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「平均年収600万円」の子どもがいる世帯。その貯蓄額と負債はいくら?

LIMO / 2021年12月17日 15時0分

「平均年収600万円」の子どもがいる世帯。その貯蓄額と負債はいくら?

「平均年収600万円」の子どもがいる世帯。その貯蓄額と負債はいくら?

18歳以下への10万円相当給付について、山際大志郎経済財政担当相より地方自治体が年収960万円の所得制限をなくすことを容認すると各種メディアで報じられました。ただし自治体への補助金額については、「年収960万円」の基準に従って支給する意向です。

支給が決定してからも紆余曲折する10万円給付問題。実際に、いまお子さんがいるご家庭の平均年収や貯蓄はどれくらいでしょうか。

少し前の調査になりますが、厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、2018年の児童のいる世帯の平均所得金額は年745.9万円。 所得の内訳をみると、雇用者所得(世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額で税金や社会保険料を含む)は651.8万円。つまり、子どもがいる世帯の平均世帯年収は「600万円台」です。

この年収600万円世帯の貯蓄や負債額について、リアルなお財布事情を眺めていきます。

世帯年収600万円世帯、その家族の年収や持ち家率は?

国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は433万円(男性平均532万円、女性293万円)です。

このうち給与所得者の構成比をみると、年収600~700万円は全体の6.5%。男性で9.2%、女性で2.6%と少数派です。

ただし先ほどの厚生労働省の調査で女性の有業率をみると、2018年の仕事をしている母は72.2%。およそ7割が共働き世帯で世帯年収が600万円台と考えられるでしょう。

今回は世帯年収600万円の貯蓄について、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」よりまず家族のすがたと年収を確認します。

【年収650~700万円】二人以上・勤労世帯の家族のすがた

世帯主の年齢:48.3歳

世帯人員:3.37人(うち18歳未満:0.98人)

女性の有業率:56.4%

持ち家率:78.4%

平均年収:672万円

世帯主の年齢は40代後半で3人家族、うち1人は18歳未満の子どもです。半分以上が共働きで持ち家に住み、年収は672万円ですね。

では、貯蓄や負債の平均はいくらでしょうか。

世帯年収600万円、リアルな貯蓄と負債額は?

先ほどの調査より、世帯年収650~700万円の平均貯蓄額とその内訳を見ていきましょう。

【年収650~700万円】貯蓄とその内訳

平均貯蓄額:1229万円

金融機関:1191万円

通貨性預貯金:405万円

定期性預貯金:316万円

生命保険など:330万円

有価証券:140万円

金融機関外:37万円

平均貯蓄額は1229万円と、1000万円を超えました。皆さんまとまった貯蓄を保有していることがわかります。内訳を見るとおよそ700万円が預貯金、他に生命保険や有価証券なども保有していますね。

では、負債額はいくらでしょうか。

【年収650~700万円】負債額

920万円(うち「住宅・土地のための負債」:861万円)

負債額は920万円でそのほとんどを住宅や土地が占めるため、住宅ローンが約900万円ほど残っていると考えられます。

貯蓄から負債を引いた金額を「純貯蓄」といいます。

【年収650~700万円】純貯蓄額

1229万円-920万円=309万円

純貯蓄をみると約300万円になりました。

先ほど家族構成を確認しましたが、18歳未満の子が1人いるのでこれから大学費用等がかかるご家庭が多いでしょう。

大学費用や老後資金はどれくらいかかる?

大学費用については個人差がありますが、一つの目安として日本政策金融公庫の「令和2年度 教育費負担の実態調査結果」(2020年10月30日公表)より、大学の入学・在学費用をみてみましょう。

入学費用

国公立大学:77万円

私立大学(文系):95万1000万円

私立大学(理系):94万2000万円

※入学費用は受験費用、学校納付金、入学しなかった学校への納付金なども含む。

1年間の在学費用

国公立大学合計:115万円

私立大学(文系):152万1000円

私立大学(理系):192万2000円

※在学費用は学校教育費(授業料、通学費、教科書代など)と家庭教育費(塾の月謝、おけいこごとの費用など)。

上記で計算すると、たとえば私立文系の場合は4年間でおよそ700万円かかる計算になります。先ほどの貯蓄額は1229万円なので、大学費用を払うと貯蓄は残り約500万円です。

また、現代では老後年金のみでは生活できないとも言われています。2019年には老後、年金以外に2000万円必要という「老後2000万円問題」が話題となりました。

その試算のもととなった金融審議会の「『市場ワーキング・グループ』(第21回)厚生労働省提出資料」によると、老後夫婦2人で暮らす場合にひと月の赤字が約5万5000円となり、これを老後30年と仮定すると全部で約2000万円が足りないことになります。

(/mwimgs/b/5/-/img_b567c27639f1e8ec6f2cb257d156751a129493.jpg)

拡大する(/mwimgs/b/5/-/img_b567c27639f1e8ec6f2cb257d156751a129493.jpg)

一般的に2000万円もの貯蓄は、時間をかけて築いていく必要があると考えられます。とはいえ住宅ローンや教育費を払いながら老後資金を貯めるのは簡単ではないでしょう。

さまざまな方法で貯蓄していこう

世帯年収600万円のご家庭のリアルなお財布事情を見てきました。住宅ローンや教育費の負担を考えると、貯蓄があっても安心しきれないと分かります。

子どもが大学を卒業すれば、教育費の負担がなくなるので貯蓄スピードも上がるでしょう。ご家庭によっては退職金も出ます。

ただ先ほどの老後2000万円問題の試算は介護費用などは含まれません。老後に旅行やリフォームをしたい、介護が必要になったら施設に入りたいなどと考える場合には、さらに別で用意する必要があります。

なかなか平均給与が上がらない今の日本では、貯蓄を増やすのも難しいものです。節約や資産運用などさまざまな手段を考え、早いうちから備えていきたいですね。

参考資料

厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html)

国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/minkan.htm)

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&stat_infid=000032087774&result_back=1&tclass4val=0)

日本政策金融公庫「令和2年度教育費負担の実態調査結果(2020年10月30日発表)」(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r02.pdf)

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