho/2019honshi_all.pdf)」によると、夫婦2人がゆとりある老後生活を送るためには月36.1万円必要だという結果も出ています。自身が貰えるおおよその年金額を把握したうえで、このゆとりある老後に必要な資金をまかなえるように、あとどれくらいの貯蓄が必要なのかしっかりと計算していく必要があります。

アラフィフ世代は、お金のかかる世代ではありますが、老後はもうすぐそこまで見えています。本格的な貯蓄ができる最後の15年といってもいいでしょう。未来を見据え、必要な金額を算出し、老後貯蓄に目を向けていきましょう。

【ご参考】
貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯 金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)へ の預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに 株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点 の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社 内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参照】
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年(令和元年)平均結果(2人以上の世帯)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20190&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&result_back=1&tclass4val=0)」8-5世帯主の年齢階級別
日本年金機構「令和2年4月分からの年金額等について(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/20200401.html)」
厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業統計 平成30年度(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450463&tstat=000001064713&cycle=8&tclass1=000001138828&tclass2val=0)」
統括表10(厚生年金)厚生年金保険(第1号)年齢別老齢年金受給権者平均年金月額
統括表13(国民年金)年齢別老齢年金平均年金月額
公益財団法人生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/r1hosho/2019honshi_all.pdf)」

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