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60歳定年後、働くシニアの給与はどのくらい?【高齢者雇用の実態】

LIMO / 2021年7月29日 19時35分

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60歳定年後、働くシニアの給与はどのくらい?【高齢者雇用の実態】

人生100年時代と言われる今、定年後のセカンドライフは長く、その間の生活費を現役時代の貯蓄と年金だけで賄うことは難しくなってきているのではないでしょうか。

実際、定年後も働くシニアは増えてきており、仕事で老後の生活費を稼ぐというスタイルも珍しくないようです。また、「70歳までの就労機会確保を企業の努力義務とする」という改正高齢者雇用安定法も今年4月から施行されています。

そんな中、日本労働組合総連合会(連合)は昨年1月、「高齢者雇用に関する調査2000」の結果を発表(対象:全国の45歳~69歳の有職者)。現役世代や働くシニアに、60歳以降の働き方に関する意識や実態を聞いています。気になる給与や勤務時間など、その内容を見てみましょう。

何歳まで働きたいか、働く理由は何か

全回答者(1,000人)に、今後、何歳まで働きたいと思うか聞いたところ、平均は67.4歳。

回答者の年齢別でみると、現役で働く世代は以下の通り。

45歳~49歳:66.3歳

50歳~54歳:66.2歳

55歳~59歳:65.7歳

働きたいと思う年齢は、年金受給ができる65歳を意識していることが窺えます。

ところが、65歳目前になると平均は上昇します。

60歳~64歳:67.8歳

65歳~69歳:71.1歳

このように、年金の受給資格がある65歳~69歳では70歳を超えています。働けるうちは働きたいという気持ちの表れかもしれません。

60歳で定年してから65歳まで、無職の場合の生活費はいくら?

60歳以降も働きたいと思っている人(936人)が答えた「60歳以降も働きたいと思う理由」のトップ5は以下の通り。最も多かったのは「生活の糧を得るため」の77.0%でした(複数回答)。

生活の糧を得るため:77.0%

健康を維持するため:46.2%

生活の質を高めるため:33.9%

働くことに生きがいを感じているため:28.8%

仕事を辞めてもやることがないから:24.9%

回答者の年齢別にみると、60歳~64歳の8割以上が「生活の糧を得るため」に60歳以降も働きたいと考えています。

では、生活にかかる費用はどのくらいかというと、総務省の「家計調査(家計収支編)2020年平均」では、「二人以上の世帯のうち無職世帯/世帯主の年齢60~64歳」のひと月あたりの消費支出は272,108円※。

60歳で定年退職した後に収入がなければ、年金の受給が始まる65歳まで5年間の生活に約1,630万円の生活費を貯蓄から支出することになります。60歳前後の年齢層の多くが、定年退職後も生活の糧を得るために働きたいと考えるのは無理もないことだといえるでしょう。

※参考:コロナ前の2019年のひと月あたりの消費支出は272,927円。

シニアの理想は「現役時代と同じ会社で非正規雇用」

また、65歳以降も働きたいと思っている人(780人)に、どのような働き方を希望しているのかも聞いています。

その回答のトップ5は以下の通り。最も多かったのは「現役時代と同じ会社(グループ含む)で正規以外の雇用形態で働く」の42.4%でした。

現役時代と同じ会社(グループ含む)で正規以外の雇用形態で働く:42.4%

現役時代と同じ会社(グループ含む)で正社員として働く:33.1%

現役時代と異なる会社で正規以外の雇用形態で働く:21.2%

現役時代と異なる会社で正社員として働く:12.1%

会社をやめてフリーランスとして働く:12.1%(1つ上の回答と同率)

定年退職後に新しい会社で働くことを考える人は少数派で、現役時代に勤めていた会社で引き続き働きたいと思う人が多いようです。仕事内容がよく分かっている慣れ親しんだ職場であれば、一から新しいことを始める気苦労がないと考えているのかもしれません。

働くシニアの労働時間や平均賃金は?

ここからは、60歳以上で実際に働いている人(400人)の回答です。まず、労働時間・日数は以下のようになっています。

正規雇用者の1日あたりの労働時間では「8時間」に最も回答が集まり(42%)、正規雇用者以外を含めた平均労働時間は6.8時間。1週間あたりの労働日数では「5日」(54.5%)が最も多く、全体の平均労働日数は4.5日でした(図表1、図表2参照)。

1日あたりの平均労働時間

全体:6.8時間

正規雇用者:8時間

正規雇用者以外:6.3時間

図表1:1日の労働時間

(/mwimgs/3/7/-/img_37586dc9d2878abcef3a276bf465bc9a79377.jpg)

拡大する(/mwimgs/3/7/-/img_37586dc9d2878abcef3a276bf465bc9a79377.jpg)

出所:連合調べ「高齢者雇用に関する調査2000」より

1週間あたりの平均労働日数

全体 4.5日

正規雇用者 4.9日

正規雇用者以外 4.3日

図表2:1週間の労働日数

(/mwimgs/d/8/-/img_d8ca5aa0379c168f72811d9de64f455163872.jpg)

拡大する(/mwimgs/d/8/-/img_d8ca5aa0379c168f72811d9de64f455163872.jpg)

出所:連合調べ「高齢者雇用に関する調査2000」より

正規と非正規雇用の賃金差は2倍以上

また、1カ月の賃金(税込)を聞いたところ平均は18.9万円ですが、回答は以下のように分かれています(図表3参照)。

5万円~10万円未満:20.0%

10万円〜15万円未満:15.8%

15万円~20万円未満:19.3%

20万円~25万円未満:20.5%

雇用形態別の平均でみると、正規雇用者の33.1万円に対し正規以外の雇用者は13.0万円と、賃金の格差はかなり大きいことが分かります。

図表3:1カ月の賃金(税込)

(/mwimgs/8/4/-/img_84e71f89171cbbf54c33206dc50f4208101250.jpg)

拡大する(/mwimgs/8/4/-/img_84e71f89171cbbf54c33206dc50f4208101250.jpg)

出所:連合調べ「高齢者雇用に関する調査2000」より

働き方には満足しているが賃金は不満足!?

さらに、現在の仕事の満足度については、「満足している」と回答した人が7割を超える項目は以下の通りです。

働き方:70.3%

労働時間:73.8%

労働目標:73.3%

仕事内容:71.5%

しかし、賃金については「満足している」が44.0%と、半数以下にとどまりました。仕事自体には満足しているものの、報酬には納得していないことがうかがえる結果になっています。

おわりに

60歳以降働くシニアは、働き方にはそれなりに満足しながらも賃金面では納得していない部分もあるようです。労働時間は現役時代とそれほど大きく変わらないのに、60歳以上の雇用形態は非正規の場合が多いため、給料は大きく減ってしまうのが現実。

シニアの働く機会は増えてはいますが、給料のみを目的としないことが60歳以降の働き方には必要かもしれません。とはいえ、老後に働く選択肢があるというのは老後資金が心配な現役世代にとっても心強いことなのではないでしょうか。

参考資料

高齢者雇用に関する調査2020(https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20200130.pdf)(日本労働組合総連合会)

家計調査(家計収支編)2020年平均(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html#nen)(総務省統計局)

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