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投資が「ギャンブル」になっている人がつい見落とす5つの鉄則

LIMO / 2021年2月10日 18時35分

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投資が「ギャンブル」になっている人がつい見落とす5つの鉄則

誰でもできる、お金の「超」基本テクニック

 しばらく前に話題になった「老後資金2000万円不足問題」に加えてコロナ渦による将来への不安もあって、投資に関心を持つ方が増えているようです。投資は、正しく付き合えば、お金を増やしてくれる頼もしい味方になります。ただ、ギャンブルのような方法で投資をしてしまうと、一気にお金を減らしてしまう危険があるのも事実です。

 私はマネーコンサルタントとして、月に300万PV以上を集める女性向けマネーサイト『Mocha(モカ)』を運営しながら、5000人以上の資産運用に関わってきました。仕事柄、さまざまなケースを見ている中で、「投資を始める前に、最低限、知っておくべき『鉄則』があるのに……」と感じることも多々あります。

 この記事では、「何か始めないと。でも、何から始めたらいいかわからない……」と思っている投資初心者の方に向けて、拙著『1日5分で、お金持ち』をもとに、「お金を減らさずに増やす」資産運用の成功に重要な5つの鉄則「長期」「積立」「分散」「低コスト」「非課税」について解説します。

「長期積立分散投資」×「低コスト」×「非課税」が成功の秘訣

 みなさん、なぜ投資・資産運用をするのでしょうか。もちろん、「お金を増やしたいから」のはずです。「減らしたいから」投資をするという人はいないでしょう。しかし、気づかぬうちにギャンブルのようなやり方をしてしまう人もいるのです。皆さんの周りにも、次のような人はいないでしょうか。

・短期的な値上がりに大喜びして、過度にリスクを取りすぎる
・負けを取り戻すのに必死になり、結果的に大金を投じてしまう

 多くの人が目指すべき投資は、こうしたギャンブルではありません。お金が減る可能性を少なくして、堅実に増やしていく手法があります。それは、「長期」「積立」「分散」「低コスト」「非課税」の5つの鉄則を踏まえた投資を行うことです。

鉄則1「長期」

 長期とは、長い時間をかけて投資を行うことです。短期間の投資はどうしてもリスク(利益や損失のブレ幅)が大きくなる傾向があります。しかし、数十年という長い期間で投資すれば、リスクを減らし、世界経済の成長とともに利益を得ることが期待できます。

鉄則2「積立」

 積立は、毎月コツコツ、一定金額ずつ投資することです。たとえ1回ずつのお金は少額でも、毎月続けていくことでやがてまとまったお金になります。また、株価や為替相場の変化に左右されずに運用を続けられる点もメリット。投資は、相場に一喜一憂せず、淡々と続けることが成功の秘訣なのです。

鉄則3「分散」

 分散は、投資先を値動きの違うさまざまな金融商品に分けることです。こうすることで、そのどれかが損失を出しても、他のどれかが損失をカバーしたり、利益を出したりして、トータルでお金を増やすことを目指せます。また、投資でお金を増やそうと考えると、つい、いくら儲かるかに目が行きがちですが、忘れてはいけないのが税金や手数料です。

鉄則4「低コスト」

 投資でお金を増やそうと考えると、つい、いくら儲かるかに目が行きがちですが、忘れてはいけないのが手数料です。とくに「低コスト」で投資できるかどうかは、お金を増やすうえでは重要です。将来のリターンは選べませんが、手数料は下げる手立てがあります。

鉄則5「非課税」

 手数料と並んで、初心者が投資を始める前につい忘れてしまいがちなのが「税金」です。でも、税金にも下げるための方法があります。このあとは、税金を抑えるためにフル活用したい「非課税」と、ポイント4の「低コスト」について、さらに掘り下げて解説していきます。

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特に「低コスト」「非課税」を追求するために押さえたい知識

 税金や手数料は単純に利益を引き下げる要因になるので、できるだけ少なくてすむ方法、安く抑える方法を考えて投資をするべきです。「長期積立分散投資」×「低コスト」×「非課税」を行うにあたって、最低限、押さえておきたい知識が3つあります。

(1)投資資産・商品の「リスクとリターン」

「投資にはリスクがあります」と聞くとなんだか危なそうですが、投資の世界のリスクとは、「危険性」という意味ではありません。投資の世界のリスクとは、「リターン(損益)のブレ幅」のことをいいます。リスクとリターンには、トレードオフの関係(比例の関係)があります。リスクが大きいほど、儲かる可能性も、逆に損をする可能性も大きくなります。

