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「あと1000万円貯めたい」老後が不安な50代夫婦がやめたこと

LIMO / 2021年1月24日 10時30分

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「あと1000万円貯めたい」老後が不安な50代夫婦がやめたこと

住宅ローンや教育費の出費がいったん落ち着くといわれる50代。多くの人が定年を迎える60代が目前ということもあり、『老後資金』が目下の最大の関心事という人も多いでしょう。

東京都内に住む50代のAさんも、そんなひとり。子どもたちはすでに就職して家を離れ、現在はひとつ年上の夫との二人暮らしをしているといいます。

「そんなに贅沢な生活をしてきたわけではないんですが、老後資金が心もとないんです。原因は、子どもたちの教育費。たまたま住んでいた地域に教育熱心な人が多く、周囲の雰囲気にのまれるかのように、私立の小学校や中学校を受験させたり、塾通いや習い事といったことをさせてきました。それでも住宅ローンはなんとか完済できましたが、老後資金にまでは手が回らず…。」

そこでAさんは夫婦で話し合い、「定年までに頑張って、ある程度の老後資金を貯めよう」と決めたそうです。

世帯主が50代の家庭の平均の預貯金と負債額はどのぐらい?

さて、ここでいったん、世帯主が50代の家庭の平均の預貯金と負債がどのぐらいなのかという点を確認しておきましょう。

2020年に総務省が公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20190&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&result_back=1)」をみると、年代ごとにみた預貯金の状況は以下の通りとなっています。

20代(~29歳)の預貯金の平均額・・・234万円/負債の平均額・・・877万円
30代(30~39歳)の預貯金の平均額・・・513万円/負債の平均額・・1395万円
40代(40~49歳)の預貯金の平均額・・・681万円/負債の平均額・・・1124万円
50代(50~59歳)の預貯金の平均額・・・1016万円/負債の平均額・・・652万円
60代(60~69歳)の預貯金の平均額・・・1464万円/負債の平均額・・・250万円
70代以上の預貯金の平均額・・・1542万円/負債の平均額・・・70万円

あくまで平均ではありますが、50代で預貯金の平均額が1000万円を超えます。また、預貯金額が負債の金額を超えて、プラスに転じるのもこの年代。多くの家庭において、住宅ローンや教育費といった大きな支出が一段落し、貯めやすくなるということなのでしょう。

見方を変えれば、老後資金に不安がある人は、ここで挽回するチャンスがあるということになります。

老後までに『あと1000万円』を最終目標に。さて、何をすることにした?

では、話を元に戻しましょう。老後資金を貯めようと決めたAさん夫婦。具体的には、『定年前に、あと1000万円預貯金を増やす』を最終目標とすることにしました。

ただ、いきなり『1000万円』という数字をかかげてしまうと、それはそれでハードルが高すぎます。そこで、まずは、年間の目標金額を『最低100万円』とし、それを毎年達成することで、10年弱という長い期間をかけて1000万円を貯めていく、というふうに考えを切り替えることにしたのです。基本として選んだ方法は「先取り貯金」でした。

「やはり、使ってしまう前に分けてしまうのがいいかなと思いました。子どもの教育資金を貯めるのに、学資保険を利用していたので、先取り貯金という方法自体に抵抗がなかったというのもあります。ただ、先取りする金額の設定には気をつけました。

年間100万円というと、単純に月割りすると8万円強になります。でも、だからといっていきなり8万円、9万円といった金額で始めてしまうと、生活費が足りなくなることも十分に考えられます。だから、家計簿をきちんと見直して、最初は無理のない6万円からはじめてみることにしました。もちろん、これだけでは100万円にはなりませんから、たりないぶんはボーナスからの先取り、という計画です。」と話すAさん。

先取り貯金は有効ですが、無計画な金額設定はしないというところがコツのようです。

支出を削るために『やめたこと』とは?

また、Aさんは、家計を見直したついでに、無駄な支出についても削ることにしたそうです。というのも、支出が減れば、浮いた分を先取り貯金の金額にプラスすることができるからです。

では、Aさん夫婦が、支出を削るために『やめたこと』とは、何だったのでしょうか?

身の丈に合わないサービス

Aさん宅では、月数千円で、自宅にウォーターサーバーを置いていたそうなのですが、これを解約したといいます。

「子どもが家にいる頃は、きれいなお水をいつでも飲ませてあげられるということで重宝していたのですが、今は夫婦2人。タンクひとつ分を消費するのに、結構な日数がかかるんです。タンクは重く、交換も大変ですし、それなら扱いやすいペットボトルのミネラルウォーターをストックしておくほうが経済的だと思いました。」というAさん。

他にも、知人の勧めで利用していた食材の宅配サービスや、DVDの宅配レンタルなど、使いこなせていないサービスは思い切ってやめたそう。

外食、デリバリー

また、Aさんは外食やデリバリーを控えるようにしたといいます。

「以前は作るのが面倒だと思うと、外食やデリバリーサービスに頼りがちでした。でも、そういうのは、やはり高い。だから、ここぞという時だけ利用することにして、どうしても作りたくないという時は、温めるだけのお惣菜や冷凍食品を利用するようにしたんです。これなら、外食やデリバリーより安価に済ませられます。」

通えないジムや習い事

身体を動かすことが好きなAさんのご主人。運動不足解消もかねて、ジム通いをしていましたが、Aさん夫婦は、こちらも見直したといいます。

「1回あたりの利用料が安くなるということで、通い放題のコースを契約していたようなのですが、よくよく考えると、月に最低4回は利用するという前提でのコースにもかかわらず、最近は仕事が忙しくて月に1~2回しか利用できていない時が多かったんです。それなら、1回あたりの通常料金を払ったほうが安いということで、これをいったん解約し、通った分だけ払うコースに切り替えてもらいました。行かなければ料金も発生しないので、むしろ気分的に楽になったようです。」

おわりに

お金を貯めるというと、どうしても「何かを我慢して、貯める金額を増やす」というところに目が行きがちです。しかし、お金を貯める時に無理は禁物。我慢が続けば、リバウンド出費や爆買いなど、どこかに反動がきやすくなります。そんなことになってしまうと、さらに老後への不安が増してしまいますよね。

それよりも、Aさん夫婦のように、自分の日常を見直し、まずは「なくてもいいものをやめる」ことで、無理なく支出を減らしていくことがよいのかもしれません。

参考

総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20190&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&result_back=1)」表8-5(世帯主の年齢階級別)より

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