ご存じですか? 「新NISA」と「つみたてNISA」。非課税投資枠をどう活用するか
LIMO / 2021年12月6日 18時45分

ご存じですか? 「新NISA」と「つみたてNISA」。非課税投資枠をどう活用するか
岸田内閣による金融所得課税強化の意向が報じられ、投資への注目が高まっています。そんな中、小額投資非課税制度「NISA」がリニューアルされ、2024年から新制度に変わることをご存じでしょうか。
そこで今回は、制度改正される「NISA」と「つみたてNISA」の変更点をざっくりお伝えします。どちらにするか悩んでいる方にも選ぶポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
NISA、つみたてNISAのおさらい
最初に、それぞれの制度のおさらいをしておきましょう。
現行NISAの特徴
まずは、NISAから見ていきます。ポイントは以下の3つです。
非課税期間は最長5年間、年間(1月~12月)の投資上限額は120万円で、非課税枠は最大600万円(5年×120万円)
株式や投資信託に投資する
口座開設可能期間は2023年まで
現行つみたてNISAの特徴
次に、つみたてNISAのポイントは以下の通りです。
非課税期間は最長20年間、年間(1月~12月)の投資上限額は40万円で、非課税枠は最大800万円(20年×40万円)
一定の条件を満たした投資信託に投資する
口座開設可能期間は2042年まで
NISAとつみたてNISAの大きな違い
NISAは株式にも投資ができますが、つみたてNISAの対象商品は投資信託のみ。しかも、つみたてNISAで投資できる投資信託は一定の条件を満たしたものに限られます。
NISAとつみたてNISAの併用はできず、どちらか一方を選択する必要があります。ただし、1年単位で、つみたてNISAからNISAへ、もしくはNISAからつみたてNISAへ変更することもできます。
また、NISAやつみたてNISAの投資額は1月から12月までの1年間で上限が決められており、NISAは120万円、つみたてNISAは40万円が上限額となっています。
以上のポイントを押さえたうえで、2024年からリニューアルされるNISAの制度の内容を見ていきましょう。
NISAは2024年から「2階建て」に
2024年からのNISAとつみたてNISAの変更点は以下の通りです。
NISA
NISAの新しい制度はいわゆる2階建ての構造になっています。1階部分は、投資対象を低リスクな投資信託等に限定した積立枠となっており、2階部分は上場株式やETF、REITといった株式投資ができる枠になっています。
1階部分で購入できるのは、つみたてNISAで対象となっている商品で、1階部分を少額であっても利用してからでないと2階部分を使った投資ができない仕組みになっているのがポイントです※。
年間投資額の上限は、1階部分が20万円、2階部分が102万円の総額122万円。また、口座開設可能期間が2028年まで5年延長されます。
※2023年までにNISA口座を開いている場合や投資経験者は、1階部分を利用せず、2階部分のみを利用することも可能。
つみたてNISA
現行のつみたてNISAの口座開設可能期間は2037年まででした。これも新制度では2042年までとなり、5年間延長されることになります。
NISAの大幅なリニューアルとは違い、つみたてNISAは現行の制度が維持され、口座開設が可能な期間が2037年から2042年に5年延長されるだけの変更にとどまっています。
結局、どちらがおトクなの?
NISAとつみたてNISAのどちらかを選ぶか、ポイントは2点あります。
一つは株式投資をしたいかどうか。NISAとつみたてNISAの大きな違いの一つは株式投資ができるかどうかであり、株式投資をしたいという希望があるのならNISA一択となります。
一方、投資は投資信託だけでも構わないという場合には、NISAもつみたてNISAも選択肢に入ってきます。ただし、活用できる非課税枠で見ると、NISAは最長5年間で年間上限120万円なので最大600万円、つみたてNISAは最長20年間で年間上限40万円なので最大800万円ということになります。
金額だけで考えたら、つみたてNISAのほうがおトクに感じるかもしれませんが、実際には最大20年間をフル活用しなければ800万円という大きな非課税投資枠を使い切ることができません。一方、NISAでも、600万円を使い切るには年間120万円を投資に充てる必要があるのです。
こうしてみると、最大の非課税投資枠を考えるのではなく、現実的に自分が1年間に投資に充てられる金額と投資したい商品からバランスよく選ぶほうがおトクと言えそうです。制度自体の最大非課税投資枠を考えるのではなく、より自分にフィットした制度を選ぶといいでしょう。
非課税投資枠を最大に使う方法もある
投資信託だけでなく、株式投資もやってみたい。それに非課税投資枠をすべて使えるだけの経済的な余裕がある。そういう方には、非課税投資枠を最大化する方法もあります。
たとえば、2021年から現行制度が続く2023年までは、NISAの投資枠120万円(120万円×3年=360万円)を活用し、2024年から2028年まではリニューアル後のNISAの投資枠122万円を活用します(122万円×5年)。
そして2029年から2042年まではリニューアル後のつみたてNISAを活用すると(40万円×14年)、合計1530万円という非課税投資枠を利用することができます。
自分にフィットする制度を選ぶことも大事ですし、経済的に投資に回すお金が十分にあるのなら、NISAとつみたてNISAを順番に活用して非課税投資枠の最大化を図るのもいいでしょう。
おわりに
NISAとつみたてNISA、制度自体の非課税投資最大金額で選ぶのは簡単ですが、その全額を使い切れるとも限りません。自分の投資スタイルや投資に回せる金額を考慮して、どちらを使うか選ぶようにしてくださいね。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
新NISA「最も利用している年代」や「投資額」が明らかに 約5000人を対象にした調査が示す実態とは
Finasee / 2025年2月4日 19時0分
-
忙しいママにもできる新NISA・iDeCoの始め方【「無理なく貯まる!初めての投資」 第2回】
Woman.excite / 2025年2月1日 20時5分
-
NISAの生涯投資枠「1800万円」をフル活用!枠を最大限に生かす賢い活用術とは
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月29日 10時20分
-
「NISA」と「iDeCo」どっちを選ぶ? 年間投資枠や資金の引き出し方などはどう違うの?
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月27日 10時20分
-
【新NISA】年120万円の非課税枠をどう使う?…「月3万円をコツコツ」「ボーナスでがっつり」「最大限活用」パターンごとにFPがシミュレーション!
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月21日 14時15分
ランキング
-
1日産、統合は白紙でもEVは協力…ホンダは承諾するか
読売新聞 / 2025年2月6日 19時45分
-
2バレンタインチョコ、初の1粒400円台突入 「カカオショック」直撃
iza(イザ!) / 2025年2月6日 15時38分
-
3「顔パス」で現金引き出し…カードもスマホもいらないセブン銀行の顔認証ATMスタート
読売新聞 / 2025年2月6日 17時10分
-
4平清盛の名前に「の」が入る"意外と深い"理由 意外と知られてない「氏」と「姓」の違いとは
東洋経済オンライン / 2025年2月6日 15時30分
-
5日本マクドナルドHD 売り上げ・最終利益ともに過去最高 値上げも客足増 トーマス・コウ氏が次期社長に昇格
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月6日 21時58分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする

記事ミッション中・・・
記事にリアクションする

エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