 リスクが大きいことを「ハイリスク・ハイリターン」、逆に小さいことを「ローリスク・ローリターン」といいます。なお、もし「ローリスク・ハイリターン」という商品をすすめられたら、それは詐欺的な商品の可能性が高いですから、買うべきではありません。リスクは、金融商品によって異なります。

 たとえば、預貯金であれば、元本保証(銀行1行につき1000万円まで)がある一方でほとんど増えないのですから、リスクはとても低いといえるでしょう。一方、株式やFX(外国為替証拠金取引)のような投資では、極端にいえば、元手が2倍、3倍になる可能性がある一方で、投資したお金が戻ってこなくなるほどの損失を抱えてしまう可能性もあるのです。また、投資信託では、どんな商品を組み入れているかによってリスクやリターンが異なります。

(2)投資には「手数料」がかかる

 投資では、商品を買うとき・商品を保有しているとき・商品を売るときに所定の手数料がかかります。どんなときに手数料がかかるのか、いくらかかるのかは、「商品の種類」や「投資を行う金融機関」によって異なります。

 ただ、共通しているのは、「基本的には手数料の分だけ損になる」ということです。ですから、手数料は安いに越したことはありません。主な金融資産の手数料は、種類により異なりますので、確認しましょう。

・株式の売買手数料
 株式の売買手数料は文字どおり、株式を売り買いしたときにかかる手数料です。多くの金融機関では、ひとつの注文が成立(約定)するごとに手数料がかかるプランと、1日の約定代金(売買成立のときに支払った代金)の合計額で手数料が決まるプランの2つを用意しています。

・投資信託の購入時手数料
 投資信託の購入時手数料も、買うときにかかる手数料です。「購入金額の○%」という具合で割合になっているので、一度にたくさん買うほど高くなります。とはいえ、最近は販売手数料のかからない投資信託(ノーロード)も増えてきています。

・投資信託の信託報酬
 投資信託を持っている間ずっとかかる手数料です。投資信託は、長期間にわたって保有することが多いので、信託報酬の少しの差が大きな利益の差を生む場合があります。

・投資信託の信託財産留保額
 投資信託を売るときにかかる手数料です。投資信託の運用を安定させるための手数料なので、長期保有する前提であれば、あったほうがいい、ともいえます。

・生命保険の販売手数料
 生命保険に支払う保険料には、将来の保険金支払いに充てられる「純保険料」と、保険会社の経費となる「付加保険料」があります。純保険料はどの保険会社も同じですが、付加保険料は保険会社が自由に決められます。この付加保険料の中に含まれるのが販売手数料です。その割合は商品によりまちまちで、公表されていないケースも多いのですが、おおむね円建て2〜3%、外貨建て6〜8%。他の投資に比べて高くなっています。

・為替手数料
 為替手数料は、他の通貨への両替にかかる手数料です。たとえば円をドルに交換するときいくら、ドルを円に交換するときにいくら、という具合にかかります。通貨の価値は日々変動しています。その変動によって、利益が変わってくることもあります。

(3) 投資の利益には「税金」がかかる

 投資で得られた利益には、所定の税金がかかります。多くの投資では20・315%の税金がかかります。「源泉分離課税」といって、他の所得とは関係なく税金がかかることになります。

「総合課税」といって、他の所得と合わせて課税される投資もあります。この場合、合計の所得によって税率が変わります。仮に、大儲けした場合は最大で所得税45%、住民税10%、あわせて55%も課税されることに。半分以上も引かれてしまいます。

 投資をするにあたっては、リスクとリターンをきちんと理解しておくことが大切。また、手数料と税金はどちらもコストですから、少しでも減らす方法を利用したほうが有利になります。手数料が安い金融機関で取引を行う、手数料が安い投資商品で運用する、運用益が非課税になる「NISA」や「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」を活用するといった行動を取るのが賢い投資家といえます。

 ここでお話ししたことは、いずれも基本的なことばかりですが、これらをきちんと踏まえた投資を行うことで、投資は「ギャンブル」ではなくなるのです。

 

■ 頼藤太希(よりふじ・たいき)
株式会社Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
日本証券アナリスト協会検定会員、ファイナンシャルプランナー(AFP)、日本アクチュアリー会研究会員、中央大学客員講師。外資系生命保険会社に勤めた後に、2015年に(株)Money&Youを創業。女性向けWebメディア『FP Cafe』や月300万PV、250万UUの『Mocha(モカ)』を運営すると同時に、マネーコンサルタントとして、資産運用・税金・Fintech・キャッシュレスなどに関する執筆・監修、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。『1日5分で、お金持ち』(クロスメディア・パブリッシング)など著書多数。

 

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頼藤氏の著書:
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