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中学受験、教育環境はどう変化しているのか。親の成功体験は通用しない!?

LIMO / 2021年9月10日 19時30分

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中学受験、教育環境はどう変化しているのか。親の成功体験は通用しない!?

2020年度に導入された小学校5年生からの英語教科化やプログラミング教育。それに先立つ2016年度から始まっている大都市圏の私立大学定員厳格化……。小学生から高校生の子どもがいる家庭にとって、気になる動きが続いています。

また、コロナ禍での休校による学び遅れの影響や、感染拡大によって再度休校措置が取られるのではといった懸念も拭えない中、家庭教育に力を入れる保護者も少なくありません。

非受験組でも小学校からの通塾はめずらしくない

こうした教育の変化は、早い段階から生徒獲得を狙いたい教育産業に取っては渡りに船。少子化で競争が激しくなっている状況ではなおさらです。

たとえば、昨年度からの英語教科化により、小学生クラスで英語の授業を行っている塾も出ています。また、中学受験が盛んではない地域でも、中学での新学習指導要領導入を見据えて小学校高学年から通塾を検討する家庭が少数派ではなくなりつつあります。

このように、学習指導要領の改訂や大学入試制度改革などで子どもを取り巻く環境は大きく変化しています。つまり親世代が育ってきた時代とは大きな違いがあるものの、中には自分の成功体験を重ねてしまう親もいます。

特に、地方出身で牧歌的な子ども時代を過ごしながら都市部の難関大学に合格した親の中には、我が子を小学生時代から勉強漬けにさせることに抵抗感を抱く人もいるようです。

また、地方と都会では教育に対する考え方が異なることも多いもの。筆者自身、かつて大学進学を考えていることが田舎の親戚に知られたとき、「女の子に学なんていらないだろう」と遠回しに言われた経験があります。

地方でも市街地に住んでいればそうした意識は薄いものの、やはり今でも中学受験が盛んな大都市圏と比べれば子どもの教育への温度差が残っているところはあるでしょう。

親は自分の経験を子に投影したくなるが

「大学」というゴールは同じでも、そこに到達するまでの道筋はさまざま。そのため、夫婦のどちらかが子ども時代を地方で伸び伸び過したが、もう一方は都市部の中学受験経験者という場合、教育に対する考え方に違いが生じることもめずらしくありません。

親というのは、つい自分が辿った道と子どもを重ねてしまうことがあります。「自分が本格的に勉強し始めたのは中学2、3年生。それでも知名度のある大学に合格したのだから、その頃からで間に合う」と思っていても、それを今の子どもに当てはめるのは少々危険です。

もちろん、例外的な天才肌の子もいるでしょう。しかし、難関大学や医学部への合格者を多数輩出しているのは都市部の中高一貫高出身者が多く、中学受験をしている子の方が大学進学時に有利な傾向があるのは明らかです。

ただ、私立学校の多い大都市圏だけではなく、地方でも教育熱心な家庭の熱量は決して低いものではありません。

2000年代に地方でも次々と公立中高一貫校が誕生しました。これにより小学生から塾通いをする子が増加し、地方でも「つるかめ算」といった受験算数を盛り込んだカリキュラムの塾は少なくありません。もはや中学受験がごく一部の家庭に限られていた時代ではないのです。

地方でも中学受験の裾野が広がった

このように、たとえば中学2、3年から勉強すればそこそこ良い大学に入れるという考えは、地方でも過去のものとなりつつあります。

公立中高一貫校を狙う小学生は、塾で学校では学ばない応用問題を解き、学力をアップさせます。そして、こうした成績上位層の厚みが増していくことで、中学に入ってからでは真面目に勉強しても追いつくことがなかなか難しいという状況が生じるようです。

そのため、子どもの教育を考えるうえでは、時代の変化を理解することの重要性も高まってきています。また、育ってきた環境が異なる夫婦がお互いの成功経験を重視してしまうと、教育方針を巡って衝突が起きやすくなります。

公教育を筆頭に教育事情が大きく変化している中で、いつまでも自分の子ども時代と同じ感覚でいるのは、かえって我が子にネガティブな影響を及ぼしてしまう可能性もあるのです。

教育も変化し続けている

小学校では2020年度から、中学校は2021年度から、高等学校は2022年度から、それぞれ新しい学習指導要領がスタート。また、子どもの教育のゴールと位置付けされている大学でも入試制度が多様化し、かつては絶対的な主流であった一般入試の募集定員は国公私立問わず年々減少しています。

自分の経験だけで子どもの教育方針を決めて舵取りをするのではなく、昨今の入試改革や教育トレンドなどの情報を集め、子どもの教育に活かしていきたいものですね。

参考資料

新しい学習指導要領 生きる力(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/)(文部科学省)

平成28年度以降の定員管理に係る私立大学等経常費補助金の 取扱について(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/002/002/__icsFiles/afieldfile/2015/07/13/1360007_2.pdf)(文部科学省)

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