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夏休みは受験の山場〜合格をつかみ取る生徒の夏の過ごし方

LIMO / 2021年7月28日 18時35分

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夏休みは受験の山場〜合格をつかみ取る生徒の夏の過ごし方

コロナ禍による臨時休校のしわ寄せで短縮の夏休みとなった昨年とは違い、例年通りの日数となる今年の夏。受験生にとって正念場となる夏休みをどう過ごしていけば、合格をつかみ取ることができるのでしょうか。

首都圏や近畿圏では中学受験が盛んですが、地方では高校受験がスタンダード。部活動の引退後から受験勉強が本格化し、夏休みは受験の合否を左右する大きな山場です。

今回は、かつて塾講師をしていたときの経験から、夏休みの過ごし方で明暗を分けた受験生の例を紹介します。

ギアが入らず涙をのんだ生徒

塾の使命を端的に言うと、「生徒を志望校に合格させる」「学力アップ」に尽きます。ただ、生徒のモチベーションを上げようと思っても、上手くいかないことは多々あるものです。

その一方で、それまでダラダラ勉強していても、時期が来ると受験生としての自覚が芽生え、別人のように勉強し始める子はたいてい良い結果につながっています。

もちろん例外もありますが、たとえ残念な結果であったとしても、進学した先で頑張るというように努力した経験は生徒たちにとって大きな糧となっていました。

受験で大きな区切りとなるのが「部活動の引退」。運動部は中学3年生の夏、文化部では秋というのが一般的でしょうか。学校の先生や親からも「部活が終わったら勉強に集中するように」と言われ、も本格的に受験と対峙することになります。

それを真正面から受け止めず逃げてしまうと残念な結果になるのは当然と言えば当然で、筆者もこうした生徒たちと接して苦い思い出となった経験があります。

所属している部活が予選敗退をし、中学3年の6月で部活を引退したA君はひょうひょうとした性格で、基礎学力もしっかりある生徒でした。

通塾を始めたのは中学2年の秋で、志望校は地域二番手校。中学3年の春の段階では余裕で合格する学力とまではいかないけれど、合格しやすい位置にいて現実的な選択といえました。

ただ、部活引退後から追い上げて抜き去る子も多数いるため、夏休みを「より合格に近づけるための期間」と捉えて指導することに。

ところが、模試の結果も悪くないためかイマイチ気持ちが乗ってきません。二番手校受験となると入試問題の基本問題はほぼ全員が解け、応用問題が合否のカギとなります。

A君はというと、スラスラと解ける基本問題を繰り返し解きたがり、やや苦手な社会の復習を渋る。家にいるとテレビを見てしまうと笑顔を見せる。その様子を近くで見ていた筆者は「これではまずい」と、塾の自習室に来るように何度も話をしました。

けれどもA君は暑い中、自転車で塾に来るのが面倒だと言い、一度も自習室を利用しないまま夏休みが終わってしまうことに。案の定、夏休み明けの模試からは志望校判定が厳しく出て、残念ながら挽回することなく不合格となりました。

見事な逆転劇で合格に至った生徒も

違う学年でしたが、A君と同じように地域二番手校を狙うBさんは真逆の展開で合格をもぎ取ることができました。

Bさんは文化部に所属しており、のんびりとした性格。通塾開始は中学2年の冬で、基礎学力はあるものの応用力が不足気味でした。

部活引退も秋と、運動部に比べて本番までのラストスパートが短くなります。そのことを念頭に、夏休み中は部活が終わったらお弁当持参で塾で授業を受けたり自習室を利用するなど、家にいてダラダラする時間を自主的に減らしていました。

部活を引退した後は、平日も、塾の授業のない日も塾にやって来て自習室をフル活用し勉強に励んだBさん。その甲斐あって、12月頃には合格に届きそうなレベルにまで成績がアップ。直前期となる冬休みも勉強時間を維持し、そのまま合格を自分の手でつかみ取りました。

中学3年生の春の段階では合格はかなり厳しく、相当な努力が必要と塾の先生たちは見ていましたが、Bさんは自分に学力が足りないことを自覚して努力をした結果、見事サクラが咲いたのです。

やる気十分だったが、あと数カ月欲しかった生徒

本人の努力とやる気で合格をつかみ取るという話には感動を覚えますが、生徒自身が真面目に勉強に取り組んでいても、必ずしも明るい結末を迎えるとは限りません。いまだに思い出すたび心が痛む生徒、それがC君です。

C君が塾のドアを叩いたのは、部活を引退した中学3年の7月下旬のこと。そこから入会となったのが8月でした。運動部に所属し、強豪高に進学を希望していました。

ところどころ知識が足りないものの、本人は意欲的で吸収力があり態度も良いという教えやすい生徒でした。夏休みの講習会も中盤から参加でしたが、毎日のように自習室を使い積極的に質問をする。授業態度も真面目で言うことなし。まさに模範生そのもの。

夏休み後半の模試では志望校の合格圏に届かないものの、このままのペースで頑張れば合格できるのでは、と先生一同が思っていました。そして秋も冬も真面目に宿題を解き、成績は上昇。しかし入試ではあと一歩届かず、不合格となってしまったのです。

その結果を聞いた時、他の先生たちが口々に言ったのは「最低でも4月、いや5月に入っていれば間に合ったんじゃないか」ということでした。

塾というのは私的な教育ですし、お金もかかります。ただ、子供の頑張りと塾での指導により飛躍的に学力が伸びる場所でもあります。

C君は本人の努力もあり合格に届きそうなところまでいきましたが、合格をつかみ取るには通塾期間が足りなかったのです。受験本番から逆算したタイミングで通塾を始め、受験に備えることの大切さを痛感した出来事でした。

夏休みを有意義に過ごして頑張ろう

夏休みから受験本番の冬までは重要で、その時期の過ごし方で「合格」を手繰り寄せられるかが決まると言っても過言ではありません。

「どうせ長いし」と思っていると、夏休みはあっという間に過ぎていきます。子どもにとって、まとまった時間を受験勉強に充てられるのも夏休みだけです。後悔先に立たず、ということにならないよう時間を大切に使いたいものですね。

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