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アラフィフでも会社に頼らず生きていける「資格」の選び方

LIMO / 2021年2月12日 18時35分

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アラフィフでも会社に頼らず生きていける「資格」の選び方

中年ビジネスパーソンの人生挽回戦略

「退職金の減少」「AI導入による人員削減」「黒字リストラ」……。それに加えて、新型コロナウイルス流行の影響で、多くの産業が影響を受けています。「このままいまの会社で勤め上げよう」と考えていた未来に暗雲が立ち込めて、身の振り方に悩んでいるという中年ビジネスパーソンも多くいらっしゃるかもしれません。

 そうした悩める中年ビジネスパーソンにとっても一考の余地があるのは、資格を取って一発逆転を狙う方法です。もちろんその際には「どんな資格を選ぶか」もとても重要です。私自身も窓際族同然だったサラリーマンから50歳で社会保険労務士になり、サラリーマン時代と比べると年収を200万円アップさせることができました。

 この記事では、拙著『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』をもとに、中年からでも取得できる可能性があり、かつ稼いでいける資格の選び方について解説します。

資格を取るなら「地味な資格」がねらい目

 大手企業の役職者や、ほかの人では代えが利かないような専門スキルを持っているといった人を除けば、多くのビジネスパーソンが将来に対して不安を抱えていると思います。今後、出世する見込みも薄く、いつまで会社に必要としてもらえるかわからない。かといって転職できるキャリアやスキルも乏しい。いつ「早期退職候補」に挙げられるか、不安に怯える中年ビジネスパーソンは多いでしょう。

 そこで、打開策としてみなさんにおすすめしたいのが、「資格で稼いでいく」ことです。中でもおすすめなのは、「法人に必要とされる」資格。こういった資格を私は「地味な資格」と呼んでいます。何も資格を貶(おとし)めたいわけではありません。主に法人が対象となるため、「稼いでいるわりには業務内容などの認知度が低い」ということです。この手の資格には、次のようなメリットがあります。

・働きながらでも取得できる
・法人相手で安定する
・食っていける

 もちろん、人生を挽回するための資格ですから、相当量の勉強は必要です。しかし、弁護士や税理士といった個人を対象にする超難関資格と比べると、難易度は下がります。私もサラリーマンとして働きながら、夜や休日を利用して勉強を進めて合格できました。法人と顧問契約を結べたり、顧客を紹介してもらえたりすることも多く、安定した収入を築けることも、「地味な資格」の特徴です。

 しかし、「法人相手」ならどんな資格でもいいわけではありません。おすすめしたい資格は大きく分けると2種類です。

おすすめ資格タイプ1 人生を挽回できる「独立開業できる資格」

 まず、「独立開業できる資格」です。これは、社会保険労務士、行政書士、土地家屋調査士といった「士業」として独立できる資格です。

 最近は「ネットで手軽に情報を得られる時代」になりましたが、情報を理解できるかどうかはまた別の問題です。実際、新型コロナウイルスにおける雇用対策の助成金も、行政のウェブサイトを見ただけでは理解できないと悩む経営者が多くいました。「情報の海から有益な情報を選び、わかりやすく伝えてくれる」という役割においては、今後も士業が担える部分は十分にあるでしょう。

 また、これらの資格は、勉強にかける時間に対して得られる給料の多い「コスパの良い資格」でもあります。

 たとえば、合格に必要な勉強時間は、司法書士試験で3000時間、社会保険労務士試験で1000時間と、大きく異なります。対して収入の面では、厚生労働省発行「職業安定業務統計」(令和2年度)によれば、5年目の司法書士の平均時給は1936円。一方、5年目の社会保険労務士の平均時給は1747円と、試験の難易度ほどの差はないといえます。開業している社会保険労務士に対して社労士会が2016年に行ったアンケートによれば、13.5%の人が年収1000万円以上の収入を得ていました。

 多くの会社で、人件費削減のために外部の専門家に業務をアウトソーシングする動きは加速すると予想され、その点で士業の需要は高まると考えられます。

おすすめ資格タイプ2 転職に有利な「業務に必要とされる資格」

 次に、「業務において必要となる資格」です。宅地建物取引士や施工管理技士といった、一定数を雇用することが法律で義務付けられている資格です。これらの資格を取ると、転職においては有利になります。

