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子どもに伝える?「わが家の収入・貯蓄額」

LIMO / 2021年9月11日 18時35分

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子どもに伝える?「わが家の収入・貯蓄額」

~親子の会話で、成長に寄り添うお金の教育を~

お金の知識は、現代社会を生きていくうえでは欠かすことのできない大切なリテラシー。実は学校でも家庭科の授業などでお金について学ぶ機会があるものの、時間的にはごくわずかです。

では、家庭でお金のことを教えたいと思ったら、どこまで子どもに伝えるべきなのでしょうか。子どもの年齢や興味関心に合わせた、手軽にできるお金教育のコツをお伝えします。

小学生向けのお金教育

小学生にお金教育を始めるなら、「お小遣い」を通じたお金のトレーニングがおすすめです。小学生のはじめてのお小遣いは、「100円×学年」くらいの金額が目安になります。

小学校低学年から始める場合、1ヶ月間を通して上手に予算管理をするのは、少し難しいかもしれません。例えば、毎週日曜日に50円ずつ、4週間で合計200円というように、1週間単位にして渡してあげるのも一つの方法です。高学年の場合には、1か月分ずつでいいでしょう。

やりくりを「考える」トレーニングを

お小遣いのやりくりに慣れてきたら、お小遣いの額を増やしながら、子どもがお小遣いで買うものの範囲を広げていきます。最初はおかしや漫画などから、次第に文房具や塾へ通う交通費などもお小遣いの範囲内でやりくりさせます。

いままで「あれ買って!これ買って!」とおねだりばかりしていた子が、お小遣いで買うことになったとたん、お金の使い道をよく考えるようになり、財布のひもが固くなることも。この「考える」という習慣が、大切なトレーニングになります。

中学生・高校生にどこまで伝える?

中学生や高校生になると、子どもの行動範囲もずいぶんと広がっていきます。部活の遠征や塾の模擬試験などで電車やバスに乗る機会が増えて、友達と遠出して遊ぶことも出てくるでしょう。

この頃になると、子どもがお札を手にする機会も増えますし、近頃はデビットカードやスマホ決済などの普及により、お金の形をしていないにもかかわらず、かなりの金額がチャージされていることも。高校生になってアルバイトを始めて、自分で何万円というお金を稼ぐようになる子も出てきます。

ここで注意をしたいのが、お金に関するトラブルです。

中高生の金銭トラブルは「親の目に留まりにくい」

あまり考えたくはないですが、スマホ1つで出会ったことすら無い人にも送金ができてしまう時代。思春期に入ると親とのコミュニケーションが減りやすいうえ、近頃はさまざまな決済がスマホ上で行われるため郵便物や電話などから親がトラブルを察するのが難しくなっています。

そのため、親が気づいた時にはかなり深刻な状況になってからということもあるのです。

その点、小学生のお小遣いのトラブルは、親も気づきやすいですし、お金について一緒に考えるよいきっかけになります。まだ幼くて親の目が届くうちに、小さな失敗を経験させてあげることも重要です。

わが子の「関心・経験」に合わせたお金の教育を

中学生や高校生は身体がどんどん大きくなり、難しいこともずいぶんと知っている様子ですが、実は見た目ほど大人ではありません。お金に関して言えば、買い物はできるし大きな金額の計算もできるのですが、肝心な生活経験がほとんどないため大切な知識が抜け落ちています。

金融教育に関心がある親御さんのなかには、「株式投資を子どもに教えたい」「起業する力を身につけさせたい」という方もいます。これらも社会に興味を持たせる大切な経験ではあるのですが、子どもの年齢や興味関心と生活経験を見ながらでないと、地に足がつかないものになってしまいかねません。

「わが家の収入・貯蓄」子どもに伝えるべきか

あくまでも私の考えですが、高校生くらいまでの間は基本的に、親の収入や貯蓄額までは伝える必要はないと思います。うっかり友達にこうした金額を伝えてしまって思わぬトラブルになるのも避けたいですし、そんなに必要な情報ではないからです。

金融広報中央委員会が行った「第3回 子どものくらしとお金に関する調査」によると、高校生のお小遣いの平均は月額5114円。そのほとんどが、友達との飲食や遊びに行くときの交通費やチケット代、昼食代などに使われています。

ほとんどの高校生にとって、家賃や水道光熱費といった暮らしにかかる固定費、国に納める税金や社会保険料などの必要経費は見えていないのが実情です。

そこで、私からの提案ですが、お子さんがお金の話に興味を持って質問してきたら、毎月の家計について教えてあげましょう。

「家計の流れ」が分かれば、働くことの大切さに気付く

毎月の家計からは、家賃や住宅ローン、水道光熱費、通信費、学校の授業料や塾代などが出ていき、こうした固定費を支払った残りで、食費やレジャー費、お小遣いなどをやりくりしていることを伝えてあげます。このほか、子どもの教育費や自分たちの老後資金など将来必要になるお金もやりくりしながら貯めていることも伝えましょう。

こうして暮らしを成り立たせるためには、安定した収入が必要です。そのためにいま、大人たちががんばって働いているのであり、子どもたちが将来、自立して自分の力で暮らしていくためには、安定的な収入確保が必要になることなどを、子ども自身がイメージできるように話をしてあげてください。

私が以前、授業を担当した高校の生徒さんは、「アルバイトではお小遣いは稼げても、家を買ったり子どもの教育費を貯めたりするのは大変かも……」といった感想をくれました。子どもが将来を考え始めるタイミングで、こうしたことに自分で気づくことこそ重要でしょう。

こうした親子の会話が、子ども自身が働くことの大切さを実感し、将来のキャリアビジョンを描くことにつながります。

焦らずに、子どもと目線をあわせながら、その時々で必要なことを伝えてあげてください。

参考資料

金融広報中央委員会「第3回 子どものくらしとお金に関する調査」(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/kodomo_chosa/2015/)

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