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厚生年金「月額平均は14.4万円」その個人差に迫る

LIMO / 2021年12月7日 4時55分

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厚生年金「月額平均は14.4万円」その個人差に迫る

もう気付けば12月、2021年も残りわずか。親しい人々との旧交を温めたいこの時期ですが、コロナ禍で迎える2度目の年の瀬となりますね。

新たな変異種「オミクロン株」の登場に、年末年始のお休みはやはり自宅でゆっくり過ごそうと考えられている方も多いでしょう。

「仕事をリタイヤ後は、毎日がホリデイ!」そんな悠々自適な生活を夢みているのは、おそらく私だけではないと思います。

私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまからお金の相談を受けてきました。その経験もふまえ、今のシニア世代が受け取る年金額事情(※編集部注)を紐解きながら、老後へのお金の備え方についてお話したいと思います。

【※参考記事】「基礎年金と厚生年金」結局いくらもらえるの? (https://limo.media/articles/-/25920)

国民年金(基礎年金)と厚生年金のしくみ

まずは「年金制度のしくみ」についておさらいしておきましょう。次の図でイメージしていただけそうでしょうか。

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国民年金(基礎年金)は、日本国内に住むすべての20歳から60歳未満の人を加入対象としています。

年金保険料は定額制(※1)をとっており、20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付すれば「満額(※2)」を受給できます。納付期間が足りない場合は、その割合を満額から差し引く計算方式をとっています。

2021年度の月額
※1 国民年金保険料:1万6610円
※2 国民年金の満額:6万5075円


一方、厚生年金は国民年金にプラスして報酬比例の年金を支給する制度です。勤め先にそもそも厚生年金の制度あるか、勤務期間がどのくらいだったか、どのくらい稼いでいたか、などが老後の受取額を左右します。

上記のことから、日本の年金制度は「2階建て構造」などと呼ばれています。

国民年金(基礎年金)はいくら受け取れるのか?

厚生労働省年金局「令和元年度(2019年)厚生年金・国民年金事業年報」より国民年金の平均受給額を確認していきましょう。

国民年金・平均年金月額

全体…5万5946円(男性…5万8866円・女性…5万3699円)

【男女比較】国民年金・年金月額階級別老齢年金受給権者数

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国民年金の受給額には、さほど男女差はないようです。

「平均約14.4万円」も、個人差大きい厚生年金受給額!

引き続き、会社員が受け取る厚生年金の受給額事情をみていきましょう。

【男女比較】厚生年金保険(第1号)平均年金月額

全体…14万4268円(男子…16万4770円・女子…10万3159円)

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平均額をみると、男女の差は約6万円。結婚や出産、育児などで家庭に入る可能性の高い女性の受給額が低くなっていると考えられるでしょう。

一番多い層をみていくと、男性では15万~20万円未満層に男性全体の40.1%が、また女性では、5万~10万円未満層に女性全体の44.0%が収まっていることがわかりました。

厚生年金の「個人差」に着目

さきほども触れたとおり、国民年金は満額から納付期間が足りない分を満額から差引く計算式を活用しているため、男女差に大きな差はありませんでした。一方、厚生年金については、現役時代の働き方や報酬額が影響するため、個人の格差も大きくなっているようです。

厚生年金の受給者の内訳を紐解いていくと、ひと月あたり20万円以上を受給する人は、男性で24%、女性で12.8%。10万円未満の人は、男性で10.6%、女性では約半数の49.9%になります。

ごく僅かであるものの、月30万円以上を受給する人は、男性では0.17%、女性では0.007%存在しています。一方、月5万円未満も男性で1.4%、女性で5.9%存在しているのです。

まずは年金額の確認を

自営業やフリーランスのような働き方をされている人は、会社勤めの厚生年金加入者と比較すると年金額は少なくなる傾向があります。

国民年金のみの加入期間が長くなることが予想される方は、自らのチカラで老後に向けての備えは必須と言えるでしょう。国民年金より手厚く見える厚生年金ですが、ここまでのお話のとおり、受給額には個人差が生じます。

いずれにせよ、いざ年金を受取るタイミングで「もっと受け取れると思っていたのに…」とならないように、ねんきん定期便やねんきんネットなどを活用し、「今から」年金額を把握しましょう。老後資金の準備の第一歩です。

「老後の資金」を、自分でつくる

低金利時代と呼ばれるいま、預貯金で漠然とお金を持ち続けていても、受け取る金利はほんのわずか。資産を「増やす」ことには繋がりにくいといえるでしょう。

そこでぜひ視野に入れていただきたいのが「お金に働いてもらう」という発想、つまり「資産運用」のスタートです。公的な年金だけに頼らず、自助努力で資産を増やしていければ老後の安心につながるでしょう。

資産運用で大切にしたい3つの視点が「長期・分散・積立」です。

預貯金とは異なり、資産運用には元本保証はありません。集中的に一つの対象に投資をするのではなく、リスクを分散しながら長期で積立を行えるかどうかがカギを握ります。

思い立ったら吉日。老後の資金の準備は「今から」スタートしてみませんか。ゆとりの老後に向けた布石は、先手先手で打っていきたいものです。

「おうち時間」を有意義に活用して、資産運用でお金を育てるしくみ作りの「ファーストステップ」を踏み出してみませんか。

参考資料

日本年金機構「国民年金保険料」(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-02.html)

日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2021/202104/202104nenkingaku.html)

令和元年度(2019年)厚生年金・国民年金事業年報(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/)

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