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給付の所得制限「年収960万円」、児童手当でも。子育て世帯の育児・教育費用はいくらか

LIMO / 2021年11月13日 12時15分

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給付の所得制限「年収960万円」、児童手当でも。子育て世帯の育児・教育費用はいくらか

2021年11月10日、自民・公明両党が18歳以下に10万円相当の現金・クーポンを給付する支援策で、年収960万円以下の所得制限を設けることで合意したと各種メディアで報じられました。年収960万円の所得制限は、児童手当の仕組みを活用するとも報じられています。

今回の給付だけでなく、児童手当でも所得制限の対象となる「年収960万円」。 収入などの要件によっては「高等学校等就学支援金制度」でも所得制限の対象です。同じ子育て世帯でも、高所得世帯では恩恵を受けにくいことが浮き彫りとなりました。

今回の給付の所得制限は世帯年収ではなく、夫婦どちらか所得が多い方の年収となる予定だと報じられています。同じように所得制限の対象となる児童手当の制度を改めて確認しながら、乳幼児から大学生までの子どもの育児・教育費用についてもみていきましょう。

児童手当の所得制限。来秋、年収1200万円以上は手当廃止へ

今回の10万円相当給付の所得制限の参考となった「児童手当」。その制度について、改めて確認していきます。

児童手当は中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方にむけて、以下の金額が支給されます。

児童手当の月額

3歳未満:一律1万5000円

3歳以上小学校終了前:1万円(第3子以降は1万5000円)

中学生:一律1万円

ただし所得制限があり、児童を養育している方の所得が以下の金額以上の場合、特例給付で「児童1人当たり月額一律5000円」となります。

【児童手当の所得制限】扶養親族等:所得制限限度額・収入額の目安

0人(前年末に児童が生まれていない場合等):622万円・833.3万円

1人(児童1人の場合等):660万円・875.6万円

2人(児童1人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等):698万円・917.8万円

3人(児童2人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等):736万円・960万円

4人(児童3人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等):774万円・1002万円

5人(児童4人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等):812万円・1040万円

モデル世帯となる「夫と専業主婦、子ども2人の家庭」では、年収960万円が所得制限の対象です。

さらに2021年5月21日には、夫婦どちらかが年収1200万円以上の場合、2022年10月分から手当が廃止される「改正児童手当関連法」が成立しました。

児童手当、そして今回の給付のように、所得制限は世帯年収ではなく、夫婦どちらかの年収が高い方になります。つまり、共働きで夫婦ともに年収500万円、世帯年収で1000万円の場合には対象になりません。

世帯年収ではなく、世帯主の年収であることに今回もさまざまな声が上がっています。

未就学児にかかる育児費用・教育費用はそれぞれ月5万円前後

では実際に、月々の育児や教育費用はどれくらいの負担があるのか見ていきましょう。

松井証券が小学生未満の子どもがいる共働き世帯や夫婦の全国の20~50代の男女合計700名を対象に行った<「育児・子育て」に関する実態調査> (2021年9月28日)によると、『現在のあなたのご家庭の育児・教育費用について、実際にかかっている1ヵ月あたりの平均金額』は、「育児費用:月5.6万円」、「教育費用:月4.7万円」(平均値)。

※育児費用…乳幼児の子どもにかかる食費、日用品費、被服費、医療費、保育費など
※教育費用…乳幼児~学童期までの子どもにかかる塾や習い事など
※松井証券株式会社調べ

未就学児はそこまでお金がかからないという意見もありますが、それでも月にこれほどの育児・教育費負担があります。

また、教育費用の貯蓄額については全体平均で「月3.9万円」。子どもの年齢区分では「3歳未満:月4.6万円」、「3歳以上6歳未満:月2.9万円」、「6歳以上12歳未満:月3.7万円」(平均値)と、月約4万円の貯蓄をしている家庭が多いようです。

日々の生活費にあわせて育児・教育費用に貯蓄、さらに住宅ローンの支払いなども重なると、子育て世帯の出費の多さを改めて感じます。

子ども1人につき幼稚園~大学まで、全て私立で約2530万円

子ども1人にかかる教育費についても確認します。文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査の結果について」によると、幼稚園3歳~高校生までの学習費総額は以下の通り。

幼稚園3歳~高校3年生までの15年間の学習費総額 (平成30年度)

すべて公立:約541万円

幼稚園のみ私立:約635万円

幼稚園と高校のみ私立:約788万円

すべて私立:約1830万円

すべて公立で約541万円、すべて私立では約1830万円に。年収960万円世帯では私立のご家庭も少なくないと考えられますので、幼稚園~高校生まででも教育費の負担は大きいでしょう。

なお、2019年(令和元年)10月より「幼児教育・保育の無償化(幼保無償化)」がはじまっていますので、幼稚園の負担は上記より下がると考えられます(子ども・子育て支援新制度の対象とならない幼稚園は月額2.57万円まで。通園送迎費、食材料費、行事費などは保護者負担)。

高校生には「高等学校等就学支援金制度」がありますが、この制度も所得制限があります。

高等学校等就学支援金制度は収入等要件に応じて、授業料にあてるため年11万8800円(月額9900円)や年39万6000円(月額3万3000円)が支給される制度。

所得制限があり、たとえば「会社員の夫と専業主婦の妻、子2人(高校生・中学生以下)」では、年収910万円以上は対象外となります。詳細は子どもの年齢などにより異なりますが、こちらも年収960万円以上の世帯は利用できない可能性が高まります。

大学費用については、2020年10月30日に発表された日本政策金融公庫の「令和2年度『教育費負担の実態調査結果』」から、大学の入学費用と1年間の在学費用をみていきます。

子ども1人あたりの入学費用と1年間の在学費用

入学費用:大学89万7000円(私立文系95万1000円、私立理系94万2000円、国公立大学77.0万円)

1年間の在学費用:大学157.3万円(私立文系152万1000円、私立理系192万2000円、国公立大学115.0万円)

※入学費用とは、受験費用、学校納付金、入学しなかった学校への入学納付金
※在学費用とは、学校教育費(授業料、通学費、その他の学校教育費)と家庭教育費(塾や通信教育など補助教育費、おけいこごとにかかる費用)など

私立文系の場合、入学費用と在学費用4年間分で約700万円がかかります。

幼稚園から高校まですべて私立で、私立文系に進んだ場合は約2530万円。

育児費用や教育費用を見てきましたが、これらは子ども1人にかかる費用です。子どもが2人以上となれば、さらにかかると考えられるでしょう。

高所得世帯も、家庭の状況はさまざま

今回の給付でも、児童手当でも、またケースによっては高等学校等就学支援金制度でも所得制限の対象となる年収960万円以上。

一方で、高所得世帯であっても家庭の状況はさまざま。居住地域によっては生活コストがかかったり、妻が専業主婦であったり、子どもが3人以上いたりする場合もあります。中には周囲が想像するより、生活が厳しいご家庭もあるでしょう。

「本当に困っている」という判断基準が難しいところですが、新型コロナウイルス感染症という予期せぬ危機において、困っている世帯への支援が行き渡るよう願います。

参考資料

内閣府「児童手当制度のご案内」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html)

内閣府「幼児教育・保育の無償化」について(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/musyouka/index.html)

内閣府「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案の概要」(https://www.cao.go.jp/houan/pdf/204/204_2gaiyou.pdf)

松井証券「子育て中の共働き夫婦のお金事情を調査!」(https://www.matsui.co.jp/company/ir/press/research/20210928.html)

文部科学省「高校生等への修学支援」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm)

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