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コロナで失業したら即、起業。「半日で起業できる国」の特徴

LIMO / 2021年4月22日 9時0分

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コロナで失業したら即、起業。「半日で起業できる国」の特徴

ニュージーランドは起業ブーム

筆者のフェイスブックで頻繁に目にするポストは、友人のご主人Aさんのからのものです。それを見て、「ああ、元気に仕事をしているんだなぁ」と筆者は安心します。なぜなら、昨年Aさんは新型コロナウイルスの影響で仕事をなくしてしまったからです。長年勤めていた会社だっただけに、ショックだったに違いありません。

しかし、Aさんは2カ月もしないうちに、フランチャイズ事業を開始。早々に仕事に追われる忙しい日々に舞い戻りました。ニュージーランドでは、コロナの影響で失職した人が新たに会社を立ち上げたというケースをよく耳にします。Aさんもその1人というわけです。

先月ビクトリア大学は、起業に当たっての各国の難易度に関する調査結果を発表。ニュージーランドはほかの国をおさえ、起業に適した国ナンバーワンに輝いています。

たった半日で、自分の会社が持てる

今年3月、ビクトリア大学の豪州メルボルン校は、「起業しやすい国( Easiest Countries to Start a Business)2020」という調査を行い、結果を公開しました。世界銀行による2020年のメタスコアを用い、起業しやすい国を総合的に評価したものです。

起業までの平均日数、1人当たりの所得に対しての起業費用の割合、手続きの数など41の項目を設定。そして、項目ごとに評価を行い、各国に0から100までの間のスコアを付け、 起業が最も手軽に行える国を明らかにしました。

その結果、ニュージーランドは世界ナンバーワンに輝いたのです。特に評価が高いのは、国内で起業にかかる日数がたった半日となっている点。また、企業金融から資金を調達するのが比較的容易なところです。

ちなみにニュージーランドでは外国人でも起業することができます。ただし、そのためには起業家ワークビザ、もしくは永住権を取得・保持していなくてはなりません。

ビザは移民局に申請します。起業家ワークビザの場合、 ビジネスが今どの段階にあるのかや、運転資金や不正行為を行っていないかどうかなどの特定の要件をどれだけ満たしているかで、与えられるビザの期間が違ってきます。

永住権は起業家ワークビザより取得条件が厳しくなっており、健康状態や性格、英語能力など、起業家個人についての情報を提出する必要があります。さらに国内に永続的な雇用を3件以上提供するなどの経済的利益を国内にもたらすことは必須です。

筆者は日本国籍なので外国人にあたりますが、永住権があったため、今から20年ほど前に仲間と会社を立ち上げることができました。当時、「100NZドル(約7700円)あれば、会社を興せる」というのは有名な話でした。これは会社の登記費用を指しています。今では115NZドル(約8900円)に上がっています。

小規模企業は大切な存在

ビクトリア大学は、昨年のコロナまん延に際しての国の措置も、起業する側にとってプラスと捉えています。

具体的には、適切な対応策によりコロナを抑制できたことや、コロナの影響で経営が困難に陥った企業への助成金の提供が挙げられます。緊急時に政府からのこのような支援があるということは、ビジネスを立ち上げようという起業家にとり、心強いものです。

また、ニュージーランドの企業の97%が自営業も含め、従業員20人以下の小規模企業だという事実も注目すべきでしょう。これらは雇用の28%、国内総生産の4分の1以上を占めています。あらゆる産業に進出している点もこの国の小規模企業の特徴です。

企業・技術革新・雇用省内にある、小規模企業の支援に特化した団体をはじめ、政府は小規模企業の状況を常に把握し、利用可能なサポートをさまざまに用意。理想的なビジネス環境を常に提供し、サポートすることでその発展を支えています。

ポストコロナでも、経済活動を健全に整え、企業のオーナーと雇用者に福利を提供するためには、小規模企業の立ち直りが必須という考え方がニュージーランドでは一般的です。起業後もこのような支援体制の中でビジネスを成長させていける点も、ニュージーランドで起業するメリットといえるでしょう。

今年も続きそうな起業ブーム

昨年4月から12月の間に会社登記局が確認した、新しく立ち上げられた企業の数は4万にも上りました。これはコロナの影響で失職した人だけでなく、海外から帰国した人が新たに会社を興したからだといわれています。

昨年後半からニュージーランドでは、国内産や地元の製品、食品を優先的に買い、生産者を支援しようという機運が高まりました。それに特化したフェイスブックグループ、「チョーイス(旧名 NZメイドプロダクツ )」も登場し、ロックダウン時から人気です。

コロナは、男性より女性に大きなインパクトを与えています。統計局によれば、昨年6月からの第3四半期に1万1000人が職を失いました。そのうちの何と1万人が女性だったということです。

上記のフェイスブックグループ主宰者のサラ・コルコードさんは、仕事をなくした女性たちが会社を立ち上げるケースが目立っていると、公共ラジオ放送局、ラジオ・ニュージーランドのニュースで話しています。事実、グループに参加する企業の80%が女性経営なのだそうです。

「昨年は記録的な会社登録数となったが、それは今年も続くだろう」というのが、コルコードさんの予想です。

筆者の耳には、友人夫婦が隣町にカフェをオープンするというニュースが数日前に入ったばかり。国内の起業ブームはコルコードさんが言ったように当分続くのかもしれないと感じています。

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