子育て夫婦3組が、老後資金を貯められるようになったお金の管理法
LIMO / 2021年5月2日 19時5分
子育て夫婦3組が、老後資金を貯められるようになったお金の管理法
子どもの成長はうれしいものの、子育て中は何かとお金がかかります。一方で、老後2,000万円問題が話題になったこともあり、老後資金を貯めなければという意識も高まっています。
何かと先行きが不安な時代、教育資金にお金を使いすぎて老後資金が足りなくなってしまうというのは避けたい事態です。そこで今回は、子育て世帯が老後資金を貯めるためのお金の管理方法について、3組の夫婦に聞いてみました。
非課制度や税制優遇制度はフル活用!
2歳と4歳の子どもがいるというAさん夫妻は、使えるものはすべて使って老後資金の準備をしていると言います。
「妻が金融機関勤務だったこともあって、資産形成系の話には強かった。妻の勧めで個人型確定拠出年金のiDeCoや少額投資優遇制度のNISAを始め、自分は投資信託を運用するつみたてNISAを、妻は株をやりたいからとNISAを利用している」のだそう。
「それと、2人ともiDeCoで老後資金を作っておくことに。iDeCoだけで十分ということでは決してないけれど、最低限の準備はできる。自分は会社の財形貯蓄制度を活用して貯金もしている。国がせっかく準備してくれているのだから、こういう制度はフル活用しないと」と話します。
「子どもたちの保育園の費用や習い事、教育資金の貯金や住宅ローン返済などでほとんど首が回らない状態だけど、最低限の準備をしているという安心感がある。子どもが大学を卒業して教育関連の出費が落ち着いたら、また本格的に老後資金準備を始める予定。妻も、お互いに定年まで勤めて早いうちに老後資金を貯めてしまおうねと言っている」と話してくれました。
Aさんは、頼りになるパートナーとしっかり話し合っていることで将来への不安を感じずに済んでいるようです。子どもの教育資金で首が回らないという状況は多くの子育て世代が共感する悩みではあるでしょうが、少しずつでも老後の準備を始めておくと、後で慌てることがなさそうです。
3か月ごとに出費を見直す話し合いをする
5歳の子どもがいるBさん夫妻は、毎月、出費の見直しをするための話し合いをしているのだそう。
「お金の会、と名付けて夫とお金のことを話す機会を設けている。最近は子どもも一緒に3人でするようになった。話し合いといっても、そんなカタいものではなくて『今度アレほしいね』とか『買い替えたいね』という話も含めて、お金に関することならなんでも話していいというざっくりしたルール」とBさん。
子どもが参加するようになって、『あのオモチャがほしい』と言ってくることも多く、『じゃあそのために何を削る?』という話もしてみる。子どもなりに、あるものにお金を使うときには何か別のものを我慢しなきゃいけないのかな、ということを認識してきた様子」と言います。
そして、家族3人で話すからこそみんなが自分事として家計管理のことを考えられるのだと言うBさん。「毎月『この前買ったコレ、意外とあんまり使っていないね。無駄だったかも』と話したり、『先々月は電気代が高かったね。ちょっとエアコンをつけすぎたかも』と話したりして、みんなで意思統一できる」と笑います。
「『1万円削るまで終われない』というようなゲーム感覚で、みんなで『これで2,000円削れそう!』とか『スマホ代をもうちょっと安くするために、どんなプランがあるかを見てみようよ!』とアイデアを出し合ったり、たまに子どもから『前にそれ買わないって言っていたよ』と注意されたりすることもある。無駄な出費が抑えられて、みんなが納得できるものにお金を使う良いサイクルになっている」とのこと。
子どものお金の教育を、こうした自然な形でできるのは理想的かもしれません。実際、家族みんなで出費を抑える方法を考えることで、毎月1万円~2万円ほど節約でき、以前よりもかなり貯金する余裕が増えたと話していました。
とにかくお金を使わずに楽しむ方法を見つける
「子どもがいると本当に何かとお金がかかる。でも、できるだけお金を使わずに楽しむ方法を見つけながら過ごすようにしている」と言うのは、6歳と8歳の子どもがいるCさん夫妻。
「たとえば、休日に必ずしも外へ遊びに行く必要はないと思っていて、土曜と日曜の朝は親2人も含めて学習タイムにしている。朝は8時にみんなでそろって朝食を食べて12時のお昼くらいまで、それぞれ好きな勉強をする。あえて部屋にこもらずみんなでリビングでやっている。親が勉強する姿を見せて、勉強に対する嫌悪感を減らしたいという気持ちもあった」と話します。
「子どもが小さいうちは難しかったけど、今では家族みんなで図書館に行ってDVDを見たり本を読んだりすることもある。公園にピクニックに行ってバトミントンやフリスビーをしたり、お弁当を作っていって日に当たりながらごはんを食べる。それだけで十分楽しんで1日過ごせる」と話します。
4、5年前までは休日に使うお金が多くて出費が大変だったというCさん夫妻ですが、今では休日のレジャー費がほとんどかかっていないのだとか。「その分を将来の貯金に充てられる。私たち夫婦も60歳で定年を迎えてからも働きたいと思っているから、なるべく外で体を動かして健康を維持しておこうと思っている」と話してくれました。
以前と比べ、毎月の貯金額が2~3万円増えたというCさん。あわせて、小学校に入った 3人のお子さんに交互にお金の管理を少し任せるようにしたのだそうです。
「お金の管理を任せる、と言ってレシートを渡し家計簿をつけてもらっている。一緒に家計簿をつけることで娘たちもお金を節約しなきゃという意識が生まれたのか、子どもなりに工夫して私たちに提言をくれることもある」と笑っていました。こうして家族みんなで節約できる体制をつくるのは素晴らしいことですね。
おわりに
今回話を聞いた家庭では、子どもたちを部外者にせず一緒に家計の管理をすることで、家族みんなが納得する節約ができているのが印象的でした。また、使える制度はフル活用して老後資金を準備するのも大事なことです。子育てしているからお金が貯められないと思うのではなく、自分なりにできることから考えてみてはいかがでしょうか。
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