業績好調で最高値を更新したメルカリの可能性と今後の展開とは
LIMO / 2021年2月28日 17時55分

業績好調で最高値を更新したメルカリの可能性と今後の展開とは
スマートフォンで不用品の売買が気軽にできるフリマアプリサービス「メルカリ」は日本で広く浸透したサービスです。2月16日にメルカリ株が上場来高値(6,400円)を記録し、市場からの期待も高まっています。
今回は、メルカリのGMV(流通取引総額)やMAU(月間ユーザー数)に着目して分析し、メルカリが舞台となっているインターネット上の出来事を通して、メルカリのサービスとしての特徴・今後の展開について考えてみたいと思います。
メルカリのユーザー数の伸びについて
メルカリの規模を推定する指標として、公式発表にてGMVとMAUの2指標が公開されているので、この値を利用します。
GMV・MAUについては、プロダクトマネージャーの業務の一つである進捗管理業務でも「プロダクトの収益成績」を表す指標としても利用されるので、特に分析の対象としています。
GMVは「流通取引総額(Gross Merchandise Value)」を表します。これは、「プラットフォーム=メルカリ」上で購入された「商品の総額」のことです。この指標によって、「マーケットプレイスの規模」を知ることができます。
メルカリの場合、売上はメルカリ上で販売が成立した商品の「取引手数料」です。取引手数料は「販売が成立した商品価格」に比例して決まる仕組みなので、GMV>売上となる点に注意が必要です。
また、MAUは「月間アクティブユーザー(Monthly Active User)」のことを表します。「対象月にどれくらいの人数のユーザーがそのサービスにアクセスしたか」を示す指標であり、そのサービスがどの程度活発なのかを示したものです。月単位の場合は長期的なユーザー数推移を見るのに向いているので、決算資料でよく用いられます。
私の専門でもあるプロダクトマネジメントの実務では扱うサービスの性質によって、「DAU(Daily Active User)」「WAU(Weekly Active User)」など、区切りの期間を変えたものも用います。
これを踏まえてメルカリのGMV・MAU推移を見ると、
<2016年6月期第1四半期>
GMV:227億円
MAU:314万人
<2021年6月期第2四半期>
GMV:1,970億円
MAU:1,802万人
となっており、約5年間でGMVは8.6倍に、MAUは5.7倍と大きく拡大しています。
1,802万人という数字の国内での規模を簡単に示すと、1ヶ月に日本の総人口の約14.3%がメルカリを使用している(日本の総人口:1億2557万人(令和3年1月時点))と考えると、その規模が理解しやすいでしょう。
メルカリに「モルカー」の偽グッズがアップされる騒ぎも
更に、メルカリの場合はユーザーが東京・関東圏に集中しておらず、全国各地に散らばっています。
実際、私がメルカリで取引したことがある方の住所は非常にバラエティ豊かでした。したがって、メルカリ上で起きる出来事は「日本国内の流れ」を読むのに役立ちます。
例えば、今年1月に放映が開始されたアニメーションであり、Twitter・pixiv(イラスト投稿サイト)などの各種SNSで人気の「PUI PUIモルカー」についても、放映開始1ヶ月未満において、メルカリ上で事件がありました。
事件の概要は、1月16日の夕方に、あるユーザーが「モルカー」の画像を使用して「ニンテンドーDSソフト」風に仕上げたものをTwitterで投稿したことが発端です。更に別のユーザーが「メルカリ」上にそのパロディ画像を使用して「架空の商品」として出品し、実際に購入を試みる人も現れました(現在はその架空商品は削除されており、確認できません)。
一連の事態を受けて、1月18日に「モルカー」の公式Twitterアカウントが偽物商品・グッズについて、注意喚起ツイートをする事態になりました。
本件に限らず、メルカリにおいては、以前から「不適切な出品」が定期的に表れ、大小さまざまなニュースとして取り上げられています。
新型コロナウイルスの流行初期に、マスクやアルコールなどの衛生用品の転売が相次いだことから、「コロナウイルス関連商品」の出品が禁止されたことは記憶に新しいです。
しかし、以前よりも「不適切な出品への対応」は早まっており、安心して取引しやすい環境になっています。
メルカリの可能性と、今後の展開は?
メルカリについては、日本人口の約14.3%が利用しているものの、まだまだ伸び代がある状況です。したがって、国内向けには接点を増やし、ユーザー数を伸ばす施策が取られています。
具体的にはTVCMの増加・リアル店舗の「メルカリステーション」の出店増加や、オリジナル梱包資材の販路拡大などが示されています。
また、国内のみならず、アメリカにも進出をしています。アメリカでのGMVは前年比107%(127百万ドル→263百万ドル:2020年6月期第2四半期→2021年6月期第2四半期の比較)と新型コロナウイルスによる外出自粛を背景に、規模を伸ばしています。株価が上場来高値をつけたのも、海外進出が好調であることが要因でした。メルカリは国内外ともに、今後の成長に期待できそうです。
参考資料
メルカリ「2021年6月期第二四半期 決算説明資料」(https://pdf.irpocket.com/C4385/HTFv/KxNM/avgD.pdf)
総務省統計局「人口推計(令和2年(2020年)8月確定値,令和3年(2021年)1月概算値)(2021年1月20日公表)(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html)
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