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【老後資金、いくら足りない?】想定2,853万円に対する実際の貯蓄額は?

LIMO / 2021年10月13日 18時15分

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【老後資金、いくら足りない?】想定2,853万円に対する実際の貯蓄額は?

『老後の資金がありません!』――これは10月30日に全国公開になる映画の題名。「普通の主婦が今の日本が抱えるお金の問題に立ち向かう」コメディーだそうですが、娯楽作品にまで「老後資金」が登場するのは、それだけ人々の関心が高まっているからなのでしょう。

そんな中、メットライフ生命保険はこの9月に「老後を変える全国47都道府県大調査 2021版」の調査結果を発表。全国の20代~70代の男女1万4,100人を対象に、老後に対する意識や老後への備えなどについて聞いています。

その結果によると、自分の老後に不安を感じているのは全体の83.3%。年代別で最も高かった40代では9割が不安を感じると回答しています。今回の調査はコロナ禍2年目で実施された調査でもあるため、2020年の調査結果との比較も含めて詳しく見てみましょう。

不安のトップ3は「お金・健康・認知症」

まず具体的な老後の不安要因を見ると、全体のトップ3はお金(58.7%)、健康(54.6%)、認知症(52.1%)。中でもお金は2018年の調査開始から4年連続の第1位です。

年代別の結果では、特に30〜40代でお金に対する不安が高い傾向が見られる一方、60~70代では、健康、認知症、自身の介護、お金という順になっています(図表1参照)。

年齢が上がるにつれて、どうしても体の不調は増えるものです。年金に頼る老後の生活では、定期的な通院であっても医療費の負担感は大きいでしょう。健康を保つよう心がけることが、結果的にお金を減らさないことにつながるともいえます。

図表1:老後について心配・不安だと感じること

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拡大する(/mwimgs/f/8/-/img_f84516dc6fc22ecff4150c976c993a5c127418.jpg)

出所:「老後を変える全国47都道府県大調査 2021版」(メットライフ生命)をもとに編集部作成

コロナ禍2年目でどうなった?

老後の不安はやや減少

「新型コロナの影響で老後の不安が増えた」という回答は全体で44.0%と、2020年の48.7%から5ポイント弱の減少になりました。

コロナ禍が2年目に入って良くも悪くもコロナ慣れしてきたことに加え、ワクチン接種が進んだこともあり、特に60~70代の層では2020年の51.5%から2021年は40.8%と10ポイント以上減少しています。

また、50代では同じく50.8%→45.9%と5ポイント減少したものの、20代から40代ではほぼ横ばいという結果でした。

金融資産の備えをする人が増えた

「老後の備えとなる金融資産を貯めているかどうか」という問いに対して、「計画的に貯めている」「計画的ではないが少しずつ貯めている」と回答した人の合計は全体で62.3%。2019年56.4%→2020年61.4%→2021年62.3%と、この3年で5.9ポイント上昇しています。

年代別でコロナ前の2019年からの増加が目立つのは60~70代の8.8ポイント上昇、次いで20代の7.9ポイント上昇で、老後から最も遠い20代が高齢者の次に高い数字になっているのは興味深いところです。

一方、30~50代は住宅ローンや教育費に追われ、なかなか自分自身の老後資金まで手が回らない世代ではありますが、それでも2019年比では上昇しています。コロナ禍による先行き不安が貯蓄への意識をさらに高めたことが窺えるのではないでしょうか。

必要だと思う老後資金は2,853万円だが…

老後に備えに必要だと考える金融資産額は、全体平均で2,853万円(前年比▲155万円)。これは2018年の調査開始以来最も低い数字ですが、それでも一般に言われる”老後資金2,000万円”をかなり上回っています。

それに対し、現在保有している金融資産額は全体で平均1,184万円。全体では前年比で26万円増加しているものの、20代(前年比▲92万円)と50代(前年比▲25万円)では前年より減少しました。

想定する金額と現実のギャップは1,669万円

このように、想定する老後資金の金額が2,853万円であるのに対して、現在保有する金融資産額1,184万円と、その差は1,669万円。

年代別の差額を見ると、20代が2,068万円、30代が2,190万円、40代が2,052万円、50代が1,804万円、60~70代が973万円で、すでに老後を迎えている年代でも1,000万円近い差があります(図表2参照)。

図表2:現在保有する金融資産額と老後に必要と想定する資金額とのギャップ(単位:万円)

(/mwimgs/6/8/-/img_68c87a4c05de4b30d938e5aafd6acedf126747.jpg)

拡大する(/mwimgs/6/8/-/img_68c87a4c05de4b30d938e5aafd6acedf126747.jpg)

出所:「老後を変える全国47都道府県大調査 2021版」(メットライフ生命)をもとに筆者作成

全体の約6割が資産運用を前向きに検討

最後に資産運用について見てみると、「今後の資産運用意向がある」(「したい」「ややしたい」の合計)と回答した人は全体の58.5%で、前年の56.7%から増加傾向です。

年代別では、20代・30代の7割以上が資産運用の意向があると回答し、40代65.4%、50代55.8%、60~70代43.5%という結果となっています。

そして、実際に資産運用をしている「資産運用実施率」は全体で35.1%。2018年28.1%→2019年30.5%→2020年32.6%→と年々上昇しています。特に20代は、2018年に16.5%だったものが2021年には30.3%と2倍近い増加で、調査開始以来初めて3割を超えたことが注目されます。

おわりに

2020年度のGDP(国内総生産)は実質の伸び率がマイナス4.6%となり、比較可能な1995年度以降で最大の下落になったと報じられました。新型コロナウイルスによる経済的ダメージがいかに大きかったかを物語っています。

10月に入り、緊急事態宣言が解除されたことで少しずつ日常生活が戻りつつありますが、第6波の可能性も心に留めながらの生活は続きそうです。不安を考えだしたら切りがありませんが、今後の経済対策を注視しつつ、将来に向けた資産形成をしっかり考えていくことが必要だと言えそうです。

参考資料

老後を変える 全国47都道府県大調査 2021年版(https://www.metlife.co.jp/data/changerougo/japanproject/pdf/survey_report.pdf)(メットライフ生命保険株式会社)

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