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2021年、景気は「コロナ慣れ」で順調に回復へ。それまで旅行・飲食業への資金繰り支援を!

LIMO / 2020年12月28日 20時0分

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2021年、景気は「コロナ慣れ」で順調に回復へ。それまで旅行・飲食業への資金繰り支援を!

来年の景気は、人々の「コロナ慣れ」で順調に回復してゆくだろう、と筆者(塚崎公義)は考えています。

未知の脅威に身を縮めた今年の経済

今年の世界経済は、新型コロナの影響で深刻な打撃を受けました。欧米諸国では感染者数も死者数も非常に大きく、都市封鎖等も行われましたので、経済への大打撃は仕方のないことだったのでしょう。

日本では、欧米諸国に比べて感染者数も死者数も数十分の1であったにもかかわらず、経済への打撃は同程度に深刻なものとなりました。その理由を筆者なりに推測してみると、日本人の悲観的で慎重な性格が影響しているように思われます。

新型コロナを恐れて自粛をするなど慎重に行動した結果として、感染拡大は防ぐことができたけれども経済の落ち込みは防げなかった、ということですね。

マスコミや評論家たちが悲観的な話をして人々の不安を煽ったことも影響しているのでしょう。マスコミや評論家たちは、「大丈夫です」というより「心配です」という方が客が興味を示すため、そうした話をしがちです。

今回は、未知の感染症に関して人々の知識がないところに悲観的な話をされたため、必要以上に人々が不安になって行動を自粛した、ということなのでしょう。本来であれば、人々が「マスコミや評論家の話は悲観的なバイアスがかかっているから、話半分に聞こう」と考えれば良いのでしょうが、それは「言うは易く、行なうは難し」なのですね。

余談です。筆者は経済評論家の末席を汚す身ですが、いたずらに人々の不安を煽ることを潔しと考えていないため、本稿のように楽観的な原稿を書いています。拙稿が今ひとつ読者の関心を惹かない一因はそこにあるのかもしれませんが、仕方ありませんね(笑)。

既知の脅威へと変容中

時間の経過とともに、未知の感染症が次第に既知の感染症となりつつあります。治療に関しては様々な知見が蓄積されつつあるようで、致死率は各国とも大幅に低下しています。

予防についても、ワクチンが次々と開発されています。実用化された時に効果と副作用がどれくらいなのか、不安もありますが、効果が大きく副作用が小さいと期待しましょう。

一般人についても、全く未知の感染症というよりは、「手洗い、マスク、三密回避等々を心がければ、簡単には感染しないし、感染しても高齢者でなければ比較的症状は軽い」ということが知られてきました。

そうなると、これまで未知の恐怖に怯えて自粛していた人々が、少しずつ以前の活動を取り戻して行くと期待されます。

消費者は金を持っている

政府も、従来よりも感染者等が多いにもかかわらず、Go To トラベルキャンペーンを(一時的な中断はあるものの)続ける意向と伝えられています。これも人々の消費には大いにプラスでしょう。

政府の補助金の直接的な効果もあるでしょうが、何と言っても重要なのは、政府が旅行等に「お墨付き」を与えている、ということです。政府が補助金まで出して旅行に誘っているわけですから、「新型コロナを過度に怖がることはない」「自粛警察も静かになるはずだ」という安心感が得られるはずです。

消費者は金がないから消費をしない、というわけではありません。リーマン・ショック等々の不況時には、人々が所得が減って金がないから消費を我慢するのが普通ですが、今回は多くの消費者が金はあるのに新型コロナや自粛警察を怖がって消費を手控えているわけです。そこに政府のお墨付きが得られれば、きっと消費は徐々に戻ってくるはずです。

旅行等の需要が完全に元に戻ることは考えにくいでしょうが、一方で代替的な消費は増えるかもしれません。「金はあるし自粛疲れも溜まってきたので、高級食材で家飲みをしよう」、といった消費にも期待が持てるでしょう。

インバウンドはないがアウトバウンドもない

海外の感染状況が日本より遥かに深刻であることを考えると、外国人観光客については当分の間は望めないでしょう。ワクチンが効果を発揮するとしても、外国人観光客が戻るまでには相当長い時間がかかるはずです。

一時期「インバウンド」が話題になり、景気の起爆剤として大いに有望視されていたことを考えると、心配ではありますが、これについても過度の懸念は不要でしょう。

外国人観光客が日本に来ない一方で、日本人観光客が海外旅行に行かないわけですから、彼らは予算が余っているのみならず、楽しみを我慢した分だけ代わりの楽しみを欲しているはずです。彼らが国内で旅行に行ったり高級食材の家飲みを楽しんだり、消費を盛り上げてくれると期待しましょう。

需要回復まで旅館等を延命する必要

上記のように、国内旅行等(飲食店での飲食等を含む)は次第に回復してくると期待されますが、問題はそれまでの間に旅館等(飲食店等を含む)が倒産してしまう可能性があることです。

需要が戻った時に旅館等が倒産してしまっていたら、とても悲しいですし、そもそも倒産は旅館の取り壊し、調度品の二束三文での叩き売り、ノウハウや信用や顧客リストなどの雲散霧消といった悲劇をもたらし、日本経済にとって大きな損失となるものです。

したがって、政府は最優先で旅館等の資金繰り支援を行ない、倒産を防ぐべきでしょう。大型の景気対策も国民全員への10万円の再給付も良いですが、一番困っている人に支援が届くことが何より重要です。そのあたりに関しては、拙稿『政府は「納税期限の無条件猶予」で中小企業の資金繰り支援を(https://limo.media/articles/-/17201)』をご参照いただければ幸いです。

ウイルスの強毒化等のリスクには要注意

以上、楽観論を述べてきましたが、もちろん様々なリスクはあります。その最大のものはウイルスが突然変異して、感染力が強まったり強毒化して致死率が高まったりすることでしょう。そうなれば、経済は再び奈落の底に落ちるかもしれません。

まあ、そんなことを考えて怯えていても仕方ありませんので、本稿は「そうしたことがないように、来年が良い年であるように」と念じながら締めくくることとしましょう。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

<<筆者のこれまでの記事はこちらから(http://www.toushin-1.jp/search/author/%E5%A1%9A%E5%B4%8E%20%E5%85%AC%E7%BE%A9)>>

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