30歳から毎月2万円で2000万円を貯蓄できる?世帯年収が低くても老後の資産形成はできるか
LIMO / 2021年6月30日 6時0分
30歳から毎月2万円で2000万円を貯蓄できる?世帯年収が低くても老後の資産形成はできるか
以前、老後資金2000万円問題が話題を呼んだ時期がありました。老後の生活費として、年金だけでは足りない額を示したものです。
ただ、実際にはどのような生活をしたいかで話は変わってきます。どこに住むか、賃貸か持ち家か、贅沢をしたいかどうか。リタイア後のプランをどう描くかで必要な老後資金額は全く異なります。
そこで、ここでは1つの基準として2000万円を貯めるために、できるだけ無理のない範囲内で老後の資産形成を行うにはどうすればよいか、ファイナンシャルプランナーの視点から解説していきたいと思います。
老後なんてまだまだ先だと思っていると…
「うちは世帯年収が低いから老後なんてまだ考えられない」「目の前の教育資金や住宅ローンなどの支払いで精いっぱい」そんなご家庭も多いことでしょう。
また、現役世代の方にとって、老後の話はまだまだ先の話で、考えなくてもよいというご意見もあると思います。
しかしながら、のんびりしているとあっという間に老後になります。着実に計画的に目の前の資金計画の他、老後資金計画を立てていく必要があります。
実は考え方によって、世帯年収が低くても老後の資産形成は可能です。ただし、根気よく確実に実行する決意が必要です。
では、具体的にどのような方法で資産形成をするのか、次に解説していきます。
毎月2万円の積立投資で2000万円を目指す
あなたは、毎月2万円を老後の資産形成にまわすことは可能でしょうか?もし可能であれば今から説明する方法をもとに、コツコツ資産形成をはかることで、65歳や70歳時点で2000万円を確保できる可能性があります。
それは、投資信託を利用して毎月2万円を積立投資する方法です。確定拠出年金を利用できる方はそちらでコツコツ積立投資を実践すると、税制面の恩恵も受けることができます。
仮に、毎月2万円、年間で24万円を積立投資で実践したとしましょう。そして、年3%の利回りで増やすことができたとします。
この場合、35年後には1451万円の資産が構築できます。年4%で運用できた場合には1767万円となります。
70歳まで働くことを前提にした場合、40年間運用できれば年3%で1809万円、年4%であれば2280万円の資産が構築できます。
このように、2000万円に近い資産を貯めることは毎月2万円でも可能なのです。ただし、これはあくまで数字による見積もりであって、実際に実践しないことには構築はできません。
また、超低金利時代の今日、銀行預金ではなかなか資産形成は難しいでしょう。仮に金利がつかない場合、毎月2万円の積立貯金では35年後に840万円、40年後に960万円しか貯まりません。
退職金がある方の場合は、無理せず貯蓄でも2000万円は貯められるかもしれません。しかしながら、退職金がない方は運用で増やすことも実践していく必要があります。
どのように運用を検討すればよいのか?
それでは、どのように積立投資を実践すればよいのでしょうか。先ほど「年3~4%」の利回りという数字を利用しました。この「年3~4%」で増やすことは可能なのでしょうか?
実は「年3~4%」という数字は、過去の世界経済の年成長率に匹敵します。経済産業省「通商白書2019」によると、ここ20年程での世界全体の経済は年3~4%ほど成長しています。そのため、この世界経済の成長の果実を受け取ることができれば、運用でも年3~4%の利回りは達成可能と考えられます。世界全体に投資を行う投資信託もあります。
こうした投資信託をもとに、毎月2万円コツコツ投資を行うことで老後の資産形成を図るやり方が考えられます。投資期間のなかでは上げ下げありますが、期間が長ければ長くなるほどまとまった資産が構築できる可能性が高くなります。
月2万円の拠出が難しい場合はどうすればよい?
毎月2万円の拠出も難しい。そうした場合は、とりあえず現在可能な拠出額を試算しましょう。月5000円でも月1万円でもまずは構いません。
現在は教育資金を貯めるので精いっぱいでも、お子さんが大きくなるにつれて、余裕ができるはずです。そうなった時から余裕ができた資金を老後の資産形成へと向けましょう。その際には月3~5万円を積立できれば、後からでも追いつけます。
また、毎月定額が難しい場合には、例えばボーナスのタイミングで一括拠出していく方法も検討できます。出せるときに出す。そしてコツコツ運用していく。無理なく継続することが大切です。
悲観的にならずコツコツ投資
老後に公的年金はもらえるのか不安な方もいるかもしれません。ただ、まったくもらえないという可能性は低いです。なぜなら税金による補填がされている部分があるからです。
仮に公的年金が減らされたとしても、自助努力で若いころからコツコツと資産形成をすれば、心配はないでしょう。悲観的に思わず、ポジティブに。コツコツと資産形成をはじめましょう。そして安心した老後生活を送れるように、今すぐ少額でもよいから実践していくと良いでしょう。
参考資料
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)
経済産業省「通商白書2019」(https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2019/2019honbun/i1110000.html)
公的年金の単年度収支状況(平成30年度)(https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000617714.pdf)
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