節税効果の高い住宅ローン控除の基礎を解説!確定申告で必要な書類リストもチェック!
LIMO / 2022年1月4日 17時45分
節税効果の高い住宅ローン控除の基礎を解説!確定申告で必要な書類リストもチェック!
住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合に受けられる住宅ローン控除。名前は知っていても制度の内容はよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。住宅ローン控除に関する質問は、筆者が国税職員だった頃に質問が多い内容ベスト5に入っていました。
そこで今回は、住宅ローン控除制度の基本的な部分についてお伝えしていきます。
住宅ローン控除はどのような制度?
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用してマイホームを新築・購入したり、増改築したりした際に一定の条件のもと受けられる制度のことです。正式名称は「住宅借入金等特別控除」という長い名前になっています。一般的には「住宅ローン控除」や「住宅ローン減税」と呼ばれています。
住宅ローン控除は税額控除のひとつで、税金がかかってくる所得から直接控除するため節税効果が高い制度です。
基本的には毎年末のローン残高の1%が控除額として所得税から差し引かれる仕組みです。所得税から引ききれない分は、住民税から控除が可能です。ただし、先般発表された「2022年度税制改正大綱」で現時点の控除率1%から0.7%に引き下げることが決定されました。よって今後の住宅ローン控除の控除額は、ローンの年末残高×0.7%となります。
期間は10年間ないし13年間です。通常住宅ローンは何千万単位で組む方が多いかと思いますので、毎年数十万円の控除を受けられる住宅ローン控除の制度はかなり節税効果が高いといえるでしょう。
住宅ローン控除を受けるおもな条件
住宅ローン控除を受けるためにはいくつか条件があります。おもな適用条件は次のとおりです。
自分が所有者で、自分が住んでいる
まず、登記の名義が自分になっていること、自分が住んでいることが必要です。別荘やセカンドハウスとして購入した家は住宅ローン控除の対象になりません。
床面積が50㎡以上かつ1/2以上を居住用にしている
住宅の床面積が50㎡以上で、かつ半分以上を自宅用にしている必要があります。この場合の面積は登記簿上での面積を意味します。
なお、一定の条件を満たす場合は床面積の条件が40㎡に緩和されることもあります。
合計所得金額が3000万円以下である
住宅ローン控除の適用を受ける年の合計所得金額が3000万円を超える人は住宅ローン控除の適用はできません。
住宅取得後6か月以内に入居し、12月31日まで引き続き住んでいる
取得したものの年の途中で引っ越しした場合は適用できません。
住宅ローンの期間が10年以上ある
マイホーム購入のために組んだローンが10年以上あることも条件になります。
中古住宅の場合建築後20年(耐火建物の場合には25年)以内か耐震基準に適合している
購入したマイホームが中古住宅の場合は、その建物が建てられてから20年(耐火建物の場合は25年)以内であるか耐震基準に適合する建物である必要があります。
住宅控除を受けるためのおもな条件を書きましたが、ほかにも細かな条件が必要となりますので詳しくはお近くの税務署にお尋ねください。
住宅ローン控除を受けるには確定申告書の提出が必要
ここからは住宅ローン控除を受けるための手続きについてお伝えします。
初めて住宅ローン控除を受けるときには、所轄の税務署に確定申告書とマイホーム関連の添付書類を提出する必要があります。マイホームに入居した翌年の2月~3月に確定申告書などの必要書類を出すのが一般的ですが、この時期を過ぎても確定申告はできます。
例年2月~3月は確定申告書の提出が集中するため申告会場はとても混み合います。確定申告は申告会場へ足を運ばずともインターネットで申告ができますので、トライしてみることをおすすめします。
なお、2年目以降の住宅ローン控除はお勤めの方なら年末調整で済ませることができます。初年度は少々手続きが手間ですが、2年目以降は手続きがラクになりますよ。
確定申告時に提出するおもな必要書類をリストにしました。
【住宅ローン控除の確定申告時に必要な書類】
住宅ローン控除の計算明細書
住宅ローンの年末残高等証明書
建物の登記事項証明書
土地の登記事項証明書(敷地もあわせてローンで購入した場合)
売買契約書や請負契約書のコピー
補助金の金額がわかる書類
マイナンバーのわかる書類と身分証明書
源泉徴収票(お勤めの方)
認定住宅や中古住宅など購入するマイホームの種類によって必要書類が違ってきますので、それぞれ確認して確定申告の準備をしてください。
住宅ローンは節税効果が高い制度
今回は、住宅ローン控除の基本的な仕組みや住宅ローン控除を受けるための条件について解説しました。住宅ローン控除はマイホームを買った人の特典ともいえる制度。たとえ控除率が0.7%に下がったとしても節税効果がとても高いのは変わらず、使わない手はないと感じます。お得な制度を利用して、上手く節税していきたいものですね。
参考資料
国税庁パンフレット「マイホームを持ったとき1」(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_1.htm)
「令和4年度税制改正大綱」(https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/202382_1.pdf)
国税庁タックスアンサーNO.1212「一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1212.htm)
国税庁タックスアンサーNO.1214「中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1214.htm)
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