 たとえば不動産業界では、従業員の5人に1人以上の割合で宅地建物取引士を置くことが義務づけられています。建設業界でも「建設業法」によって、主任技術者・専任技術者・監理技術者などの技術者を配置することが義務付けられています。中でも「主任技術者」はすべての建設現場に配置が必須となっており、施工管理技士の資格保持者であれば級にかかわらずなれます。

 新型コロナウイルスの影響で郊外にオフィスを移転する動きもあり、法人における不動産関連の需要は維持されると見込まれます。東京・大阪など大都市における大規模な再開発計画も予定されており、建設業の人手不足や施工管理技士の需要が大きく減ることはないでしょう。

「人生挽回」が難しい資格とは

 ここまで、おすすめの「地味な資格」を紹介してきました。しかし反対に、取得する意味はあるものの、「人生挽回までねらうのは難しい」という資格もあります。

 まずは「セミナーなどを受講するだけで簡単に取れる資格」です。本来、資格は国の法律に基づいて存在します。基づく法律のない民間資格がすべてダメというわけではありませんが、ほとんどの人が合格できる資格はそのぶん取得者も多く、取得してもそれを活かして独立や転職をするのは難しいかもしれません。

 次に「独占業務のない資格」です。士業は「無資格者の実施が禁止されている業務を、その資格を持っていることで行える」といった特徴があります。その資格がないとできない「独占業務」があるため重宝されるのです。独占業務のない資格では、本職のさらなる箔付けのために取得するには効果がありますが、よほど人脈が豊富でもないかぎり、その資格だけで独立して生計を立てていくのは難しいでしょう。

 最後に「セミナー業が中心の資格」です。「ライセンスビジネス」という言葉があります。これは講師が主催するセミナーなどを受け、修了免許が与えられると、今度は自分が教える側に回ることができる仕組みを取り入れたビジネスのことです。修了免許を得た人は「〇〇協会認定上級コーチ」といった肩書を得て、講師として活動できます。

 たしかに、取得後の収入源が約束されているという意味では、メリットがある場合もあります。しかし、中には新興宗教や、重いノルマが課されるネットワークビジネス(いわゆるネズミ講)に近いものもあり、参加は慎重に判断することをおすすめします。また、先行して始めた人に利益が集中する仕組みであることが多いため、後発で参加しても安定した収入を得るのは難しいかもしれません。

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活躍できていない人の「敗者復活戦」という意味も

「地味な資格」とはいえ、合格にはそれ相応の勉強は必要です。資格取得後は営業活動も必要で、決して楽な道ではありません。しかし、「学歴・役職・年齢・性別も関係のない、誰にでも平等に開かれた門戸」であるとはいえるでしょう。

 また、資格を活かして働くことは、単に「収入を得る手段」になるだけではありません。それ以上に、「人の役に立てている充実感」も与えてくれます。

 たとえいま活躍していない人でも、それは自分の才能が発揮されていないだけかもしれません。私も会社員時代の仕事では成果を出せませんでしたが、社労士としてはなんとかやってこれています。自分自身でも経験したからこそいえることですが、資格試験とは、こうした人のための「敗者復活戦」でもあるのです。

 

■ 佐藤 敦規(さとう・あつのり)
 社会保険労務士。中央大学文学部卒。新卒での就職活動に失敗。印刷業界などを中心に転職を繰り返す。窓際族同然の扱いに嫌気がさし、50歳目前で社会保険労務士試験に挑戦し合格。三井住友海上あいおい生命保険を経て、現在では社会保険労務士として活動。企業を相手に、就業規則や賃金テーブルの作成、助成金の申請などの相談を受けている。資格取得によって収入が200万アップするとともに、クライアントの役に立っていることを実感し、充実した生活を手に入れた。お金の知識を活かして、セミナー活動や、「週刊現代」「マネー現代」「THE21」などの週刊誌やWebメディアの記事も執筆している。

 

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